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時代を経ても変わらぬ強度、王道バラエティ“どっきり”の歴史と変化

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    『うわっ!だまされた大賞』(日本テレビ系)で“キング”と呼ばれるロッチ・中岡創一(右)とコカドケンタロウ

最近は“どっきり”の冠を持つバラエティ番組こそめっきり少なくなったが、『うわっ!だまされた大賞』(日本テレビ系)が定期的に放送されるなど、しぶとく生き残るどっきり企画。BPO(放送倫理・番組向上機構)の規制や社会環境の変化からか、どっきりを仕掛けられるのは芸人やいじられタレント限定だったり、内容が大人しくなったりはしているが、相変わらず人気の高いどっきり番組について検証しよう。

王道フォーマットを確立したかつての2大巨頭番組

 どっきり番組のルーツとなると、1970年代に放送開始された『元祖どっきりカメラ』(日本テレビ系)だろう。何かしらのハプニング→「どっきりカメラ」と書かれたプラカードを持った野呂圭介が登場→どっきりと判明し、ホッとしてオチ、という王道のフォーマットはこのときすでに完成され、どっきりの標的は芸能人のみならず一般人にも及んでいた。

 この『どっきりカメラ』を芸能人限定にして過激化させたのが『スターどっきり(秘)報告』(フジテレビ系)だ。番組自体は1976年から始まったが、全盛期を迎えたのが1980年代後半、小野ヤスシのキャップ時代だ。大物演歌歌手にお色気どっきりを仕掛けたら、スケベな視線で本気でギャルを舐め回す……的な芸能人のリアルな姿ものぞけたし、田代まさしによる「寝起きどっきり」なども人気となり高視聴率を記録。どっきりといえば『スターどっきり』という人も多いのではないだろうか。

 この『どっきりカメラ』と『スターどっきり』がどっきり番組の2大巨頭だったが、これらの番組も終了して久しい。その後はバラエティ番組内のいちコーナーとして企画されることが多く、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)での「早朝バズーカ」(寝起きどっきりの進化版で、勝手に早朝に人の家に侵入し、高田純次が枕元でバズーカ砲をぶっ放す)、その派生型としてロックバンド・X(当時)も出演した「早朝ヘビメタ」などがある。

 その後『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ系)などで、どっきりものは人気企画として定番化。さらには『めちゃめちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)で、よゐこ・濱田優に長期間にわたってどっきりを仕掛ける企画が話題となると、『ロンドンハーツ』(TBS系)の「狩野英孝歌手デビューどっきり」など、物語性の強い“長編どっきり”が人気を博すことになる。

 現在も『人間観察バラエティ モニタリング』(TBS系)など、一般人へのどっきりを復活させたレギュラー番組もあるが、基本的にはバラエティのいちコーナーかあるいは特番枠が主流で、内容も大人しくなったようだ。

イジメに見えないようにいかに視聴者を楽しませるか

「どっきり自体、視聴率が取れるキラーコンテンツなのですが、一本立ちさせて専門番組にするにはリスクがある。何より視聴者からのクレームが怖いんです。さらにBPOから勧告なんてされたら、番組一本飛ぶだけでなく、局を揺るがす大問題になります」(番組制作会社スタッフ)

 以前、『ガキの使い』で、ダウンタウン・浜田雅功がいきなり怒り出すという“激怒どっきり”が定番化していた時代がある。しかしココリコ・田中直樹がビビりすぎて号泣してしまうと、局側に「これはイジメだ」と苦情が殺到したのだ。

 この大物タレントが若手タレントに激怒するという企画はどっきりでは定番だったし、かつては大物演歌歌手や大物アイドルにも容赦なくどっきりを仕掛けていて、観ているほうもドキドキするような緊迫感があった。しかし今のどっきりには、そこまでのリアルな緊張感が感じられないのも確かである。

「気づいている人は気づいているとは思うのですが、今はわりとハードなどっきりを仕掛けるのは芸人、しかもリアクション系の芸人限定なんです。普通の人気タレントには、どっきりというより“いたずら”程度しか仕掛けません。もちろんクレームも怖いですが、イジメに見えないようにいかに視聴者を楽しませるか。そこを工夫するのが、こちらとしては腕の見せどころって感じですかね」(前出スタッフ)

 時代が時代だけに、今のどっきりには、かつての「これ、ガチなんじゃないか?」と思うほどの過激なものは望めないようだ。しかしそれでも、タレントたちのリアクションを楽しむには最高のコンテンツであることには変わりがないし、視聴者もリアクション芸人のある種“お約束”的な反応を楽しむ余裕さえ生まれてきているようである。いわば、どっきりものは老若男女を問わず楽しめる鉄板コンテンツとして脈々と受け継がれてきていると同時に、その内容も視聴者の反応や時代感覚によって進化してきているのである。

 前述した『モニタリング!』のように、視聴者参加型と言えるどっきりも生まれている現在、制作側にはどんどんどっきりのバリエーションや新機軸を追求していただき、今後も「こんなどっきりの手法があるんだ!」とわれわれ視聴者を思う存分どっきりさせてほしいものだ。

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