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デビュー30周年、日本にR&Bを根付かせた久保田利伸の功績

 久保田利伸が、今年でデビュー30周年を迎えた。その特別企画第1弾として、デビューアルバム『SHAKE IT PARADISE』(1986年)から最新アルバム『L.O.K』までのオリジナルアルバム13アイテムのアナログレコードBOX化が決定。12月21日に『30th Anniversary Vinyl Collection』として発売される。アニバーサリーイヤーを飾るイベント、企画はこの後も続々と用意されているようだ。

日本の音楽ファンの多くが久保田利伸を通してR&Bに触れた

  • 今年6月21日にデビュー30周年を迎えた久保田利伸

    今年6月21日にデビュー30周年を迎えた久保田利伸

 高橋真梨子、小泉今日子、田原俊彦などへの楽曲を提供(特に田原俊彦の「It’s BAD」は超名曲!)からキャリアをスタートさせた久保田利伸が、シングル「失意のダウンタウン」でアーティストとしてデビューを飾ったのは1986年。「Dance If You Want It」を含む3 rdアルバム『Such A Funky Thang!』がオリコンアルバムランキング1位を記録したことでブレイク、その後も「You Were Mine」(1988年)、「GIVE YOU MY LOVE」(1990年)、「夢 with you」(1993年)などのヒットソングを数多く生み出しことは周知の通りだ。

 久保田が日本の音楽シーンにもたらした最大の功績はもちろん、R&Bのエッセンスを広く浸透させたことだ。山下達郎、鈴木雅之、大沢誉志幸、吉田美奈子など、ソウルミュージック、ファンクを自らの音楽に取り入れたアーティストは存在していたが、R&B特有のグルーヴ、メロディセンス、ビジュアルを前面に押し出した日本人アーティストは久保田が登場する以前には皆無だった。

 音楽プロデューサーの松尾潔氏が「R・ケリーの年」と位置付けた1994年がR&Bシーンのひとつの絶頂期だったとすれば、80年代後半からR&Bテイストを濃密に反映した楽曲を発表していた久保田の存在は“とんでもなく早かった”と言うしかない。そう、日本の音楽ファンの多くは久保田利伸というアーティストを通して、初めてR&Bという音楽に触れたと言っても過言ではないだろう。

海外シーンとのつながりが生んだ、名曲「LA・LA・LA LOVE SONG」

  • ナオミ・キャンベルとの「LA・LA・LA LOVE SONG」はミリオンを突破

    ナオミ・キャンベルとの「LA・LA・LA LOVE SONG」はミリオンを突破

 また、海外の音楽シーンとつながりの強さも久保田の大きな特徴だ。日本でヒット曲を連発していた1993年にニューヨークに拠点を移し、1995年にはUSコロムビアレーベルよりアメリカでのデビューアルバムを発表。その後もニューヨークと東京を行き来しながら、常に自らの音楽性をアップデートさせてきたのだ。

 その大きな成果とも言えるのが、1996年にリリースされたナオミ・キャンベルとのデュエットソング「LA・LA・LA LOVE SONG」。木村拓哉と山口智子主演のドラマ『ロングバケーション』(フジテレビ系)の主題歌としても話題を集めたこの曲の大ヒットにより、久保田のワールドワイドなアーティスト性は完全に認知されたのだと思う。ちなみに2004年にはアメリカ全土で放送されている老舗音楽番組『ソウル・トレイン』にも出演している)。

久保田によって定着したR&B、そして多くのフォロワーが生まれる

  • オリジナルアルバム13アイテムがアナログレコードBOXに

    オリジナルアルバム13アイテムがアナログレコードBOXに

 前述した通り、久保田利伸の登場によって、日本の音楽シーンにはR&Bというジャンルが持ち込まれた。宇多田ヒカル、平井堅、MISIA、DOUBLEといった海外のR&Bをルーツに持つアーティストが次々と登場したこと、さらに言えばEXILEグループに象徴されるダンス文化が花開いたことも、久保田の存在を抜きにしては考えられない。KREVA、EXILE ATSUSHI、三浦大知など数多くのアーティストが久保田に対するリスペクトを表明していることからも、彼の影響力の大きさの証左だ。

 デビュー30周年をきっかけにして、久保田本人のキャリアに改めてスポットが当てられることはもちろん、日本のR&Bの在り方にも注目が集まることになりそうだ。
(文/森朋之)

【インフォメーション】
『30th Anniversary Vinyl Collection』
12月21日発売(完全生産限定BOX/予約締切8月28日)
◆オフィシャルHP(外部サイト)

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