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山崎育三郎インタビュー「“ミュージカルしかやらない”なんて言ってちゃダメだ、って気づいた」

ミュージカル界のプリンスとも言われ、現在ドラマやバラエティでも活躍する俳優・山崎育三郎が、カバーアルバム『1936 〜your songs〜』を発表。福山雅治や美空ひばりまで幅広くカバーした本作では、ミュージカル風の歌唱は封印。以前はミュージカル以外はやらないと考えていたという彼に、一体どんな変化が訪れたのだろうか。アルバムから、デビュー当時の経験談まで語ってくれた。

普段は何千人に向けた歌唱、今回に限ってはたったひとりに向けて

――8月24日に、カバーアルバム『1936 〜your songs〜』がリリースされました。ミュージカル俳優の山崎さんが、ミュージカル音楽ではなく、日本の歌謡曲をカバーされたことがまず新鮮でした。
山崎育三郎正直、僕もある時期までは、ミュージカル以外の活動はやらないつもりでいたんです。子供の頃からミュージカル一筋で、それ以外興味がなかった。ミュージカルの世界で、帝国劇場の舞台に立つこと、『レ・ミゼラブル』のような大作に出演すること、主演を張ることをずっと目標にしてきたので。でも昨年、初めてドラマ『下町ロケット』(TBS系)に出演する機会をいただいたときに、“僕がミュージカル以外の世界に飛び込むことで、従来のミュージカルファン以外にも、ミュージカルに興味を持ってもらえるきっかけになるかもしれない”と思ったんです。

――幅広い活動をすることで、結果的にミュージカルに還元される、と。具体的にはどういうことですか?
山崎育三郎たとえば、今もミュージカル『エリザベート』で全国を回っている最中なんですが、そこに「『下町ロケット』の真野くんのファンで」とか、「『しゃべくり007』(日本テレビ系)で好きになりました」というお客さまがいらっしゃる。たしかに、ミュージカル俳優なら、ミュージカル音楽をカバーするのが王道なのかもしれませんが、こうしてミュージカルに縁のない方との出会いが増えていく中で、もっと皆さんに気軽に僕の声に触れていただくきっかけがあればいいな、と思ったんです。まずは僕の声に触れるきっかけになるものを作りたかった。

――それにしても、リアルタイムで聴いているはずの福山雅治さんの「桜坂」やスキマスイッチの「奏(かなで)」といったいわゆるJ-POP以外に、美空ひばりさんの「愛燦燦」とか、沢田研二さんの「TOKIO」といった昭和歌謡が大半を占めていて、世代を超えた選曲になっていますね。
山崎育三郎母と祖母が歌が大好きなんです。母はもともと宝塚に入りたかった人で、祖母も歌手になりたかったようです。それで、小さい頃から家族でカラオケに行くと、祖母が美空ひばりさんの歌を歌って、母が山口百恵さんを歌う。それを聴いて、幼いながらも「いい曲だな」と思ったり。歌謡曲が身近だったんです。

――今回はどんな基準で曲選びをしたんですか?
山崎育三郎まずは、スタッフの方たちと100曲近く荒選びをして、動画を見たり、音源を聴いたりしながら、自分でも50曲近く歌ってみました。その中で、自分の声に合う楽曲かどうか、あとは、アルバムとして楽曲を並べてきたときのバランスも考えながら。

――歌うとき、気をつけたことは?
山崎育三郎ミュージカルの場合は、2階席3階席の一番奥まで届くように歌うんです。でも、ミュージカルが苦手、という方がおっしゃるには、その歌唱がトゥーマッチなんですよね。声の“圧”が強すぎるというか……(苦笑)。なので、今回のアルバムは、聴いてくださる方と1対1の関係で歌うことを意識しました。音楽を聴くときは基本ひとりじゃないですか。車の中とか、イヤホンで、とか。そのときに、聴き手の方々に“あ、これは自分に対して歌っているんだ”と思ってもらえるように。だから、普段は何千人に向けた歌唱を心がけているのを、今回に限っては、たったひとりに向けて歌っています。

『下町ロケット』でお芝居の幅が広がった 歌い手としても新たな表現に

――ミュージカルは非日常の世界なので、ミュージカルっぽい歌声を日常で聴くと、確かに大げさに聞こえてしまうのかもしれないですね。
山崎育三郎ドラマもそうなんです。日常的な会話、ボソボソと、向かい合った相手にだけ届く声で話していては、ミュージカルでは通用しない。でも、『下町ロケット』を経験してみて、お芝居の表現の幅が広がったんです。その場で求められる役柄にきちんと対応していくのが役者だと思うので、今回は歌い手としても、聴き手の暮らしに寄り添うような気持ちで歌いました。僕にとっての新しい表現になったと思います。

――ミュージックビデオを「君は薔薇より美しい」にしたのはなぜですか?
山崎育三郎ミュージックビデオは、ハッピーな曲にしたかったんです。「君は〜」なら、歌い上げる見せ場もあり、メロディも耳に残るし。今回は、振り付けも自分で考えて、総合的なエンタテインメントとして、この曲を見せたいと思いました。

――アレンジもアイディアを出されたり?
山崎育三郎そうですね。「桜坂」は今回キーを上げています。「糸」は、あえてキーを下げて、アレンジにもチェロを使いたいなど、希望を出しました。

――『下町ロケット』から映像にチャレンジしてみて、お芝居をする上で戸惑うことはどんなことでしたか?
山崎育三郎ミュージカルは、常に拍手、笑い、涙……。お客様の反応がある中での芝居なんですよ。それが、カメラの前で、「用意!」って言われることにまず面食らったし……。でも、途中で、内に秘めているものは同じで、表現の仕方が違うだけなんだってことに気づけたのはよかったです。でも、一番きつかったのは、睡眠時間が削られたことかな。ミュージカルをやっているときっていうのは、毎日が規則正しいので、“寝る時間がない!”ってことはないんです。でも、ドラマはその連続で、あれにはビックリしました。

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