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お笑い界から3人以上の多人数グループが大成しなくなってしまったワケとは?
かつて一世風靡したお笑い界の多人数グループ
両者ともコントを中心としたギャグで人気を得たが、演奏技術などの音楽的なレベルも高く、昭和の時代には文字どおり、鳴り物入りのお笑いエンタテインメントとして認知されていた。テレビでも多人数のお笑いグループの冠コント番組が成立しており、ドリフで言えば、ノッポ(いかりや長介)、デブ(高木ブー)、メガネ(仲本工事)、ハゲ(荒井注)、チビ(加藤茶)というコントにおける役割分担、フォーマットがすでに出来上がっていた。
多人数グループによるコント番組の衰退が最大の要因
このまま多人数グループによるコント番組が復活することはないのだろうか?制作会社スタッフは今のテレビ業界の予算から考えると、大道具やかぶり物などの制作費がかかるコントは難しいと語る。「あえて言えば、ひな壇芸人を中心としたトークバラエティが、かつての“コントっぽい”ものかもしれません。あの形式なら、コントに必要な役割分担、キャラ分けも、それぞれの特徴を持った芸人を連れてくれば済みますし。まあ、多人数グループによるコント番組に一番近いのは、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)ぐらいなのかもしれないですね」(制作会社スタッフ)
確かにスマスマは、かつての歌あり笑いありの王道バラエティ番組と言えなくもない。SMAPのメンバー自体がドリフを見て育った世代のせいなのか、ときおりベタなコントも見せる今や貴重な番組とも言えるのだ。しかしあくまでもSMAPは歌手であり、アイドルグループ。お笑い芸人でないところが寂しいと言えば寂しい。
予定調和なお笑い界に求められる“風雲児”の存在
ある意味でお笑いの“型”のようなものが出来上がってしまった現在、よく言えば完成されたということだろうが、そのぶん予定調和的なマンネリもあって、突き抜けるような面白さがなくなってしまった。「型にハマッた今のお笑いを壊してくれるような風雲児は、誰もが期待してる。制作側もスピンサーももっと冒険する必要がありますね。多人数のお笑いグループがミニシアター的に騒ぐバラエティがあってもいい」(前出・スタッフ)という声もある。今後はお笑いコンビ同士のコラボや、ドリフやクレージーキャッツのような、かつての大人数のグループの再登場が新たな起爆剤となりうるかもしれない。