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(更新: ORICON NEWS

トークバラエティに辟易!? 「コント番組」への渇望

 「コント番組」を目にしなくなって久しい。この4月から続々と始まったプライム帯の新番組を見渡しても『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合)が復活したぐらいだ。テレビの王道だったはずの“作り物”のコント番組が、すっかり消えてしまっている。このまま衰退してしまう運命なのだろうか。

かつて様々なトレンドを生んだコント番組

  • 現在、プライム帯で目立ったコント番組は内村光良らが出演する『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合)のみ。一方で、制作者側には「コントを作りたい」という思いもある

    現在、プライム帯で目立ったコント番組は内村光良らが出演する『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合)のみ。一方で、制作者側には「コントを作りたい」という思いもある

 かつてはコント番組から様々なトレンドが生まれていた。1970年代はドリフターズの『8時だよ!全員集合』(TBS系)から「早口ことば」が流行り、『欽ちゃんのどこまでやるの!?』(テレビ朝日系)からはわらべが歌った「めだかの兄弟」が大ヒット。1980年代に入ると『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)が新たなお笑いブームを作り出し、1990年代は『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)や『笑う犬』(同)が勢いをけん引し、音楽ヒットなども生まれた。しかし今となっては、NHK、キー局のプライム帯で目玉となるコント番組は『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合)のみ。思えば『はねるのトびら』(同)の人気に陰りが出てきたあたりから、民放各局から目立ったコント番組は見当たらない。

 このコント番組絶滅状態の理由は何なのだろうか。まず挙げられるのは、視聴者のニーズが変化していることだろう。面白い動画をいつでも簡単に手元のスマートフォンで探せる時代になり、敢えてテレビにコント番組を求めなくなっているのかもしれない。また制作事情も影響しているようだ。時間とコストがかかるコント番組よりも、トーク系バラエティの方が安価に作りやすい傾向がある。上場し、巨大メディアグループ企業へと変化を遂げたテレビ局がビジネスライクに効率化を重視するようになり、選択肢からコント番組が脱落していったケースも見受けられる。

 しかしながら、今のバラエティ制作陣や活動中のお笑い芸人は、まさに「コント番組」で育ってきた世代である。「テレビのコント番組を立ち上げたい」「コント番組から何か新しいヒットを生みたい」という思いは潜在的にあるはずだ

コント番組を「作りたい」と考えているテレビマンは多い

 例えば、コント的なアプローチで成功している『ゴットタン』(テレビ東京系)の佐久間宣行プロデューサーは、2015年3月に実施した単独インタビューで「僕は作り物の笑いで育ってきた。もちろん、何が起こるか分からないトークバラエティも好きですけど、『夢で逢えたら』(フジテレビ系)などに強い影響を受けたのは、紛れもない事実。でも今の時代、ただコントを番組として継続すると、回顧主義の作品になってしまうことが多いので。だったら今の時代に即した要素を入れた形で、今の若い世代の視聴者にも届けたいなっていう気持ちはあります」とコメントしている。今のテレビマンにもコント番組に対する熱量は残っているようだ。

 漫画家の久保ミツロウが『久保みねヒャダこじらせナイト』(フジテレビ系)で佐久間プロデューサーを「テレビ業界人で一番尊敬している人。作家性のあるプロデューサーだ」と評価していたが、まさに作家性を持ち合わせた演出家気質のディレクターやプロデューサーがコント番組には必要になる。タレント本位で進行できるトーク番組と比べると、作り込むコントの場合は作り手の腕の見せ所でもあるわけで、そうした人材を育てる余力がテレビ局にあるかどうかにも左右される。

 先の『ドリフ〜』はTBSの全盛期。『〜ひょうきん族』と共にフジテレビは勢いを増した。それが今やプライム帯の週平均視聴率が7〜8%台にまで下がるフジテレビやTBSが「振り向けば…」と揶揄していたテレビ東京と並び、追い抜かれる週も珍しくない。つまり、コント番組と局の勢いは相関関係にあると言ってもいいかもしれない。コント番組が生まれにくいこうした現状は寂しくもあるけれど、まだ残る作り手の情熱が実を結び、今の時代にハマる面白いコント番組が出てくることを願いたい。

(文/長谷川朋子

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