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お笑いシーンで見直される一発ギャグ、新世代ギャガーも台頭

  • 「ゲッツ」でおなじみ、イベントなどでも売れっ子のダンディ坂野

    「ゲッツ」でおなじみ、イベントなどでも売れっ子のダンディ坂野

ここ最近、バラエティ界では“一発ギャグ”が見直されている風潮がある。一発ギャグというと、一世を風靡したものでさえ瞬く間に忘れ去られてしまう、いわゆる“一発屋”のイメージにも通じ、お笑いジャンルとしてはわりと軽視されがちだった。ところが今、数多くのギャグのネタを持つ→手堅く笑いが取れる引き出しを多く持っている→芸の幅が広いギャグ芸人=“ギャガー”として、バラエティの現場で重宝されているのだ。

芸として軽視されがちだった“一発ギャグ”への評価の変化

  • 子どもにも大人気のコジマリオネットを披露した小島よしお

    子どもにも大人気のコジマリオネットを披露した小島よしお

 そもそも一発ギャグとは、その名の通り、数秒〜数十秒ほどの一瞬の間に繰り出されるギャグのことで、内容や意味というよりはフレーズや動作のインパクトが重要。古くは谷啓の「ガチョーン」や、アニメ『おそ松くん』に登場するイヤミの「シェー」などがある。ここ最近のわかりやすい例でいえば、ダンディ坂野の「ゲッツ」や小島よしおの「オッパッピー」といったところだろうか。

「一発ギャグは出始めはいいんですが、しだいに慣れてきて冷静になると、“そもそも何がおもしろいんだ?”“内容がない”などと批判されがちです。そもそも芸としても、お笑いのなかでは漫才やコントなどと比べても軽く見られていました。しかし最近では、バラエティなどで手堅く笑いを取れることに信頼感が持たれ、重宝される傾向があります。また、売れた一発ギャグがあると営業でも稼げますから、一発屋芸人自体が見直されています」(バラエティ番組制作会社スタッフ)

 一発ギャグが人気を得ると、ときには本人よりもギャグの方が独り歩きして、「“ゲッツ”やってる人誰だっけ?」ということにもなるわけである。そうなるとギャグの担い手は“一発屋”へと近づいていくことになる。しかし、芸人が供給過多の現在では、一発当てるだけでも大変なことであるのが視聴者の間でも理解され、そこへの視線も変わってきている。芸人たちも売れるためにはまずギャグで一発当てたいと、一発屋を目標とする若手も表れている。今や一発ギャグは立派な、そして有効な“武器”になっているのだ。

瞬発力と破壊力、対応力の広さがバラエティで重宝される

  • 一兆個のギャグをもつ男、FUJIWARAの原西孝幸

    一兆個のギャグをもつ男、FUJIWARAの原西孝幸

  • 独自の世界観の芸が評価されているずんの飯尾和樹

    独自の世界観の芸が評価されているずんの飯尾和樹

 そんな一発ギャグ芸人の代表のひとりが、“一兆個のギャグをもつ男”FUJIWARAの原西孝幸だ。「必殺技」「祭り」など独特の“動き”と“間”が絶妙であり、連発することに意味があるというかクセになる感じもあり、立派なひとつの芸として成立させている。また、原西と並んで一発ギャグ界の“東の雄”と言えば、ずんの飯尾和樹だろう。「ペッコリ45度」「後輩にはマイナス10度」のお辞儀ギャグや、「平日の昼間からゴロゴロ〜」とつぶやいた後に突拍子もないことを言う「現実逃避シリーズ」も独自の世界観の芸として認められている。

 最近では、お笑いコンビ・流れ星のちゅうえいの一発ギャグも評判がいい。さらに、新世代若手ギャガーの代表格・サンシャイン池崎は『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)ではひな壇ではなく、モニター横の“ノーギャラ枠”で奮闘中。同番組で毎回ネタを披露してはインパクトを残し、ここ最近は深夜バラエティ出演が増えているようだ。『発見!○○な人』(TBS系)では「FUJIWARA原西よりギャグが多い人」として、原西、飯尾、ワッキー、永野らと“ギャグしりとり対決”を果たし、ベテラン勢に勝るとも劣らない健闘ぶりを見せ、新世代若手ギャガーの力量を示していた。

「今、無名の芸人さんがブレイクするには、子どもにウケることも条件のひとつになっています。そういった意味でも一発ギャグは最適。子どもにおもしろがられる一発ギャグを作った時点で、すでに芸人としてそれなりの実力があるという証明になるんです」(前出・スタッフ)

 確かに一発ギャグは、若い世代を中心に人気が高まってくる芸であることは間違いないだろう。たかが一発ギャグ、されど一発ギャグ。一発ギャグは、どんな場面でも笑いを起こさせる瞬発力と破壊力、そして数多くのネタを持つことによる幅広い対応力を備えている。そんなところがお笑い戦国時代の今、バラエティなどで重宝され、見直されてきているのだ。お笑いの歴史のなかで脈々と生き続けてきた一発ギャグは、その“一発”だけで世間を動かし、一世を風靡する力を今なお持ち続けている。

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