ORICON NEWS
今に続く“女芸人のフォーマット”を形成 出稼ぎタレント・野沢直子の功績
『夢で逢えたら』など人気絶頂期に活動休止宣言 ダウンタウンらも認めるその力量
野沢の魅力は、『クイズ世界はSHOW byショーバイ!!』(日本テレビ系)、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、『天才・たけしの元気が出るテレビ』(日本テレビ系)などでも発揮され、「バクバクバクバク オーワダバク!」と連呼するだけの話題曲「おーわだばく」を含むアルバム『はなぢ』を発表するなど、その活動はどこか“パンク的”でもあった。その野沢の芸能生活を一変させるのが1991年、突然すべてのレギュラー番組を降板し、日本での活動休止宣言→単身渡米→ボブ・リンプとの結婚なのである。
「あの活動休止宣言は、当時の日本の芸能界に大きな衝撃を与えました。野沢さんはまさに人気絶頂期でしたから。しかも渡米だけではなく、すぐさまボブと結婚。ボブも野沢さんのバンド活動を通じて出会ったというだけあって、タトゥーだらけの相当なパンクス。結婚式では、夫婦で頭頂をハート型にしたモヒカンで登場していました。“出稼ぎ”の時には、ボブと一緒にぶっ飛んだパンクな曲も披露したこともあります。ちなみに当時のバンド名は“チンパンジーズ”でした(笑)」(エンタメ誌編集者)
テリー伊藤も天才と称賛 決して“女”をウリにしない一本筋が通ったパンク精神
「そもそも野沢さん自身は、祖父に作家の陸直次郎氏がいますし、叔父はアラン・ドロンやアル・パチーノなどのイケメン俳優の吹き替えでおなじみ、超有名な大物声優・野沢那智さんという“名門”の出。芸風は当初から破天荒で奇抜、現在の女芸人のスタイルを作ったと言ってもいいですが、脱いだりとか下品なことはせず、決して“女”をウリにはしてませんでしたね。彼女のパンク精神には、一本筋が通っていました」(前出の編集者)
気がつけば、今の若い世代はもはや全盛期の野沢直子は知らない時代になった。先の『メレンゲ』でも、野沢直子を「女子プロレスラー?」と言う若者もいるくらいであるが、同時にゲスト出演したテリー伊藤には「天才」と呼ばれ、いまだに仲が良い内村光良の私服を“ダサイ!”と突っ込めるほどのもはや“重鎮”でもあるのだ。
そんな幸せな家庭を築く一方で、ELECTRIC MACHINE GUN TITSなるロックデュオを結成し、まちゃまちゃやロリータ18号とジャパンツアーを行なうという相変わらずのパンクな姿は、今の若者にとっても「自分のポリシーを持っててカッコイイ」「あんな素敵な熟女いいな」と支持を受けている。お笑い芸人として常時テレビに出演しているわけではないが、バラエティタレントとしての確かな実績と実力があるからこそ、年に1回の“ぶっ飛び話”も視聴者に飽きられることなく、野沢直子はいつまでも新鮮であり、制作側からも重宝されているのであろう。