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結成から音楽性まで話題の田中聖が所属するバンド・INKTに迫る!

呼んでもらえれば、公民館や町民会館どこでもライブをする

――そういう長い時間一緒にいても平気だという関係性を築けたのは、すごくよかったですね。わりと、だんだんおかしくなっていっちゃうので。
Kei そうですよね。ギスギスするようになるとか、よく聞きますよね。
KOKI バンドでよくあるもめ事の1つに音楽性の不一致とかあるけど、そもそも音楽性がバラバラで、好きな音楽をメンバーに押しつけることもしないし。そうなると音楽以外の趣味の部分が、けっこう大事になってくるんです。最近だと、kissyがそろそろサバゲーに参戦するって言ってたよね。
Kei サバゲーね。

――おふたりともサバゲーを?
Kei 僕はまだです。
KOKI 僕は「Wanderlust」の歌詞じゃないけど「英雄」だったんで(笑)。人に姿を見られずに敵を倒す、傭兵だったんですよ。ひとりでも定例会に参加しちゃうくらいハマっていました。

――どの曲もストーリー性があり、映像的な感覚もあるのは、ゲームとか漫画とか映画などが好きということが、自然と現れているのかも。
KOKI そうですね。1曲3〜4分の中で、起承転結を見せることができれば、難しいことだけどきっと楽しいと思うし。ストーリーが見える、情景が浮かぶ曲だったらライブで演奏してもきっと楽しいと思うし。
Kei 今回の歌詞が、前作よりも深みとか流れとか、ストーリー性が強くなっているのはメンバー誰も口にはしてないけど、思い返すとみんなそういうことを思っていたのかもしれないですね。何も言わなくても自然とこういう方向になったもん。

――仲の良さ、長時間行動を共にしているからこそ、口にしなくても通じる部分があるんですね。
KOKI 作品を作るたびに、そのときにやりたいことがみんな一致しているんだと思う。INKTとして次はこれをやりたい、次はこう攻めたい、でもここは守りたいという、そういうラインが一緒なのかなと思います。

――日本語と英語のバランスも絶妙ですが、それは冒頭に話していた海外を視野に入れてのこと?
KOKI 特にそういうわけでもなくて。英語の響きのキャッチーさやかっこよさというものもあるし。
Kei メロによっては、日本語よりも英語が乗ったほうが届きやすくなる場合があって、それは逆もあるので、そうやって使い分けてるときもあるし。英語が多すぎて分かりづらくなるときは、日本語をもっと入れるように話をするし。日本語だとチープになってしまうときは、英語でとお願いしたり。そこは、みんなでディスカッションしながら決めています。

――そのうち、丸々英語の曲が出て来るかも?
KOKI かもしれない。それはそのときの衝動次第ですね。今はきっと、まだ衝動で作ることがいいと思うので。

――衝動と書いてロックと読むみたいな(笑)。
Kei あ、それいいですね。
KOKI いただいちゃおう(笑)。

――KOKIさんはけっこう英語も堪能っぽいですね。
KOKI ああ、どうだろう〜。教科書の英語はまったくできなくて、外国人の友だちと話すことで英語を覚えていったタイプなので。だから、歌詞として書いたときにスペルが間違ってたり、文法的に正しくなくて指摘されることもある。

――要は口語、話言葉なので、ネイティブの人からしたらストリート感があると感じるのかも。
KOKI ああ〜確かにそう。だけど若者言葉だから、ジェントルメンの方なんかは汚い英語だって思うんじゃないかな。それも曲次第では僕らがやっている音楽には、こういう英語が似合ってると思う。

――その英語という部分も、海外にファンが急増している要因ですね。
KOKI はい。海外の人にも伝わればいいなと思ってるし、僕らの曲で海外の人が日本語を覚えてくれるきっかけになったらうれしいです。

――海外でライブをやるときは、英語でMCもできますね。
KOKI そうですね。でもその前に、英会話教室に通わないと(笑)。ちゃんとした英語を1回覚える必要があると思うので。

――海外という話もありつつ、INKTとして今後やっていきたい活動は?
KOKI イベントやフェスなど、対外試合もたくさんやっていきたいですが、INKTとしての人気の底上げが最優先事項かな。他のバンドがやってないことにも、どんどんチャレンジしていきたい。
Kei 先のことを考えると、自分の中ではライブをやっている姿しか見えてこない。だから、何歳になってもライブバンドとしてずっとやっていくことが、目標かなって思います。
KOKI ステージに上がってナンボの人たちなので。僕たちは音楽をやっていないとただのポンコツ集団(笑)。

――ライブをやればやるほど、大きなステージや大勢の観客という欲も出てきますよね。
KOKI そういう欲も出て来るだろうし、小さなハコでも他のバンドが行かないような土地に行ってやってみたいというのもあります。
Kei 今は大きなハコでやるよりも、小さなハコでもいいからいろんな地方に行きたい想いのほうが強いです。
KOKI 47都道府県ツアーよりも、東京23区ツアーみたいな(笑)。呼んでもらえれば、公民館や町民会館とかでもやる。あと大学や高校の学園祭とか、これからの子たちのところに行って、夢を与えてあげられたらと思う。夢を始めるのは、何歳でも遅くないよって。それが、僕らが一番伝えられることだと思うので。それとあと、実行委員の若いかわいい女の子たちと触れ合いたいというのもあったり(笑)。

バンドをやるきっかけはモテたいから!? 男の子なんでいくつになってもモテたい(笑)

――まだキャーキャー言われたいんだ(笑)?
KOKI そりゃまだまだ言われたいですよ。気持ちいいし。

――それも衝動ですもんね。男の子が楽器やバンドをやるきっかけって、モテたいのが一番だと思うし。
KOKI そうですね。そうやって、モテたいからって言えちゃう人の方が、信用できると思うんです。ギターが俺を呼んだみたいなことをいうやつは、信用できない(笑)。
Kei そんなの嘘くさいし(笑)。
KOKI 絶対に嘘。絶対にモテたいからだもん。

――じゃあおふたりとも、モテたいんですね。
KOKI&Kei モテたいです! 男の子なんでいくつになってもモテたいです。

――ファンにとっても、モテないバンドよりもモテてるバンドのほうがいいと思うし。
KOKI そりゃそうです。それに同じモテるでも、異性だけじゃなく若い男の子たちや、同じ年齢くらいの男の子たちが、「かっけえ!」と言ってくれることもモテることだと思うし。そういう意味で、ステージに立つ以上はやっぱりモテたいです。それは最低限にして最大限の欲求だと思います。

――5月5日に東京・EX THEATER ROPPONGIでライブが。
Kei 1stライブ、ミニアルバムのリリースを経て、やれることの幅も広がりつつ、やりたいことも見えてきた。成長してよりパワフルになったINKTをお見せしたいと思っています。
KOKI 前回の反省も踏まえて、どれだけ成長した姿を見せれるか。僕ら的に制作や取材などで活動はしているけど、お客さんの前に姿を見せるのは3ヶ月ぶりになる。その3ヶ月の間に進化していないと、やっても意味がないと思ってるし。成長の度合いもそうだし、ちょっと気になってて初めて見に来てくれるという人もきっと多いだろうし。そういう友達に無理やり連れてこられたとか、彼氏や彼女に付き合わされたみたいな人に、「INKTかっけえじゃん!アツイことやってんじゃん!」とどれだけ思わせることができるか。それは5月に限らず、ずっと胸に持っていないといけない気持ちだと思います。全部が勝負のライブなんだろうなって。50人のハコだろうか、何百人のハコだろうが、1つひとつのライブ全てが、僕らにとって勝負だろうなって。もちろんだけど、おざなりでやっちゃいけない。そういうバンド、ライブバンドでありたいです。

――この日は、ライブのタイトルは?
KOKI とりあえず「Painting with INKT」と付けています。これは単純に、インク=塗料ということで、お客さんを染め上げられるかっていう。それは曲だけじゃなく、キャラクターでだったりとか、いろいろな部分で。相手もお客さんに限らず、それこそ世界中の人を染め上げていければと。全部が全部、大事なライブですから!

――バンド名のINKTも、そうした意味で?
KOKI これはSASSYが考えた名前なんだけど、みんなで候補をたくさん挙げた中で、いちばん僕たちの感覚ぴったりだったので。

――でも、INKTの色ってどんな色なんでしょうね。
KOKI 音楽性がみんなバラバラなので、とってもごちゃごちゃな色なんだと思います。
Kei 『サイサリス』のジャケットは、まさにそういうイメージです。
KOKI 見る人によって、きれいだと言ってくれるだろうし、人によっては汚いと思うかもしれないし。

――心理分析に使う絵みたいな。
KOKI ロールシャッハテストですか(笑)。
Kei SASSYが分析してくれます(笑)。

(文:榑林史章/写真:ウチダアキヤ)

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