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篠原涼子インタビュー 『アンフェア』完結… 雪平イメージを脱却する必要はない

冷徹に見えてものすごく心が温かい

――秦建日子氏の原作に描かれた、正義を貫く刑事としての顔や、ドラマシリーズや『アンフェア the movie』のメガホンを取った小林義則監督が活写した、美しい女だからこそ絵になるタフネス……。さまざまな表情を持つ雪平ですが、篠原さんがとくに魅力を感じる部分とは?
篠原人を信じる力がすごくあるというのか。思いやりとか。冷徹に見えて、ものすごく心が温かいところは、ステキな魅力じゃないかと思いますね。
――愛娘や年下のバディを大切に思う、母性愛にあふれる部分は、佐藤監督と篠原さんが育て上げた雪平のチャームですね。
篠原ふたりで作り上げたというよりは、嗣麻子さんの台本に教えられた感じです。雪平をよりカッコ良く、よりステキに見せることを、嗣麻子さんは誰よりもいちばん考えてきた人なので。嗣麻子さんの台本に沿って、雪平になり切って、大切にしっかりと丁寧にやらせていただいた感じですね。

――10年演じ抜いたヒロインとの別れについて、淋しさはありますか?
篠原淋しいですねぇ。でも、出し惜しみなくしっかりとやらせていただいたので、そういう意味では納得しています。こんなに続くなんて、誰も考えていなかったと思うんですよ。ドラマが終わる頃に、映画が始まるぞって話が来て、パート2が続いて……。1作、1作を全力でやっていたら、10年も続いていたような感じです。

視野が狭くならないように柔軟に考えて

――次は、どんな作品に挑戦したいですか? 雪平夏見のイメージから脱却をはかるための具体的なビジョンはありますか。
篠原雪平を脱却する必要性は、自分にはないと思っていて。あまり頭でガチガチに考えるよりは、柔軟に考えていければいいなって。本当は考えなきゃいけないんでしょうけど、そういうふうにやっていくと、視野が狭くなるような気がするので。なるべくそうならないようにしているんです。これからも出合う作品に感謝しながら、やっていきたいと思っています。
――シャワーシーンもそうですが、ファンの期待を汲み取る、エンターテイナーとしての視座が、出演作をヒットに導いているのではないかと推察します。篠原さんご自身にも、女優の仕事を離れ、ファンとしてドラマや映画を楽しむ機会はあるのですか?
篠原やっぱり観てくださる方の目線は、大事に思いますね。今回のシャワーシーンのように、途中で振り返って、何か思いついたら、提案してみます。ドラマや映画に感情移入することですか? あります、あります。感動すると、すぐ泣いちゃうし。作品世界に染まっちゃう方ですね。私が好きなのは……『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年/ロベルト・ベニーニ監督)。もう脳裏に焼きついてしまって、ダメですね。軍隊に連れて行かれるお父さんが、ゴミ箱の陰からその様子を覗いている子どもに「何でもないからねー!」って笑わせる場面は、何度観ても泣けます。いま、イメージしただけでも、胸が痛くてもうダメですっ!
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

アンフェア the end

 ネイルガン殺人事件から4年。権力組織の機密データを手に入れた雪平夏見(篠原涼子)は、反撃に移る一番効果的な方法を探していた。そんななか、転落死体が発見され、現場で雪平は、1枚の栞を見つける。そこには「アンフェアなのは誰か?」の文字が……。

 それは10年前の推理小説事件から始まる一連の事件で使用されたものと同一の栞。さらには、その犯人たちを結びつけていた“×サイト”も復活していることが判明する。しかも、転落死体は前作の黒幕・村上克明検事だったことが判明。続けざまに、元検事総長であった村上の父親も殺された……。雪平を巻き込む新たな事件の勃発。そして、ほどなく見知らぬ協力者が雪平の前に現れる。雪平はこの危機を乗り越え、父が目指した警察の浄化を成し遂げることができるのか?

監督・脚本:佐藤嗣麻子
出演:篠原涼子 永山絢斗 阿部サダヲ 加藤雅也 向井地美音 吉田鋼太郎 AKIRA 寺島進 佐藤浩市
2015年9月5日(土)公開
(C)015 関西テレビ放送/フジテレビジョン/ジャパン・ミュージックエンターテインメント/東宝/共同テレビジョン

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