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田中聖、今までの人生で一番音楽と向き合っている

 歌手で俳優の田中聖がKOKI名義でメインボーカルを務める5人組ロックバンド・INKTが、7月11日にブラジル・Campo de Marteで開催されるイベント『Anime Friends2015』への出演が決定した。4月に掲載したインタビューでは、「いずれは海外で挑戦したい」と言っていたが、その夢が早くも叶った。ORICON STYLEのインタビューに応じたKOKIが、現在の心境と夢であった海外ライブ、音楽への熱い思いについて語った。

思ったより展開(海外進出)が早かった

――ブラジルで開催される『Anime Friends 2015』への出演が決まったということで。どういった経緯で決まったのですか?
KOKI そもそも僕らは、10回の練習よりも1回の本番のほうが、成長するバンドなんじゃないかという感覚があって。それを事務所のスタッフに伝えて、そこでの話し合いからライブハウスツアーが決まって。ブラジルは、それに先駆ける形のいいタイミングで、先方からお声がけをいただきました。

――前回のインタビューでは、海外のファンからもメッセージが来るので、ゆくゆくは海外でもやりたいとおっしゃっていましたね。
KOKI 思ったより展開が早かったです。あの取材の翌週には、ブラジル行くよっていう話が出ていて。「え、もう?」って(笑)。僕としては、来年に入ってから海外に向けての動きが始められたらと思っていたので。

――『Anime Friends 2015』は、アニメを中心にした日本文化のフェスということですが。INKTとアニメの関わりは?
KOKI そこなんですよ。僕ら、アニメのテーマソングを一切やっていないので、どう受け取られるかという点では、怖さもすごくあります。ただ、そのなかでどれだけやれるか、挑戦するような気持ちもありつつ、胸を借りるような気持ちもありますよね。しかも、1時間もライブがきるので、アニソンのカバーを1曲くらいやろうかという話は出ています。そもそも日本文化が好きなお客さんなので、日本語がわかる人も多いと聞くし。ポルトガル語をいくつか覚えて、それを言って盛り上げようかなって。

――海外ライブの経験者からの話を聞いたりは?
KOKI 特には聞いていないです。でも、『仮面ライダーブラックRX』の主題歌を歌っている宮内タカユキさんには、少し話を聞きました。宮内さんは、毎年このフェスに出演しているそうなので、「どんな感じですか?」と聞いたら、「とにかくアツいよ」って。そりゃ、宮内さんは『仮面ライダー』の主題歌があるから、アツく盛り上がるだろうけどって(笑)。INKTの場合は、アニメの主題歌をやっているわけではないから、ひとつハードルが上がっているなと。あとは、SASSYとmACKAzが、前のバンドのときにブラジルでライブをやったことがあるらしいので、向こうの雰囲気とかは2人に聞こうと思っています。

――そういう意味では、自分たちで切り拓くしかないと言うか。
KOKI そうですね。きっと出て行ったら、「誰だよ? おまえら?」ってなると思うんですけど(笑)。そういうなかで、どれだけぶちかませられるか。捨て身で臨む感覚です。でも同時に、腕試しができるというという感覚もあって、ワクワクもしているんですよ。まだまだだけどINKTが積み上げてきたものを120%ぶつけて、どういう反応が返ってくるか。これはもう異種格闘技戦のようなもので、サッカーで言えば完全にアウェイ。INKTを知らない人や興味を持っていない人を、どれだけ掴んで盛り上げることができるか。それに、このフェスに出たことによって、今後作る曲にも何かしらの影響が出てくるかもしれない。その点でも、すごく楽しみにしています。

ストレスやプレッシャーを感じ白髪も……

――INKTは地下活動が長く、そこから出てきていきなりブラジルのフェスという。ライブ経験が少ないという部分で、もしかして不安も感じていたりするのでは?
KOKI 実は、そうなんです。不安ありますよ。どのライブも気が抜けない、ひとつの失敗もできないという、大きなプレッシャーもあります。スケジュール的に、練習期間というか底上げ期間が設けられないのが一番のネックで。ステージに出ていったら、そのときはもう完成されていないといけないわけだから、それがすごくプレッシャーでもあり、逆に楽しめる部分でもあると思っていて。ストイックに自分を追い込めるっていう。

――とは言え、気が張りっぱなしですよね。
KOKI この間、美容室に行ったら、「白髪があるよ」って言われて(笑)。「まあ、そこそこ苦労してるからな」って笑ってたんですけど。案外、自分が思っている以上に、ストレスとかプレッシャーとか感じているのかもしれないですね。このまま行ったら、次の取材のときは10円ハゲができているかもしれない(笑)。でも、ポジティブに考えると、やるべきことがはっきり見えてるわけだから、それは幸せだなって思います。ブラジルで120%を見せる、そのために個人のスキルアップもそうだし、少ないリハでどれだけ積み上げられるか。1分1秒をどれだけ濃厚に過ごせるか……。

――現在は取材のほかは、毎日ライブに向けてのリハですか?
KOKI 毎日ではないけど、決められたリハーサル以外でも、スタジオで練習します。個々のスキルアップという部分では、ボイトレに通っていて。今までの人生で、一番音楽と向き合っている。音楽やボーカリストとして、考えない日がないです。

――そういうストイックさは、昔からですか?
KOKI そうですね。種類は違うけど、前は筋トレマニアで自分を追い込むのが好きだったので(笑)。それに、やることがないよりは、やることがあったほうが日々が充実する。たとえそれがストレスを感じるようなことや、プレッシャーを感じることであっても、何も考えずに漫然として日々を過ごすよりは、頭を抱えていたいし悩んでいた。

――だから白髪が生えるんですよ。
KOKI そっか〜(笑)。でも大丈夫。そういう悩みや頭を抱えていることも、歌詞に反映することができるし、歌としていずれ発散することができます。普通はみなさん、お酒を飲んで騒いで発散するんだろうけど、僕はお酒をあまり飲まないので、飲まない僕だからこその発散の仕方があって。それが歌詞にすることや歌うたうことで、音楽やバンドというもので活かされるわけだから、これ以上に最高なことはないと思っています。

INKTを辞めるときがあるとしたら、それはライブが面白くなくなったとき

――お客さんは、そういうKOKIさんのステージを見て発散すると。
KOKI ライブに来て、汗をかいた、発散できたと言ってもらえるのが一番うれしい。お客さんにとって、ライブって非日常の空間なんです。そのなかで、どれだけ普段を忘れたり置いていったり、吹っ飛ばさせてあげられるか。それが、僕らのやるべきこと。感動的なバラードで泣くのも、面白い歌で笑うのもそう。心が動くということが、一番のストレス発散になると思うんです。僕自身もいろいろなものを発散して、お客さんもストレスとかいろいろ発散できて、本当にいい空間だなって思う。もし僕が、INKTを辞めるときがあるとしたら、それはライブが面白くなくなったとき。自分に課題がなくなったとき。次のライブでこういうことを修正しようとか、これをやろうとか思えなくなったら、それ以上の成長は望めない。そんな気持ちでやるライブは、きっと楽しくないと思う。だから、ずっと課題を見つけながらライブを続けたい。

――海外はこれからも?
KOKI 今後もお話があれば、どんどん海外でやっていきたいです。でも外にばかり目が向いてしまうのも違うと思うので、国内でのライブはもちろん大事にしたいですね。まあ、どこでもお声がかかれば、歌って欲しいと言ってくれるお客さんがいるところなら、どこでもやります。今は、会場や国とか関係なく、歌えること自体が楽しい。歌って演奏して、みんながレスポンスを返してくれる、その場が単純に楽しいし幸せだという感覚です。

――ブラジルのあと、ライブハウスツアーが7ヶ所。その間にも、どんどん成長していきそうですね。
KOKI 全部で課題を見つけて克服していきたいです。同じセットリストであろうが同じ会場であろうが、毎回違った課題を見つけたい。前回の課題を克服できたけど、今回はここが気になったとか、新しい課題を見つけることが楽しいんです。ロックバンドや音楽が、終わりのない旅と言われるのは、そういうところだろうし、正解がないお仕事。自分というものはブレさずに、ずっと何かを模索し続けていたいです!

(文:榑林史章/撮り下ろし写真:鈴木かずなり)
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