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『グラミー賞授賞式』の行方を予想! 注目のアーティストは?

 世界最大の音楽の祭典『第58回グラミー賞授賞式』が、米ロサンゼルスのステープルズ・センターで2月16日(日本時間)に行われる。日本でも大人気のアーティストやこれをきっかけに大ブレイクを果たしそうな逸材まで、多彩なミュージシャン、作品がノミネート。その発表の前に、気になる賞の行方を予想しつつ、注目のアーティストを紹介。

“リアル”で“独自”なR&B/HIP HOP勢が台頭!

 昨年はサム・スミスが主要3部門の最優秀賞を獲得したことで世界的ブレイクを果たしたことでも知られる、世界最大の音楽の祭典『グラミー賞』の発表が、迫ってきた。すでに昨年末に発表されたノミネートに目を通すと、例年以上にR&B/HIP HOP勢の台頭が目立つ。最多9部門11ノミネートの米カリフォルニア州コンプトン出身のラッパー、ケンドリック・ラマーを筆頭に、一昨年アリアナ・グランデの楽曲にフィーチャーされたことで注目され、日本でも3月にデビューが決まったカナダ出身のR&Bシンガー・ソングライターのザ・ウィークエンド(7部門にノミネート)。俳優としても活躍するカナダ出身のドレイク(5ノミネート)などが名を連ねている。彼らの場合、時代の流行に合わせるのでなく、自らが独自の世界観やメッセージを持っているのも特長。

 特に最多ノミネートされているケンドリック・ラマーは、自身が暮らしていた都市に残り続ける“現実”をギターやドラム、ベースといった生音を駆使し、今や孤高の存在感を放ち、HIP HOP新世代の筆頭と呼ばれるほどに。他のノミネートされたミュージシャンに関しても同様、何か揺るぎない“芯”を感じさせるものがある。そういったストイックな姿勢が、評価を受けての今回の結果と言えるのではないだろうか。日本ではまだ、馴染みが薄いかもしれないが、台風の目となりそうな存在である。

世界が熱狂するポップ・アイコンも堂々のノミネート

 R&B/HIP HOP勢が目立つなか、一昨年に発売したアルバム『1989』が世界中で大ヒットするなど、現代のポップ・アイコンになったテイラー・スウィフトも、「年間最優秀レコード」をはじめ7部門でノミネート。彼女は史上最年少で「年間最優秀アルバム」を獲得するなど、これまで7度の受賞経験がある常連でもあるという実績を考えると、今年を席巻する可能性は非常に高い。授賞式では貫禄を見せてくれそうだ。

 そのほか、注目したいのが新人賞の行方。日本でも「ぽちゃカワ・プリンセス」と呼ばれ人気を獲得したメーガン・トレイナー。さらにサム・スミスやアデルなども獲得した英国の批評家賞にも選出、テイラー・スウィフトのオープニングでパフォーマンス経験を持つ男性シンガー・ソングライターのジェイムス・ベイ(2月日本デビュー、3月に来日)など、独自の表現世界を持つ実力派たちが拮抗。予測がつかないだけに、誰が獲得してもおかしくない状況だ。

渡辺謙主演作や小澤征爾ら、日本勢もノミネート

 そして、日本勢が今年もノミネート。渡辺謙が主演したミュージカル『王様と私』が「最優秀劇場ミュージカル・アルバム」に、小澤征爾が指揮した『ラヴェル:歌劇<こどもと魔法>』が「最優秀オペラ・レコーディング」に、Shin Nishigakiがビデオプロデューサーを務めた「LSD」(ラッパー、エイサップ・ロッキーの楽曲)が「最優秀ミュージック・ビデオ」にノミネート。彼らの活躍にも期待したい。

 また、賞の発表以外にもこの日しか観られない超豪華パフォーマンスも観どころ。昨年は、メディアを嫌い顔を見せないことでも有名なシンガー・ソングライターのシーアが、背中を向けたままパフォーマンスし、最後まで素顔を明かさず、話題となった。さらに、「年間最優秀アルバム」のプレゼンターとして登場したプリンスは、「アルバムって覚えてますか?」とダウンロード主流のいま、アルバムの価値が低下しつつある現状に対する皮肉を込めて発言。そうしたアーティストらの生の声も聞けるのが『グラミー賞』ならでは。今年は、最多ノミネートのケンドリック・ラマー、最新作を発売したジャスティン・ビーバー、同授賞式で歴史的な記録を叩きだしたアデル、レディー・ガガによる故デヴィット・ボウイさん追悼パフォーマンスなどと期待が膨らむ。ミュージシャンたちの気合いの入ったファッションなど、見逃せないポイントが満載。ぜひ、生中継で固唾をのんで賞の行方を追いかけて欲しい。

(文:松永尚久)
(メイン写真:『第56回グラミー賞授賞式』よりGetty Images/GRAMMY(R), GRAMMYs(R), GRAMMY Awards(R), and the gramophone logo are registered trademarks of The Recording Academy(R), and are used under license (C)2016 The Recording Academy)

『第58回グラミー賞授賞式』について

生中継!第58回グラミー賞授賞式
【放送日時】2月16日(火)午前9時〜 ※二ヶ国語(同時通訳)[WOWOWプライム]

第58回グラミー賞授賞式
【放送日時】2月16日(火)午後10時〜 字幕版[WOWOWライブ]

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歴代の受賞作品一覧(外部サイト)

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