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Acid Black Cherry、ファン感謝イベントで10万人が熱狂

 東京で36度の猛暑日を記録した7月25日、Acid Black Cherry(以降:ABC)が千葉県・幕張海浜公園内特設会場でフリーライブ『ABC Dream Cup 2015 LOVE』を開催。アコースティックコーナーを含めて全16曲を披露し、集まったファン約4万人と共に熱いステージを楽しんだ。

ヘドバンにジャンプ、全身を駆使して盛り上がるファン

 同イベントは、ABCが4年に一度開催するファン感謝イベントで、今回は7月25日の幕張のほか、7月11日に愛知県・セントレア島野外特設会場、8月1日に大阪府・舞洲ABC特設会場の3公演を行い、当初8万人を予定していたが、当日各所に設けられたフリーエリアに集まったオーディエンスを含め、名古屋・2万5000人、幕張・4万人、大阪3万5000人が集まり、合計10万人を動員した。7月25日の会場となった幕張海浜公園内特設会場は、QVCマリンフィールズに隣接した同公園内の砂浜を海沿いに使用。その長さは、なんと全長440メートルという縦長のスペース。あまりの長さに「いちばん奥は、違う町なんちゃう?」と、サポートメンバーの話にボーカルのyasuも笑ってしまったほど。後ろのほうのファンにも見えるようにと、何ヶ所かに巨大スクリーンが設置された。

 ライブは、2009年にリリースされた2ndアルバム『Q.E.D.』に収録のアップテンポのナンバー「黒い太陽」で幕を開けた。セットリストは、ABCが今まで発売した4枚のアルバムからまんべんなく披露され、約3年ぶりにリリースされた最新アルバム『L−エル−』からは、「versus G」「7colors」「黒猫〜Adult Black Cat〜」「エストエム」の4曲が披露された。ハードロック・ヘヴィメタルをほうふつとさせる激しいギターサウンドでは激しく頭を左右に揺らし、キャッチーなメロディを歌うときには軽やかにステップを踏んだり、クルクルと回転したり、広大なステージを動き回りながらパフォーマンスを行ったyasu。ファンはyasuと一緒に歌いながら、リズムに合わせてヘドバンしたり、yasuの「飛べ!」という合図でジャンプしたりと、全身を駆使して盛り上がった。

少しでもみなさんのなかに残っていてくれたらうれしい

 「まさかの波打ち際。めっちゃ似合わないでしょ!」と自虐的に笑いを取りながらも、「暑くない? 大丈夫? 水飲んでね」と、ファンを気づかう姿が印象的だったyasu。MCでは、サポートのメンバーと共に、フェスや野外ライブでの経験、Twitterで募集したファンからの質問に答えるなどして盛り上がった。ヘドバンに関した質問については「横に振るのがいい」と、振り方のコツを話したほか、「振りたくなかったらムリしなくても、好きなように楽しんでくれればいいんです。振ったら振ったで、次の日は首に死ぬほど痛いけど、肩こりも取れます」と、ヘドバンの経験談を話したyasu。そんなMCの途中では、空撮用ヘリコプターのプロペラ音にトークが遮られてしまったほか、熱で曲がってしまったシンバルを見て唖然とするなどのハプニングもあった。

 アンコールでは、客席の中に設けられた花道のステージで、アコースティックセットで楽曲を披露した。「4年前にもアコースティックを聴いてもらったので、今回も聴いてもらおうと思って用意しました。大阪にいた子どものころ、夕方になると淀川の河川敷によくコウモリが飛んでいたんですよ。そんなことを思い出しながら作った曲です。東京ってコウモリはあまり飛んでないのかな? でも、ちょうど夕方だし、いいかなと思って」と、「so…Good night.」を披露した。しっとりとしたメロディと、美しいハーモニーが夕焼けに溶けていくと、ファンもゆっくりと身体を揺らしながら、一緒に口ずさんだ。同様にアコースティックで「その日が来るまで」も披露。「みんなが歌ってくれたら、俺がハモるんで」とyasu。巧みなリードでファンの合唱が始まると、とてもうれしそうな表情を見せた。そして、アコースティックのまま静かに終わりたくないからと、最後はアルバム『L−エル−』から、アップテンポのハードロックナンバー「エストエム」を再びバンドセットで披露。アツいサウンドに乗せてステージを転げ回りながら歌ったyasu。ファンも最後の力を振り絞るようにして、頭を振って盛り上がった。

 「みんなまたどこかの海辺に来たら、今日のことを思い出してほしい。俺もきっと今日の景色を思い出すと思うから。今日のことが、少しでもみなさんのなかに残っていてくれたらうれしいです」とyasu。4年に一度のお祭りを、激しいほどの暑さと共に身体に刻んだ。ABCは、9月1日と3日の幕張メッセ 幕張イベントホールを皮切りに『2015 arena tour L−エル−』を開催。yasuは「生意気にもアリーナとか、すいません。みんなの近くに行きたい気持ちは、ライブハウスもアリーナも変わりはないので」と語り、ファンと再会を誓った。

(文:榑林史章)

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