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なぜNMB48は毎年『総選挙』で苦戦したのか?

 先日、『第7回AKB48選抜総選挙』の初日速報が発表されたが、グループ別に見るとNMB48の苦戦が目についた。選抜メンバーとなる16位中、山本彩(5位)ひとりだけで、80位内にも8人と、AKBグループで最下位となった(AKB48が28人、SKE48が26人、HKT48が16人)。なぜこれほどまでにNMB48は、総選挙で苦戦しているのか、その要因を探ってみた。

ピンチをチャンスに変えられず、ファンの熱量が停滞

  • NMB48ファンの期待を一身に背負う山本彩

    NMB48ファンの期待を一身に背負う山本彩

 NMB48は、昨年の最終結果でも選抜入りが山本のみ、ランクイン12人と振るわなかった。今年の速報では80位内の総得票数が68万6154票と昨年から32.4%増加。他グループは4万〜6万票近く伸ばしたが、NMB48は約6000票の微増止まり。もともとSKE48は総選挙に強く、今年は開票イベントが福岡・ヤフオクドーム開催でHKT48も盛り上がるなか、埋没感は否めない。速報と最終結果は大きく変わるのが常だが、速報から読み取れることもある。それは、熱いファンの多さだ。最終的に260万票以上集まる総選挙で、ひとりの推しメンに大量投票しても結果を大きく左右することはない。だが、速報段階では熱いファンの力が結集すれば、無名の推しメンも上位に送り込める余地があり、初日に全力を注ぐファンは少なくない。

 一昨年の速報では8位に柴田阿弥(SKE48)、昨年は11位に森保まどか(HKT48)、14位に二村春香(SKE48)と前年まで圏外のメンバーが選抜圏内に入り驚かせた。今年も11位に谷真理佳(SKE48)、15位に渕上舞(HKT48)が入った。NMB48からはこうした“速報プリンセス”が出ないのは、相対的にNMBファンの総選挙での熱量の低さをうかがわせる。では、なぜそうなったのか?

 山本と共に熱いファンが多かったNMB48の渡辺美優紀は、アイドル性や握手会対応が抜群で、1st写真集の売り上げは山本に勝っている。一昨年の総選挙では15位で選抜入りしたが、昨年は18位にダウン。『じゃんけん大会』で優勝し、年末にソロデビューを果たしたが、今回の速報は18位とNMB48停滞の象徴になってしまっている。渡辺から離れた票が山本や他のNMB48メンバーに流れた様子もなく、ファン全体にやや冷めた空気が広がったままの感じがする。

逸材多いだけに、関西以外でのテレビ番組の増加がカギ

 速報では若手も伸び悩み、10thシングルで矢倉楓子(62位)とWセンターに抜擢され、最も期待される白間美瑠は圏外。これは彼女らの資質の高さと推され方が、総選挙では裏目に出ているように思う。総選挙から躍進したメンバーには、SKE48の須田亜香里(昨年10位)や松村香織(同17位)がいる。松村は研究生からの昇格も長く叶わず、運営に推されてもいなかった。だが、須田の握手会での神対応や松村のGoogle+への動画投稿など、一生懸命さにファンが順位を上げてやりたいと感じた。指原にしても、逆境からHKT48を盛り上げようとする姿が共感を呼んだ。一方、白間らはルックスとキャラに恵まれ、運営にも推されている。総選挙でランクアップする前に運営に推されると投票意欲は微妙に薄れるもの。トップ争いをする状況になれば別だろうが。白間らは次期エースと認められている分、ファンが自ら「押し上げよう」とする熱い後押しの広がりに欠けていたようだ。

 HKT48と比べると“物語”のなさも浮かぶ。HKT48は2012年から総選挙に参加し、宮脇咲良が唯一47位でランクイン。今やAKB48で渡辺麻友とWセンターも務めエース格の宮脇だが、当時公演のセンターは兒玉遥。宮脇もファンが後押しした存在だった。兒玉も宮脇に先を行かれ、CDデビューの際はセンターを田島芽瑠に奪われたりするなか、37位、21位と順位を上げてきた。宮脇を抜けない悔しさも口にして、今年の速報では宮脇より上の8位に。NMB48ではこうしたライバルストーリーが見えにくい。ファン同士の張り合いに欠けるのも、総選挙ではマイナスだ。HKT48からは渕上ら後続の同年代メンバーたちも、ファンが競い合って投票して速報に名を連ねた。

 とは言え、NMB48の個々のメンバーは逸材ぞろいだ。トップは山本が突出しているとはいえ、お姫様系美少女の白間や美形で毒舌の薮下らの他にも、『第1回ドラフト会議』で3チームが競合した須藤凜々花が髪をバッサリ切って話題になったりと期待の星は多い。他のグループの同世代メンバーに何も劣らない。

 そういう意味では、関東でNMB48のレギュラー番組がオンエアされていないことが、意外に大きいかもしれない。HKTは現在『HKT48のおでかけ!』(TBS系)が放送中で、SKE48も断続的に番組があり、速報11位の谷も番組内で松村とヒッチハイク旅や懸賞生活に挑み、知名度を上げている。一方、NMB48の番組は昨年9月に1クールで番組が終了して以来ない。地元以外の48グループファンに浸透させるうえで、やはりテレビの力は重要だ。いくつかの要因が重なり総選挙では負のバイオリズムが来てしまったNMB48だが、グループ全体の底力から、ちょっとの転換で大きく状況が変わる可能性はある。個々の魅力がより押し出され、ファンの心に火をつける展開さえあれば。山本は常々「1位になりたい」と口にしているが、他のメンバーも総選挙に限らず、目指すものを積極的にアピールすることで、ライバル関係も生まれ、ファンも一緒に頑張りたいという気持ちになるだろう。また、バラエティへの対応力も他グループより高いので、関西以外でのテレビ番組出演が増えれば、小谷里歩や木下百花ら個性派ももっと光るはずだ。

 NMB48はもともと“アイドル不毛の地”と言われた大阪で結成され、ファンと一丸になって歴史を切り開いてきた。浪花魂のイケイケ感は強い。グループとしても『紅白』出場の次の大きな目標を掲げる時期に来ているが、総選挙での逆境からまた“てっぺん”を目指すなかで、NMB48の真骨頂を再び見せれば、自ずと結果も伴ってくるはずだ。

(文:斉藤貴志)
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