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デビュー20周年を迎えたゴスペラーズ、続けてこれた秘訣とは

 昨年デビュー20年を迎えたゴスペラーズが、21年目を全都道府県ツアーでスタートさせ、精力的に活動するなかシングル「Dream Girl」を発売。ボーカルグループとして一時代を築き、同シーンを牽引し、20年間走り続けてきたゴスペラーズのリーダー・村上てつやと安岡 優が、これまでの活動を振り返り語った。
――7月18日に20周年を飾る全都道府県ツアーを終え、今はどんなお気持ちですか?
村上てつや 昨年9月から11月までのお芝居を絡めたツアーから数えると、全94本公演の単独コンサートを行い、間髪入れずに夏フェスにも出演、『SOUL POWER TOKYO / なにわ SUMMIT 20015』最終日の9月23日まで、本当に1年間これ以上歌えないと言っていいくらいのレベルまで走り続けました。20周年にして、自分たち史上最高と思える高さまでジャンプ出来たんじゃないかな。1発花火を打ち上げてみたいなのじゃなく、日本全国を回りながら歌い続けて21年目を迎えられたのは、この上なく幸せなことだなと思っています。
安岡 優 僕らの代表曲は、一般的には「永遠に」「ひとり」「ミモザ」あたりだと思いますが、それぞれの人にとっての代表曲は、その人がゴスペラーズと出会ったときの曲なんですね。この20年間、いろんなタイミングでいろんな方が僕らの音楽に出会ってくれたのだと、ツアーを通して改めて実感しました。また、ツアーでは延べ60曲を季節ごとに入れ替えながら歌ってきましたが、曲と言うのは常に歌われていないと力を失ってしまうものなんです。そういう意味では、曲に対しても恩返しができたんじゃないかなと思います。

――約20年前のデビュー当時は、世の中的に小室ファミリー、バンドものが隆盛を極めていた。当時は、アウェイ的な感覚はありましたか?
村上 いえ、まったく逆です。自分にも自信がありましたし、普遍的な音楽性で他に誰もやっていないという部分では、こんなにも“オイシイ”ポジションは他にないだろうと思っていました。

――でも実際のところ「永遠に」というヒット曲が生まれるまでは、5年かかったわけで、焦りみたいなものはなかったんですか?
安岡 確かに、僕らがやっているスタイルがなぜヒットに繋がらないんだろう? といつも思っていました。と言うのも、大先輩にはシャネルズやラッツ&スター、チェッカーズなどが成功していたし。洋楽のボーイズIIメンが日本でも売れていたから、同じスタイルなのにどうして? と不思議でしょうがなかったです。
村上 でもコンサートは、決して悪い状況だったわけじゃないんですよ。実際に「永遠に」を収録したアルバム『Soul Serenade』を出したときは、すでに全国20ヶ所くらいのホールツアーを行っていました。もちろん、平井堅くんなど、同期のヒットを見て何も思わなかったわけではないです。でも、じゃあ辞めようとかそういう発想にはならなかった。ヒット曲が出るか出ないかは、ほとんどは運でしかないと思っていたし、何かに嫌気がさしたり焦ったりするのは、それを披露する場がないときなんですね。でも僕らの場合は、歌える場所が常にあった。歌う場所のない歌手ほど、寂しいものはないですからね。

売れても舞い上がったり浮ついたりしている暇はなかった

――そういう時代を経て、「永遠に」や「ひとり」などヒット曲が生まれたときは、どういう気持ちでしたか?
安岡 見える景色は変わったけど、僕らが進んでいる道はあくまでもライブだったし、そのためには5人であることが絶対条件だった。だから、ヒット曲が生まれて浮ついたとしても、クオリティを下げない程度にしか浮つけないと言うか。ノドと体調を大切にした上での浮つきなんて言うのは、この業界では浮ついたとは言わないんです(笑)。
村上 僕らも単純に武道館を目指していたところがあったわけで、ヒット曲が出てもまだ武道館をやっていなかったし。それは数ヶ月して実現したんだけど、そこからはまた別の戦いが始まっていました。舞い上がったり浮ついたりしている暇はなかったです。

――「ひとり」や「星屑の街」というヒットが生まれた2001〜2002年には、テレビ番組で『ハモネプ』(フジテレビ系)が人気を集め、新しいボーカルグループがたくさん出ましたよね。
安岡 あのときは、単純に嬉しかったです。ただ、続かない大変さは僕ら自身が一番よくわかっているので、もうちょっと頑張ればいいのになって、忸怩たる想いで見ていました。ただ、最近出会うアカペラをやっている10代のグループは、『ハモネプ』を観て小学生からアカペラをやっていたという子もいて。
村上 『ハモネプ』は、裾野を広げてくれましたよね。手に取れるものにするという意味では、テレビの力はやはり絶大です。今は、Little Glee Monsterが、僕らの希望ですよ。この分野を背負っていってほしいくらいです!
安岡 確かにやれる子が増えたし、クオリティも上がった。でも、やれるというだけでは続けていけないのが正直なところ。だから、やれることに加えて、オリジナルで曲を作っていける体力も育ててほしいです。そもそも日本にはハーモニーグループのメソッドがないので、こればかりは失敗しながらでも自分たちで生み出して行くしかない。僕らもそうやって来ました。そうじゃなきゃ、「永遠に」や「星屑の街」などに続く、アカペラの次なるヒット曲は生まれません。

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