• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

遠藤久美子、20年を振り返る「ショートカット反抗期がありました」

結婚はお互い好きなことをしても夫婦として成立する人が現れたら

──舞台『三匹のおっさん』では清田家の嫁の貴子さんを演じます。小説はもちろんドラマでも大人気となった作品ですが、遠藤さんは貴子さんをどのように演じようと考えていますか?
遠藤 根本的にしたたかな嫁ですよね(笑)。お姑さんに対しても、自分から物申すというよりは、旦那さんに「あなた、ちょっと言いなさいよ」みたいな。姑役の竹下景子さんとのピリッとしたやりとりが楽しみです。そういったハラハラするところもあるけれど、人情喜劇というベースはそのままに、見てくださる方が「わかるわかる」というふうに共感していただきつつ、最後はホッとするような笑いで終わる作品になると思います。

──ところで遠藤さん自身はどのような結婚観を持っているのか、教えていただけますか?
遠藤 そうですねえ。この年齢になると結婚って憧れではなく現実として捉えてしまうんですよ。だから一緒に暮らしていく上でどうなのか、ということを一番に考えますね。それと私はあまり相手に染まるタイプではないし、相手にも自分に染まってほしいタイプではないとないと思うんですね。お互いこの年齢まで仕事をしていればそれなりに人間関係もありますし、もちろん友人関係もありますし、それを全て投げてまで一緒にいようとするような相手だったら、たぶん無理だろうなと。だから個人と個人が一つ屋根の下にいる、それでも夫婦という形でやっていけるような人が現れたら、結婚にも繋がっていくんでしょうね。

──それもまた、自立した女性だからこその結婚観ですよね。
遠藤 そうなんですかね。でも今はやっぱり一人でフェスに行ったり、手芸したり、落語を聴いたりする時間がとても楽しいし、何より癒されるんです。やっぱり普段仕事で気を張ってるところもあるし、仕事をしっかりやり遂げたいという気持ちがあるので、逆にプライベートはすべてオフにして、自分の好きなことをしていたいですね。

20年を区切りと考えての新たなスタートライン

──そうした精神的な自立も仕事を続けてきたからこそ、というところが大きいと思うのですが、遠藤さんがこの20年で「自分は自立できた」と感じられた印象的な出来事はありますか?
遠藤 私は16でスカウト、17でデビューしてるんですが、当時はまだほんの子どもですよね。仕事という意識よりは、ただただ現場が楽しいという。それから20代にさしかかって楽しさだけでなく難しさも感じるようになり、一方でこの仕事のやりがいも見出せるようになった。一番大きかった分岐点は33歳になるときです。そのときに「一度、親離れしてみよう」と決意したんです。

──親離れとは、デビューから所属していた事務所を独立したことですか?
遠藤 はい。当時の事務所が女性社長で、私にとっては第二の母みたいな存在だったんですね。もともと私はあまり自己主張するタイプではなくて、しかもとても優柔不断だったんです。それこそメニュー一つ選ぶのも延々と悩むような。一方でその女性社長はずっと芸能の世界で戦ってきただけに、白と黒しかない。はっきりしているんですね。その方と16から33歳までの人生の半分を二人三脚でやってきた中で、女性が一人で働く強さをたくさん教わったし、独立を決意してぱっと自分の足で立てたのも、その方と過ごした時間がとても大きかったと思います。

──そこから自分の足で歩いてきて、20周年の今年は健脚もさらに磨かれていることと思います。次のステップに向けての意気込みを聞かせてください。
遠藤 独立してしばらくは一人でやってきたんですけど、ある方に「芸能界は一人ではやっていけないよ」とアドバイスをいただいて、その方の紹介で東宝芸能に出会わせていただいたんですね。今回の舞台『三匹のおっさん』もそうですが、やっぱり私はお芝居をやってるときが本当に楽しくて、だから東宝芸能という女優さんの事務所に所属できたというのは、20年を区切りと考えての新たなスタートラインだと思っています。だから今後はさらにしっかり地に足をつけて、女優として一歩一歩進んでいきたいですね。

(文/児玉澄子 写真/西田周平)

遠藤久美子 動画インタビュー

Information

舞台『三匹のおっさん』出演!
 テレビドラマ化もされた作家・有川浩の人気連作短編小説シリーズ『三匹のおっさん』が満を持しての舞台化。還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるかと家族に内緒で自警団を結成したかつての悪ガキ3人組が、ご近所に潜む悪を斬る。“3匹”の活躍はやがて世代を越え、子どもや孫をも巻き込んで様々な事件を解決。それぞれ少しずつすれ違っていた夫婦や親子、そして関わった街の人々の絆をだんだんと強くしていく。

【期間】2015年9月4日(金)〜27日(日) 【会場】明治座
【開演時間】12:00/16:30 【料金】S席1万3000円/A席6500円(税込)
【出演】松平健,中村梅雀,西郷輝彦,松金よね子,竹下景子,遠藤久美子,西ノ園達大,大久保祥太郎,宮崎香蓮,河相我聞
舞台『三匹のおっさん』公式サイト(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

 を検索