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キッズの間で「ようかい体操」に次ぐブーム、「エビカニクス」とは?
4年前の動画投稿を機に今夏メジャーデビュー、一気にお茶の間に浸透
ケロちゃんは、国立音楽大学教育科幼児教育専攻を首席で卒業後、4年間の幼稚園勤務を経て音楽活動を開始。ポンちゃんも、5年間の幼稚園勤務の後にこの世界に入っており、2人とも子どもの育成に関する知識は豊富。作詞・作曲を手がけた歌や考案した遊びは、1000作品を超えるという。ちなみに、2014年にはくまモンに楽曲を提供し、振付も担当。2013年からは4年連続で『フジロックフェスティバル』に出演してもいる。
それに歩調を合わせるように、5月27日に『ミュージックステーション』(テレ朝系)の「Mトピ」コーナー、6月1日に『スッキリ!!』(日テレ系)、21日に『めざましテレビ』(フジ系)、28日に『ノンストップ!』(フジ系)、30日に『ZIP!』(日テレ系)、7月18日に『とくダネ!』(フジ系)といった情報番組で相次いで取り上げられることとなった。YouTubeの再生回数は1500万回に迫る勢いを見せ(9月18日現在)、7月13日発売の、同曲を含むケロポンズのメジャーデビューアルバム『おどってあそぼう!!ケロポンズBEST』もロングセラー化の気配を見せている。
「エビカニクス」の魅力とヒットした歴代キッズソングとの共通点
では、これらの代表的なキッズソングと「エビカニクス」の共通点とは何だろうか? ひとつ目として「親しみやすさ」が挙げられる。「〜たいやきくん」や「だんご〜」「おさかな〜」「たらこ〜」などに代表される、日ごろからよく目にしている食べ物をほどよく擬人化することで、身近さを増幅させている点。「だんご〜」「おさかな〜」「おしり〜」「たらこ〜」「マル・マル〜」「ようかい〜」などに見られる、同じワードを繰り返し歌うことで、耳に残りやすい点などは「親しみやすさ」を誘発しやすいポイントとなるだろう。
そして、3つ目が「親子を巻き込む力」だろう。キッズソングが子どもだけのものにならないこと、それこそが国民的ヒットへとつながる分岐点となる。「〜たいやきくん」「だんご〜」「マル・マル〜」に代表されるように、子どもが見ていた曲の映像を親が見て一緒になって楽しむことができるのが、ファンの裾野を広げていく上では重要だ。前述したように、『Mステ』でピックアップされたことで若い音楽ファンにも曲の存在が伝わり、『めざましテレビ』や『スッキリ!!』といった朝のワイドショーで取り上げられことが、主婦層やサラリーマンにまで認知度をアップさせた。15年前の知る人ぞ知る曲の頃から親しんでいた“元キッズ”にとっては、時空を超えての再会となったことだろう。
あらゆる世代を飲み込んで、「エビカニクス」は今年後半に向けさらなる話題曲へと成長していく可能性も。大みそかの歌の祭典『NHK紅白歌合戦』で披露される――なんてことも夢ではないかもしれない。
(文:田井裕規)