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高橋優が歌う桜ソング「シンプルな本来の人間関係を歌いたかった」

俺がいいなと思う女の子は、すでに俺の友達が好き……

――それにしても「キューピッド役になることが多い」って、どうしてなんですかね?
高橋 うーん…。まず、2枚目キャラというか、イケメンと仲良くなることが多いんです、なぜか。イケメンと友達になることが多いせいか、俺に近づいてくる女の子って、俺のとなりにいるカッコいい男が目当てだったりすることがけっこうあるんですよね。「俺がいいなと思う女の子は、すでに俺の友達が好き」っていうジンクスも出来上がっていて。

――うわ、切ないですね…。
高橋 なかなか切ないですよ(笑)。「運命の人」にも、そのことを匂わせるフレーズがあるんです。「友達でいなきゃいけない苦しみなら/僕もよく知ってるよ」っていう。女の人が聴くと「コワッ!」って思うかもしれないけど(笑)、そういう自分を嘆いてばかりもいられないなという気持ちもあって。「誰かを幸せにできるなんて、すごくいいことじゃないか」と思えるようになってから、そのポジションが板に付いてきたんですよね。

――なるほど。では、大倉忠義さんのようなイケメンのアイドルと一緒にラジオをやってるというのも…。
高橋 宿命でしょうね(笑)。番組が始まった頃は、自分のポジションを切なく思っていたところがあって、「どうせ大倉くんはカッコいいからな」みたいな言い方をしてたんですけど、放送を聴いて「これ、とってもカッコ悪いな」って気付いて。そんなグチっぽいこと言ってても、誰もトクしないじゃないですか。だから、いまは張り合うようにしてます(笑)。

――3曲目の「クラクション」はドラマ「悪党たちは千里を走る」主題歌。パトカー、救急車、消防車などの音をモチーフにしたナンバーですね。
高橋 僕、秋田県の横手市の出身なんですけど、家の外に出たときに聞こえてくるのは、風の音、川の流れる音、木々のざわめき、カエルの鳴き声とか、自然の音ばかりなんですよ。そういう環境で育ったから、この歌を書いたのかなって。東京で暮らしてると、いろんな音が聴こえるじゃないですか。救急車のサイレン、携帯の着信音、ヘリコプターの音……ちょっと意識してみると「東京って機械音だらけだな」って思ったんです。時には「うるさいな」って思う自分もいたんだけど、「よく考えてみたら、どの音も人の意思で鳴らされてるんだよな」って思い直して。たとえば救急車のサイレンって“人を助けたい”という音じゃないですか。すべての音に人の意思、人生があるんだよなって思ったのが、この曲を書こうという気持ちにつながったというか。

――誰もが当たり前に知っている風景や音がテーマになっているので、すごく共感しやすいんですよね。
高橋 誰も知らないことを歌にするよりも、誰もが一度は経験していること、見たことがある、聞いたことがあることを歌にするほうがいいと思うんですよ。やっぱり「わかる!」って言ってもらいたいし。最近、曲作りが楽しいんですよね。

亀田さんは相手の世界を尊重して面白がってくれる

  • 「さくらのうた」通常盤

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――曲作りが楽しくなったのは、何かきっかけがあるんですか?
高橋 どの曲とは言わないですけど、メジャーデビューしてからは、時間に追われながら書いた曲もあるんですね。でも、この前、そういう思い出がある曲をリハーサルでやってみたら「あ、いい曲だな」って思ったんですよ。そのときに「こういう日が来ることもあるんだから、“名曲を作ろう”って力み過ぎないで、まずは曲を残すことが大事だな」と思って。そのときからちょっと気持ちがラクになったんです。

――高橋さんが「どうかな…?」と思っていても、聴く人はどう感じるかわからないですからね。
高橋 そうなんですよね。こっちが「ここを見てくれよ」って押し付けてもしょうがなくて、こうやって表に出る活動をしている以上、「自分のどこを見てもらってもいい」というスタンスでいたほうがいいなって。そのほうが歌い手として自然でいられると思うんです。“今日思ったことを今日歌う”というキャッチフレーズでメジャーデビューしたし、そのとき思ったことを曲にするのが大事だなと。そんなふうに思ってると「メガネが割れそう」みたいなふざけた曲も出来るっていう(笑)。

――(笑)。「メガネが割れそう」はメガネツインズ(高橋優&亀田誠治)名義の楽曲ですね。
高橋 メガネツインズは福島のイベント限定で活動してるんですけど、もう4年くらい続いてるんですよ。いままでは僕の曲と忌野清志郎さんのカバーをやってたんですけど、「そろそろメガネツインズのオリジナル曲があってもいいんじゃないか」という話になって、3分くらいで書きました(笑)。こうやって上手にフザけられることもあるんですよ、たまに。それも音楽の醍醐味だと思うし。

――歌とアコギとベースっていう構成も楽しいですよね。
高橋 亀田さんと一緒にやるのはすごく楽しいし、勉強になります。亀田さんって、絶対に否定的なことを言わないんです。おもしろがる、楽しむことのプロでもあると思うし、そのスタンスを崩さないんですよ。もちろん「こうしたほうがいいよね」っていうテクニカルな話もするんだけど、いつもニコニコしていて、円満な雰囲気で。尊敬している年上の方って、みなさんそうなんですよね。自分の世界を押し付けるのではなくて、相手の世界を尊重して、おもしろがってくれる。素晴らしいなって思います。

――「さくらのうた」から始まる2016年、どんな展開になりそうですか?
高橋 いまはギターと向き合って地味に練習するのも楽しいんですけど、チャレンジ精神を忘れないようにしたいですね。あとはずっと作り続けていくことかなと思っています。活動の幅を広げさせてもらっているからこそ、“作って歌う”という根幹が大事だなって。そこをしっかり確認しながら歩いていきたいですね。

(文/森朋之)

高橋優「さくらのうた」スペシャルショートエディット

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