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ルー大柴以来の逸材? ウザさが際立つジャンポケ・斉藤慎二
俳優志望でサラリーマンの苦労人
先のパンサーでいえば尾形貴弘のトークもやたら力が入りすぎてウザいし、ウザい路線ではアンタッチャブルの山崎弘也も当てはまるが、斉藤の場合、同じウザいなかにも、微妙な小物感とともに“素直さ”“人の良さ”を醸し出してくるので、なんとなく見てるほうも好感を持ってしまう。しかしそうした人の良さも、実は“気の弱さ”なのではないか、と思わせるものある。
「MCをやりたいとかいう気持ちもあまりなくて。楽しいんですよ。でも、誰かを蹴落として這い上がるという気持ちには……」などと、芸人にはあるまじき消極的な発言をしているし、明石家さんまの番組でも、「飽きられて芸能界から消えてしまうこと」をビクビクしていると打ち明けた。自身の暑苦しくウザいキャラに対しても、「大きい声で普通なことを言ってるだけ」と自虐的に語り、「あばれる君、パンサー・尾形さん、平成ノブシコブシ吉村さんともキャラがかぶっているので心配」だと、さんまに真剣に相談する始末。
『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)のアイドルトラップ企画でも、見事にだまされて本物の彼女と破局したというエピソードもあり、実は意外といい奴で、よく見れば彫りも深いしイケメンなんじゃないかとの意見もちらほら。実際、もともと俳優志望だったという斉藤は、サラリーマン時代を経て芸人になった苦労人。高校1年生のときには甲子園にも出場した高校球児だったというし、根はいたってまじめで、人への気遣いもあり、先輩芸人や番組関係者にも気に入られているようだ。
実は気が弱く自虐的、その一方でライバル意識が強い
とはいえ今のところの斉藤は、やはりバラエティで脇を固めるポジションが多い。しかし、その人柄の良さに加え、演技力もあるとなれば、仕事の幅もこれからますます広がっていく可能性がある。かつて『北野演芸館〜たけしが本気で選んだ芸人大集結SP〜』(TBS系)で、ビートたけしに絶賛されたこともある斉藤。気の弱さは“繊細さ”でもあるし、自虐性も“自己分析能力”があるからこそ。「ただウケたいんです。スベるのが一番イヤなんで。スベると1日中ヘコみますしね。そこだけはブレないでいたいですね」と、内に秘めているものは相当に熱い。さらに「でも、どこかでパンサーが気になる自分もいて(笑)」と明かすあたりには、同じ芸人たちに対するライバル意識も案外強いものがありそうだ。
これからは、お笑いトリオ・ジャングルポケットのメンバーにとどまらず、そのウザくて暑苦しい存在感を大先輩芸人たちと共演した際に発揮できれば、さらに需要も高まっていくはずだ。
(文:五目舎)