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今に続く“女芸人のフォーマット”を形成 出稼ぎタレント・野沢直子の功績

 今や日本の夏の“裏”風物詩とも言えるのが、お笑いタレント・野沢直子の“出稼ぎ”。毎年、夏の時期になると、普段在住している米・サンフランシスコから1ヶ月ほど“来日”しては、相変わらず奇抜なファッションと破天荒なトークでバラエティ番組を席巻し、帰っていく……という慌ただしさ。そんな出稼ぎ生活も今年で早25年。そもそも現在の“女芸人のフォーマット”を作ったとも言われる野沢直子だが、いまだ息の長い活動を繰り広げることができるのはなぜなのか?

『夢で逢えたら』など人気絶頂期に活動休止宣言 ダウンタウンらも認めるその力量

  • 夏の“裏”風物詩とも言える出稼ぎタレント・野沢直子(C)ORICON NewS inc.

    夏の“裏”風物詩とも言える出稼ぎタレント・野沢直子(C)ORICON NewS inc.

 野沢は現在53歳、1983年の芸能界デビュー後、『ひょうきん予備校』(フジテレビ系)などのバラエティ番組やテレビドラマに出演していたが、何と言っても代表作はダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコと共演した『夢で逢えたら』(同系/1988〜1991年放送)だろう。野沢は清水ミチコが演じた伝説的キャラ“伊集院みどり”の妹・伊集院きみどりや、アイドルを目指す喫茶店店員などショートコントで様々な役を演じており、同番組は深夜枠ながら、現在40歳前後の人間にとってはドリフやひょうきん族とも並ぶ“お笑い番組の金字塔”だった。とは言え、他の出演陣の強烈なキャラに押され、野沢は若干地味だった感もあるが、その体を張った思い切りのいい姿は、共演者のダウンタウンやウッチャンナンチャンらからもリスペクトされたのだ。

 野沢の魅力は、『クイズ世界はSHOW byショーバイ!!』(日本テレビ系)、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、『天才・たけしの元気が出るテレビ』(日本テレビ系)などでも発揮され、「バクバクバクバク オーワダバク!」と連呼するだけの話題曲「おーわだばく」を含むアルバム『はなぢ』を発表するなど、その活動はどこか“パンク的”でもあった。その野沢の芸能生活を一変させるのが1991年、突然すべてのレギュラー番組を降板し、日本での活動休止宣言→単身渡米→ボブ・リンプとの結婚なのである。

 「あの活動休止宣言は、当時の日本の芸能界に大きな衝撃を与えました。野沢さんはまさに人気絶頂期でしたから。しかも渡米だけではなく、すぐさまボブと結婚。ボブも野沢さんのバンド活動を通じて出会ったというだけあって、タトゥーだらけの相当なパンクス。結婚式では、夫婦で頭頂をハート型にしたモヒカンで登場していました。“出稼ぎ”の時には、ボブと一緒にぶっ飛んだパンクな曲も披露したこともあります。ちなみに当時のバンド名は“チンパンジーズ”でした(笑)」(エンタメ誌編集者)

テリー伊藤も天才と称賛 決して“女”をウリにしない一本筋が通ったパンク精神

 そんな野沢直子も今や3児の母。8月6日に放送された『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)にエメラルドブルーの髪で出演した野沢は、「結婚式の引き出物はヌンチャク」「2014年の夏は親友である小川菜摘(ダウンタウン・浜田雅功の妻)邸に居候」などと明かし、自宅の部屋はケバケバしい色で塗りたくられ、インテリアはホルマリン漬けされたバービー人形……など、相変わらずの奇抜な生活がレポートされた。さらに、長女の真珠(しんじゅ・22歳)は駆け落ちしたり、総合格闘技に挑戦して顔を腫らしてくる。次女の珊瑚(19歳)が家に彼氏を連れ込み、彼氏がいつまでたっても自宅に帰らず郵便物が家に届く。同局の『PON!』では、買い物ついでに娘の避妊具を買ってこようかと言うと、その彼に「それは結構です」と断られた等々、いかにも野沢らしい破天荒なエピソードを話していた。いずれにしてもそうしたある種行き過ぎた言動も、野沢直子だからこそ許されていると言っていいだろう。しかし、ふたりの娘は超美人であり、息子の海(15歳)がサッカーをしているところを見守る野沢の姿などは、実に幸せそうな“母”でもあった。

 「そもそも野沢さん自身は、祖父に作家の陸直次郎氏がいますし、叔父はアラン・ドロンやアル・パチーノなどのイケメン俳優の吹き替えでおなじみ、超有名な大物声優・野沢那智さんという“名門”の出。芸風は当初から破天荒で奇抜、現在の女芸人のスタイルを作ったと言ってもいいですが、脱いだりとか下品なことはせず、決して“女”をウリにはしてませんでしたね。彼女のパンク精神には、一本筋が通っていました」(前出の編集者)

 気がつけば、今の若い世代はもはや全盛期の野沢直子は知らない時代になった。先の『メレンゲ』でも、野沢直子を「女子プロレスラー?」と言う若者もいるくらいであるが、同時にゲスト出演したテリー伊藤には「天才」と呼ばれ、いまだに仲が良い内村光良の私服を“ダサイ!”と突っ込めるほどのもはや“重鎮”でもあるのだ。

 そんな幸せな家庭を築く一方で、ELECTRIC MACHINE GUN TITSなるロックデュオを結成し、まちゃまちゃやロリータ18号とジャパンツアーを行なうという相変わらずのパンクな姿は、今の若者にとっても「自分のポリシーを持っててカッコイイ」「あんな素敵な熟女いいな」と支持を受けている。お笑い芸人として常時テレビに出演しているわけではないが、バラエティタレントとしての確かな実績と実力があるからこそ、年に1回の“ぶっ飛び話”も視聴者に飽きられることなく、野沢直子はいつまでも新鮮であり、制作側からも重宝されているのであろう。

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