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“見える透明人間”ずん・飯尾和樹がサイレントブレイク中

 “見える透明人間”との異名を持つ、お笑いコンビ・ずんの飯尾和樹の存在感が、増し続けている。見た目は異名の通り“超地味”。どことなくシュールな一発ギャグを、多くの視聴者を置き去りにしたまま連発。決してメインとなる存在ではないが、気がつけばあらゆる番組に“ひっそり”と出演、もはやテレビで観ない日はないという状況にまでなってきた。なぜ今、飯尾和樹が“サイレントブレイク”しているのか? その理由を探ってみた。

『いいとも!』レギュラー時代、“この人誰?”と視聴者から電話が殺到

  • 先輩芸人からも支持が熱いずんの飯尾和樹 (C)ORICON NewS inc.

    先輩芸人からも支持が熱いずんの飯尾和樹 (C)ORICON NewS inc.

 現在の飯尾和樹の立ち位置を端的に表現するなら、土曜のお昼に放送されている『正直さんぽ』(フジテレビ系)だろうか。関根麻里、柳原可奈子といった女性タレントが、ダラッと散歩するというありがちな番組なのだが、そこに飯尾は“飯尾寿子”という、おばさんパーマの典型的な中年女性キャラとして登場。ところが、これがまったく違和感がなく、キャピキャピした女性陣の中に、そこらへんの“変なおばさん”として溶け込み過ぎているのだ。食堂の店員なども、「あら、おもしろい人が来たわね〜」と普通に言い、誰も飯尾の女装に対して驚きも突っ込みもしない。この変なおばさんがいるのが当たり前の状況で、番組は淡々とゆる〜く進行していくのが、なんともおかしい。

 また、飯尾を語る上で欠かすことができないのは、2001〜2004年まで『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のレギュラーを務めていたこと。当初は「誰だこのおっさん? なんで一般人が普通に出てるんだ?」というのが視聴者の反応だったようだし、実際、フジテレビには「あいつは誰だ?」という電話が殺到したと、タモリに暴露されている。そもそも、「ずん」というお笑いコンビで活動している姿もあまり見ない(ちなみに相方はやす)。所属事務所は、関根勤、キャイ〜ンなどと同じ浅井企画で、90年代は、知る人ぞ知るお笑いコンビ「La.おかき」のボケ担当だったが、知名度はないに等しい。結局、『笑っていいとも!』降板まで、“この人誰?”感がなくなることはなかったが、これをきっかけに飯尾は少しずつテレビに登場するようになる。

数々の大喜利大会で磨いてきた、一発ギャグ的アドリブセンス

 飯尾が注目されたのは『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)の「お笑い芸人歌がへたな王座決定戦スペシャル」だった。飯尾はウルフルズの「ガッツだぜ!」を歌ったのだが、“音程外す”“歌詞棒読み”はもちろんのこと、なぜか「ガッツだぜ?」と疑問形のような奇妙な語尾が大爆笑を呼び、見事優勝。さらに2011年、『IPPONグランプリ』のスピンオフ企画『IPPONオープン』でも優勝、翌年には本選に初登場し、有吉弘行や千原ジュニアなどを相手に善戦、チェアマンの松本人志をうならせた。さらに、2014年の『ダイナマイト関西』の大喜利では、オードリーの若林正恭を破って優勝と、その芸人としての腕はピカイチ。以前、ORICON STYLEのインタビューで、『IPPONグランプリ』竹内ディレクターが、「松本(人志)さんや放送作家の高須(光聖)さんも、1万回考えてもあんな答えは思いつかないって言ってましたよ」と語ったように、飯尾の一発ギャグ的アドリブセンスが本物であることを証明した。

 また飯尾は、ネプチューンやキャイ〜ン、あるいは松本人志、明石家さんま、とんねるず、関根勤など、同期や先輩を問わず、第一線で活躍するタレントにゲストとして呼ばれることが多い。そうした同業者の引き立てによって今の自分があると自ら公言するあたりに飯尾の人柄の良さが出ているし、番組制作者たちからの受けが良い理由でもあるだろう。

 そんな飯尾がテレビに出演し、仮にお年寄りたちには理解しがたい一発ギャグを操り出して現場が静まり返っても、不思議と視聴者は嫌悪感を抱かず、逆に観ている者の気持ちを平和にさせ、多少のことならなんでも許せるような気持ちにさせてしまう。しかも、一連の一発ギャグにしても、一発屋にありがちな勢いだけのものとは違い、「忍法・眼鏡残し」など、大爆笑こそしないが、後からジワジワくるものが多く、最後には彼のネタが強く印象に残ってことが多い。今後も飯尾和樹は、流行り廃りに流されることなく、各番組で確かな痕跡を残しつつ、静かに、ひっそりと、出演番組を増やしていくのであろう。

(文:五目舎)

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