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『ビリギャル』ヒットで“ギャルブーム”の復活あるか?

 女優の有村架純が主演する映画『ビリギャル』がヒットしている。落ちこぼれの女子高生ギャルが慶應大学合格を目指して努力するというストーリーもそうだが、ヒットの要因は、やはり若手清純派の代表格である有村が“金髪ギャル”になったというインパクトではないだろうか。最近では、金髪ギャル人口は激減し、“ギャルブームの衰退”とも言われているが、その火種は本当に消えてしまうのか。

80年代以降、形態を変え様々な“ギャル”文化が誕生

  • 映画『ビリギャル』で金髪ギャル姿を披露した有村架純

    映画『ビリギャル』で金髪ギャル姿を披露した有村架純

 “ギャル”という言葉自体は1970年代初めからあったが、1979年5月に人気絶頂期の沢田研二が新曲「OH!ギャル」を発売すると、作詞家の阿久悠が「英語のガール=Girlをアメリカ人が短縮してギャル=Galと発音する」と説明。早い話が、女の子のことを指す単語だった。だが、“ギャル”という単語は、1980年代に入るとひとり歩きする。バブル絶頂期には、「ジュリアナ東京」や「マハラジャ」などの巨大ディスコが大流行し、女性たちはこぞってボディラインを強調したワンピース服“ボディコン”を着用、セクシーなダンスを披露した。彼女たちを“ボディコンギャル”と称したことで、“ギャル”は日本語のひとつに昇華した。

 1989年には、中尊寺ゆつこのマンガ『スィートスポット』の中で、“オヤジギャル”という言葉も登場。1995年になると、「TRY ME」で安室奈美恵がデビュー。ミニスカート、厚底ブーツ、茶髪のロングヘアーなど、アメリカ西海岸風のファッションが流行し、“アムラー”と呼ばれる安室をオマージュした女性が渋谷を中心に増えていった。それまでのギャルファッションは、丸井やパルコなど、あくまで女子大生&OL向けであったが、「109」を筆頭に“アムラー”を目指す女子高生、女子中学生を取り込むことに成功すると、“コギャル”“マゴギャル”という呼び名が定着。彼女たちがもたらす経済効果は相当なものだった。

 同時期には、ギャル系ファッション誌『egg』(大洋図書)が創刊され人気となり、ブラックコンテンポラリー系の洋楽のヒットや茶髪とのバランスもよいことから、日焼けブームが起こるが、1997年から“ガングロ”と呼ばれる極度の日焼けが流行。翌98年には、3日に1度は日焼けサロンに通う“ヤマンバギャル”が登場した。茶髪のブリーチも白髪に見えるほどにエスカレートし、奇抜なメイクと“ゴングロ”“バチグロ”と呼ばれる、さらに黒く日焼けした肌がもてはやされた。だが1999年に浜崎あゆみが「A Song for XX」を大ヒットさせると、“ガングロ”のカウンターとして“白ギャル”が流行。白い肌と金髪に近い茶髪という組み合わせが中心となる。2000年に入って、“白ギャル系”と“ヤマンバ”から派生した“マンバ系”による、ギャルの二極化が見られるようになる。さらに、お姉さま系ファッションと融合した“お姉ギャル”まで現われてくるのだ。

時代を象徴する“カリスマ”の出現で、一大ギャルブームの再来も有り得る

 以降“ギャル”は、時代時代の文化を取り込み、融合していく。2004年の“キグルミン”は、“黒ギャル”がアニメキャラなどの着ぐるみを着用し、オタク文化と融合。翌年には、ビジュアル系バンドのファンに人気のあるロリータファッションとギャルが融合した“ロマンバ”が登場。安室奈美恵、浜崎あゆみに続く、“エロかわいい”“エロかっこいい”系の倖田來未の流行を経て、雑誌『小悪魔ageha』(インフォレスト)がブームを起こし、キャバクラ嬢風の“盛り髪”が特徴のギャル“age嬢”を生んだ。タレントも若槻千夏や益若つばさ、舟山久美子など、モデル出身の女性が人気となり、さらにはギャル漫画家の浜田ブリトニーや、大食いタレントのギャル曽根など、多種多様なギャルが登場することになる。結婚・出産を経たギャル=“ギャルママ”まで現れたのだ。

 現在のギャル業界は、有名人ギャルをあまり見なくなり(もしくは芸能界を引退した)、雑誌『egg』や『小悪魔ageha』も相次いで休刊。雑誌『ViVi』が、ハイパーブリーチをかけた白系金髪やピンク、パープル、ブルーの髪色・太い眉・濃い目のリップ・ごつ目のアクセなどで外国人風にしたファッションの“ネオギャル”を提唱している。植野有砂や佐々木彩乃といったファッションブランドの看板女性が“ネオギャルのカリスマ”とされるが、一般的に知名度があるとはいえない。

 では、“ギャル”文化はこのまますたれていくのかといえば、そうではないだろう。中高年男性の間では、もはや“若い女性=ギャル”となっている感さえある。雑誌『小悪魔ageha』も4月に復刊し、映画『ビリギャル』のヒットもある。これからも派手でインパクトのあるファッションが若い女性たちの間で流行れば、その女性たちは“○○ギャル”と呼ばれるだろうし、時代を象徴するタレントやロールモデルとなりうる“カリスマ”が現われれば、一大ギャルムーブメントもまた巻き起こるだろう。時代とともにファッションや文化は変幻自在に変わっていく。“ギャル”文化も、いったん鎮火したように見えながら、少しずつ形態を変えて、今後も息づいていくのであろう。

(文:五目舎)

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