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ヒットの法則あり? ドラマ“EDダンス”徐々に定番化

  • 放送中のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)は、“恋ダンス”の話題性もあって第2話の視聴率が初回を上回った (C)ORICON NewS inc.

    放送中のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)は、“恋ダンス”の話題性もあって第2話の視聴率が初回を上回った (C)ORICON NewS inc.

 新垣結衣主演のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のエンディング(ED)を飾る“恋ダンス”が、「ガッキー史上一番カワイイ!」「素敵すぎる」などと話題を集めている。これはメインキャストのひとりである星野源が歌う「恋」に合わせ、星野に新垣、石田ゆり子、古田新太、大谷亮平の出演者5人がエンディングで踊るというもの。新垣はかつて『ポッキー』のCMで見せたような“キュートすぎる”ダンスを披露しているし、石田の踊りもキレッキレで、世間の注目度と共に視聴率も上昇中だ。実はここ数年のドラマでは、こういったキャストが“踊る”エンディングがじわり増加中。しかも、話題作や高視聴率を記録した作品に多く見られている。

雑誌の“付録”のような、特別感を与えるにくい演出

 この“踊る”エンディングだが、前期の『グ・ラ・メ!〜総理の料理番〜』(テレビ朝日系)でも、ダンスに定評のある主演の剛力彩芽を中心に出演陣が見事なダンスを披露しており、昨年放送の『民王』(15年7月〜9月/同)では、W主演の遠藤憲一&菅田将暉らが軽快かつユル〜いダンスを見せ、『問題のあるレストラン』(15年1月〜3月/フジテレビ系)でも真木よう子、二階堂ふみ、高畑充希という豪華女優陣が、調理器具や食器等を使った“CUPS”というダンスで大いに盛り上がっていた。
  • “マルモリダンス”で話題を集めた(左から)鈴木福&芦田愛菜 (C)ORICON NewS inc.

    “マルモリダンス”で話題を集めた(左から)鈴木福&芦田愛菜 (C)ORICON NewS inc.

 2013年にも『都市伝説の女』(13年10月〜11月/テレビ朝日系)で、長澤まさみ、溝端淳平、竹中直人の3人がPerfumeの歌に合わせて踊り(実際にPerfumeも登場)、『最高の離婚』(13年1月〜3月/フジテレビ系)では、瑛太、綾野剛、真木よう子、尾野真千子が桑田佳祐の楽曲に合わせて、“大人の色気”漂うどこかエロティックなダンスを披露。2011年にさかのぼれば、『マルモのおきて』(同)のエンディング曲『マル・マル・モリ・モリ!』が実売約50万枚の大ヒットとなり、同曲を歌い踊った芦田愛菜&鈴木福の両名は、その年の『NHK紅白歌合戦』に出場。ドラマ自体も人気を博し、同時間帯の人気ドラマ『JIN‐仁‐』(TBS系)を脅かす高視聴率をマークした(最終回では平均視聴率23.9%を記録)。
 「『最高の離婚』にしても『民王』にしても、ギャラクシー賞などの各賞を獲得した高評価ドラマですし、確かにエンディングで出演者たちが踊っているドラマには、ヒット作や話題作が多いですね。『マルモのおきて』は“子どもが主役”ということを考えれば、エンディング曲が踊り付きというのはごく自然です。日曜朝のテレビ朝日さんの子ども向け番組、戦隊シリーズなどでは、エンディングが子どもでも踊れるようなダンス付きなのは“常識”ですし、『プリキュア』シリーズのエンディング曲は、もはやボカロ(初音ミク的なボーカロイド)風になっています。『妖怪ウォッチ』の「ゲラゲラポーのうた」や「ようかい体操第一」もそうですし、大人にも人気の『ラブライブ!』や『アイドルマスター』のオープニングやエンディングで、登場人物がダンスを踊るのはごく“普通”。

 ただ、ドラマのエンディング曲でダンスを踊る…となれば、ブームの先駆けとしては、2005年放送の『女王の教室』(日本テレビ系)ではないでしょうか? 本編では悪魔のような鬼教師を演じた天海祐希さんでしたが、エンディングになると一転、EXILEの主題歌に合わせて、超さわやかな笑顔で宝塚仕込みの華麗なダンスを披露してくれました。そういったギャップが話題になり、最終回は平均視聴率25%を超える大ヒット作となったんです」(エンタメ誌編集者)

俳優たちの“意外な一面”も見ることができる

 “踊る”エンディングが徐々に定番化しはじめたのには、平成24年度から中学校でヒップホップダンスが必修科目となったり、YouTuberたちの“踊ってみた”動画が話題を集めたりと、近年“ダンス”が身近なものになってきたことも影響しているのではないだろうか。最近は『紺野、今から踊るってよ』(テレビ東京系)や『だんすたっ!』(テレ朝日系)などのダンス番組も話題を呼んでいる。
  • “ダンス”に定評のある剛力彩芽 (C)ORICON NewS inc.

    “ダンス”に定評のある剛力彩芽 (C)ORICON NewS inc.

 「今のエンディングの“ダンスブーム”は、視聴者の誰でも挑戦できそうなところにも理由があるでしょう。剛力さんや天海さんのダンスは超ハイレベルですが、新垣さんや長澤さんのダンスは、テクニックよりも“カワイイ”から話題になるんですね。それに、年齢的には“オジサン”のベテラン男性俳優陣も挑戦しているので、彼らの意外な一面を見ることで、これもまた“カワイイ”の対象となります。言ってみれば、AKB48さんの『恋するフォーチュンクッキー』があれだけの人気になったのも、学校や職場で自分たちにも踊れる簡単さがあって、その動画がSNSなどで拡散されたから。今のドラマのエンディングダンスも、十分そのあたりは意識されてYouTubeなどに公開されているようですし、毎回微妙にダンスを変えるなどの工夫もされています」(前出・編集者)
 実際、ダンスというもの自体、踊る側も見る側も楽しいし、雰囲気を明るく和やかにする。エンディングのダンスが話題になれば、視聴者に「とりあえずドラマを見てみようかな?」という気にさせることも。俳優たちにとっても“意外な一面”を見せることで好感度を上げるチャンスになるし、さらにダンスの振り付けや映像に凝ることで、制作側のセンスや技術をアピールすることもできる。“3方が得をする”ドラマの踊るエンディングは、今後さらに重宝されていくかもしれない。

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