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オタクのイメージに変化?対極だった“リア充”と“オタク”が共存関係に
ジャンルの多様化と女性を取り込んだことで暗いイメージから脱却
当然、NOと答えた人が55.4%いるわけだが、そのほとんどは「こだわりがない」(神奈川県/10代/女性)、「趣味がない」(大阪府/30代/男性)とのこと。それでも1990年代に比べると、堂々とオタクを自称する人間が増えてきたことは間違いないと思われる。その背景には、アニメやマンガなどのいわば“アキバ文化”こそが、日本が海外に誇れる文化とする認識が定着してきたことがある。2010年には、民主党政府もそれを「クールジャパン」として散々アピールしていた。
また、かつてはオタクも多種多様なジャンル、現在で言えば、「ラブライブ!」=アイドルオタク、「ガールズ&パンツァー」=戦車オタク、「刀剣男子」=日本刀マニア転じて美少年萌え、などとオタク文化の1ジャンルに分類されていたが(当然異論もアリ)、それぞれが社会現象になるほどのブームになったおかげで、特に“特定の分野・物事”というわけでもなくなり、社会的にも広く認識されるようになったのである。
6割以上がオタクに「マイナスイメージなし」
女性のオタクを指す言葉に“腐女子”というものがあったが、美少年ゲームなどが一般化するうちに、今では珍しくなくなり、もはや“普女子”と言うべきかもしれない。もともと“オタク”は、マニアックな男性のほうのイメージが強く、女性は単に“熱中”していることを指す場合が多かった。加えて、アイマス(ゲーム『アイドルマスター』)やラブライブの影響で女性ファンも増え、コミケもアニメ好きの女性オタクが来場しやすいイベントとして定着している。今回のアンケートでも、男性の36.8%がオタクと答えたのに対し、女性は何と52.4%と過半数を超えているのだ。もはや女性がオタクを語ることはマイナスではなくなったのである。
オタクを自称する人の約半数が“リア充”でもあると回答
「かつては“モテモテだけど実はオタク”という設定のマンガやアニメがよくありました。でも今は“オタクだけどモテモテ”という時代なんです。リア充オタクが発生したきっかけとしては、各種メディアを巻きこんだ『電車男』(2004年〜)の大ブームが大きかったですね」(マンガ・アニメの原作者)。
一方で、「大好きなアイドルグループを応援しているだけで幸せだから」(大阪府/20代/女性)、「趣味もリアルな世界」(三重県/50代/男性)という、オタク生活=充実とする“リア充オタク”の声もあった。つまり、“リア充”と“オタク”は共存だけでなく、融合もなされるようになったということだ。
オタク文化の成長・一般化の原動力として、“社会性に欠けていた”先輩オタクたちの「自分の好きなジャンルを社会に認めさせたい」という願望やコンプレックスもあったに違いない。オタク文化が認められつつある今、特にコンプレックスもなく、好きなように生き、好きなものに熱中できる“リア充オタク”が増えていくとすれば、これまでにない新たな文化の潮流が社会に生み出されてくる可能性もあるのだ。
【調査概要】
調査時期:2016年2月5日(金)〜2月11日(木)
調査対象:合計500名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代〜50代の女性)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査