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独自システムを構築 “本業”以外の魅力引き出す『ZIP!』

  • 『MOCO’Sキッチン』で新境地を切り開いた速水もこみち (C)ORICON NewS inc.

    『MOCO’Sキッチン』で新境地を切り開いた速水もこみち (C)ORICON NewS inc.

 女優の北乃きいが9月いっぱいで『ZIP!』(日本テレビ系)の総合司会を卒業し、後任に女優の川島海荷が就くことが発表された。ニュースからトレンドまで伝える情報番組であり、“朝の時計代わり”でもある同番組は、北乃きいや前任者の関根麻里、日替わりのメインパーソナリティであるTOKIOの山口達也(月・水)、EXILEのMAKIDAI(火)、関根勤(木)、鈴木杏樹(金)、さらには速見もこみちといった、俳優やアーティストの“本業以外”の新たな魅力を引き出し、お茶の間に浸透させてきた番組。その独特の手法とはいったいどんなものなのだろうか?

同枠は歴代の日テレ看板アナが総合司会を務める伝統

 『ZIP!』の放送開始は2011年。『ズームイン!!朝!』『ズームイン!!SUPER』といった日テレの朝の看板番組の後継番組であり、徳光和夫、福留功男、福澤朗、羽鳥慎一という同局の歴代看板アナが総合司会を務めるのが“お約束”でもあり(その後、独立するのもお約束)、現在は桝太一が総合司会を務める=日テレの看板アナは桝であることを社内外に宣言する“儀式”的な側面もあると言われる。ただ、パートナーであるもうひとりの総合司会者は、女子アナではなく“タレント”や“女優”。初代は関根麻里で、“よくできた娘”として非常に好感度が高かった一方、タレントであることに一部では不安もあったようだが、いっさいの懸念を払拭し、“朝の顔”として定着するのにそれほど時間はかからなかった。

 「あと斬新だったのは、やはり『MOCO’Sキッチン』企画で速水もこみちさんを起用したことでしょう。もこみちさんはイケメン俳優としてブレイクした後、当時の料理男子ブームに乗って、料理上手なところや時おり出すオヤジギャグが女性層にバカ受けして、再ブレイクとなったのです」(バラエティ番組制作会社スタッフ)

速水やMAKIDAIら、意外性溢れる抜擢で新たな側面引き出す

 『ZIP!』の特徴は、速見の料理コーナーに代表されるように、その時々の流行やトレンドをしっかりと伝えるコーナーがあることだ。ネット発の情報も多いが、きちんと街の声を取材しており、実用性も高い。さらに言えば、ちょっとしたシュールなアニメコーナー(現在は「朝だよ!貝社員」が放送)や、ミュージシャンが犬と全国各地を旅するコーナーなど、息抜きができる企画も効果的に配分されていて、他局の同時間帯の番組がニュース中心であるところ『ZIP!』はエンタメ路線寄りと、差別化もきっちりされている。そしてそれを伝えるのも、やはり“アナウンサー以外の芸能人”であることがほとんどなのである。

 「確かに“出演者が多すぎて学芸会みたい”なんて批判もありますが、それぞれがそれなりに役割をまっとうしているし、毎回観ていると不思議と慣れてくるもので、面白い。関根麻里さんの後任となった北乃きいさんも、当初は“何で今、北乃きい?”といった声もありましたが、持ち前の明るさと健康的なルックスが意外なほど朝にマッチして、その後すっかり定着しました。年配層の好感度もだいぶ上がったのではないでしょうか」(前出のスタッフ)

“タレント”ではなく専業の俳優やアーティストを起用し育成することで独自ブランドを構築

 そして今回、北乃きいの後任となる川島海荷も北乃同様、清純派・正統派女優というポジションながら、『ZIP!』への出演をきっかけに新たな魅力が引き出され、バラエティ番組などへの進出も考えられるだろう。実際、MAKIDAIにしても“ゴリゴリの体育会系男子”として、ちょっと怖そうなイメージもあったが、ゲーム企画で意外なほど成績が低かったり、ちょっと“お間抜け”な姿を披露し、親しみやすいキャラという新たな一面の開拓に成功したのである。これまで俳優やアーティストを専業とし、タレント業をあまり行ってこなかったがゆえに、朝の情報番組に出演することは、視聴者に新鮮さを与えた。

 もちろん、これらのアナウンサー以外の出演陣が活躍できるのは、中心にいる局アナ・桝太一の存在が大きいわけだが、現在桝はリオ五輪取材のため不在。後輩の辻岡義堂アナが代役を務めているが、驚くほど違和感がなく、番組は順調に進行している。これも『ZIP!』出演陣の“チームワーク力”の高さの証明と言えるし、タレントたちも局アナやMC陣への安心感があるからこそ、新たな魅力の引き出しに成功しているのだろう。今後、こうした“『ZIP!』方式”は、情報・バラエティ番組の重要なフォーマットのひとつとして確立されていくのかもしれない。

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