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ハン・ヒョジュ インタビュー『見た目にこだわることがなくなってきた』
つなげてまとめていくのが役割だった
ヒョジュ私の場合はウジン役と違って、最初から最後までストーリーのなかにいる立場だったので、次々に来るウジン役の俳優さんたちの意見を聞きながら、ウジンをまとめてつなげていくのが役割だと思っていました。でも実際は、俳優さんに直接意見を出すというよりも、いろいろなウジンを受け入れていくという感じでした。
ヒョジュ123人がウジンを演じたといっても、実際に私がご一緒した俳優さんは、そのなかの何人かなんです。だから、123人全員を見ている監督が、ひとつのウジン像を作り上げるためにすごく意識して演出されていると思いました。でも、私自身もある時期を過ぎたら、「これはウジンっぽいなとか、これはちょっと違うな」という境界線ができてきて、監督にも「こっちのウジンのほうがいいのでは?」とそっとお話しすることもありました。
――ヒョジュさんの中でのウジンというのは、どういう人だと思いましたか?
ヒョジュ落ち着いた性格の心優しい男性だと感じていました。
たくさんのかっこいい俳優さんと共演してきて…
ヒョジュ実は、「相手が女性なのに、男性のウジンに見えるか」という質問をたくさん受けました。でも、女性であることも外国人であることも関係なく、演じられたみなさん全員がウジンに入り込んでいて、ウジンの悲しみが伝わってきたので、私も自然に演技をすることができました。誰がどう演じても、ウジンはウジンだと感じられたことで、私もこの作品の自分の演技に対して自信を持つことができるようになりました。
――たくさんのウジンと演技をしたなかでおもしろかったエピソードはありますか?
ヒョジュ臨場感を出すために、現場でセリフや演技が変わることもけっこう多かったんです。そのなかでも思い出すのは、チョ・ダルファンさんとのシーンです。韓国の映画館で観ていた人たちは、彼のセリフでどっと笑うんですね。それは、彼が演じるウジンに対して、イスが敬語を使ってしまうため「気を遣わせる顔だろ?」というセリフが生まれたからなんです。最初は、敬語で話すシーンではなかったんですけど、そこは敬語だとよりおもしろいんじゃないかと思って、アドリブで敬語を使ったところ、あのような笑いが生まれるシーンになりました。
ほかにも、上野樹里さんとのシーンでもアドリブがありました。当初、上野さん演じるウジンは、韓国語は聞いて理解できるけれど、話すことはできないという設定ではありませんでした。私の演じたイスは仕事で日本語を使うので、日本語が話せるし聞けるという設定だったんですけど、現場に入ってみると、このシーンのウジンは“韓国語は聞けるけど話せない”という設定がおもしろいんじゃないかということで、変わっていったシーンでした。
――この映画で、いろいろな俳優さんが恋人役を演じました。みなさんの外見にとらわれず、内面に踏み込んで心を見つめる演技をしたことで、男性を見る目が養われたんじゃないかと思いますがいかがですか?
ヒョジュそうですね……。今までもたくさんのかっこいい俳優さんと共演してきましたが、むしろ見た目にこだわることがなくなってきて、イスのように、そのひとの持っている性格が大事だなと思うようになりました。(日本語で)今はどんどん、どんどんそれが大切だと思うようになっています!
(文:西森路代/撮り下ろし写真:鈴木一なり)
ビューティー・インサイド
監督:ペク
出演:ハン・ヒョジュ パク・ソジュン 上野樹里 イ・ジヌク キム・ジュヒョク
2016年1月22日(金)TOHOシネマズ新宿ほか
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