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結成から音楽性まで話題の田中聖が所属するバンド・INKTに迫る!

 田中聖が所属する5人組バンド・INKTが、2ndミニアルバム『サイサリス』を4月25日に発売。昨年11月にデビューアルバムを発売して以来、東京と大阪でライブを行うなど精力的に活動を続けている。ボーカルのKOKI、元HIGH and MIGHTY COLORのベース・mACKAz、ドラム・SASSY、数々のアーティストのライブやレコーディングに参加してきたギターでリーダー・Kei、キーボード・kissyとメンバーそれぞれ多方面で活躍している。ORICON STYLEでは、KOKIとKeiに、新曲はもちろん結成から音楽性まで話を聞いた。

イメージぴったりのアクの強い男(KOKI)が来たと思った

――ミニアルバム『サイサリス』ですが、すごくカッコ良かったです。日本を飛び出して、海外でもウケそうだと思いました。
Kei おお〜!
KOKI 実際に海外で待ってくださっているファンの方もいるし、僕ら自身も日本国内にとどまらず、いずれは海外に挑戦してみたいと思っていて。年齢的には守りに入ってもいい歳なんですけどね。でも、ゼロから攻めよう、また始めようというところなので。
Kei 活動を開始した当初から、海外のファンからTwitterなどでメッセージをいただいていたので、いずれは行かなきゃなと思っています。

――そもそも、結成のいきさつはどういうものだったのですか?
KOKI 全員、普通に飲み友達だったんです。Kei、mACKAz、SASSY、kissyは、いろんなアーティストのサポートの場で、顔を合わせていたんだよね。
Kei それで、バンドやりたいねって話していたんです。でもボーカルが見つからなくて、どうしようかね〜って状態で2〜3年が過ぎて。それで今回のタイミングで、KOKIから「バンドやろうよ」って言ってきて。いいボーカルが来たね〜! アクが強いのが来たね〜! って。
KOKI キャラ強いのが来たね〜って(笑)? 地味だと、キャラが沈んじゃうからね。
Kei うちのバンドメンバー、全員キャラが濃いんです。濃すぎちゃって、それに対抗できるボーカルがなかなかいなくて。そこにちょうどよくKOKIから連絡があった。

――そのときは、どういう音楽性でやろうと思っていたんですか?
Kei 具体的なイメージはなかったです。ただ僕とkissy、mACKAz、SASSYは、そのころ自分自身のバンドは持っていなくて、いろんなアーティストのサポートをやりながら、やっぱり自分のバンドが欲しいと思っていて。自分たちの想いを純粋にぶつけられる場所が欲しいねという意味で、バンドを作りたいと。それで音楽性に関しては、このメンツなので、ロックとか激しいものになるだろうなと、ぼんやりとは思っていました。でもボーカルがいないので、それ以上具体的に進めることができてなくて。そこにイメージぴったりのアクの強い男がやってきた。

――KOKIさんが入ったことで、じゃあこういう音楽ができる、ああいうこともできると、イメージが広がっていったと。
Kei そうです。
KOKI 僕ら自身では方向性はこうしようとか、口に出しているわけではないんですが……根っこに持っている方向性というか、こういう感じがいいなと思ってるものは、統一されていると思う。みんな好きな音楽もルーツも違うけど、INKTとしてやりたいと思うことの共通認識は、あるなと思います。

INKTはロックバンドと言うより、ジャンルレスバンドという感覚

――KOKIさんは、もともとロックがお好きだったのですか?
KOKI 好きですね。以前はHIP HOP畑だったりしたけど、途中からロックとHIP HOPにあい通じるアツさを感じるようになって、自分でも、ジャンルレスだなって思っていて。だからINKTもロックバンドと言うより、ジャンルレスバンドという感覚でとらえています。

――共通してお好きなバンドとかは?
Kei まったくないです。

――ひとつくらいないですか?
Kei 見事にバラバラです。
KOKI だから、逆にメンバーから教えられることもあって。
Kei 「こんなCDが出たよ、聴いた?」「なにそれ?」「え〜知らないの?」みたいな。
KOKI keiはメロコアやパンク、SASSYはハードコア。kissyは、クラシック畑だったから一切バンドを通ってない。僕自身も、最初に好きになったのがセックス・ピストルズだった。
Kei ピストルズは、kissyは聴いてない以前に知らないって(笑)。
KOKI 驚くよね。シド・ヴィシャスくらい知ってるだろうと思ったら、「誰ですかそれ?」って。

――バンドの基礎知識からないと。
KOKI そうそう。だから、そんなのも知らなくて、何でkissyバンドやってんの?って(笑)。
Kei 初めてkissyとスタジオに入ったとき、「ギターの音を歪ませる人はKeiさんが初めてです」って(笑)。
KOKI ああ〜。きれいなクリーントーンの音で弾く人とばっかりやってたからね。

――では、KOKIさんとkeiさんの出会いは?
KOKI もう4〜5年くらい前で。そこからダーツ&飲み友だちっていう感じでした。水面下でスタジオに入ったことはあったけど、表だって活動したことはなかったよね。

――それは、知り合いを通じて?
KOKI そう。それで一緒にダーツとかしているうちに仲良くなって。音楽以外の趣味が、似ていたりするんで。
Kei 音楽性は全員バラバラだけど、趣味はみんな一緒。
KOKI 漫画、ゲーム、アニメ、ダーツ。バンドを組む前に、趣味の友だちだったことがでかいと思う。だから、mACKAzとSASSYに関しては、どういうプレイをするかもわからなくて。

――それでよく一緒にバンドをやろうと思いましたね。
KOKI メンバーになる人間に求めるのは、演奏の上手さは最低限必要で、そこにカリスマ性と言うか、スター性があることも大事だなと。カッコよさって言うかね。それで、出会ったときの印象で、「こいついいわ〜!」って思ったのが今のメンバーです。

――KOKIさんがバンドをやろうと言ったときも、どういうバンドにするかのイメージはなく?
KOKI 特になく、やりたいな〜って。それで知り合いだったKeiとkissyに声を掛けたら「ちょうどいいやつがいるからちょっと待って。声かけてみるから」って。それで、今に至るみたいな。
Kei いきなりスタジオ入っちゃったもんね。
KOKI だからmACKAzとSASSYは、初めてのスタジオが初対面だったんです。

精神的に大人になった面も……お互いに意見を尊重して受け入れ合える仲

――KOKIさんはじめ、他のみなさんも、以前やられていたバンドやサポートしているアーティストの音楽性とも違っていて。今までと違ったことをやりたいという意識もあった?
KOKI そういういうことでもなくて。INKTとして、自然と出てきたのがこういう音だったのかなと。
Kei このメンバーで今やりたいことは何だろうね? でも何かやろうよと言って、自然と沸き上がるものを形にしたら、INKTが出来上がった感じだと思います。だから、何か狙いにいったようなものは何もないんです。

――初めて5人揃ったスタジオで、最初にやった曲は何かのカバーとか?
KOKI もともとkeiが作っていた、世には出していない曲があって。それを事前に聴いて、軽く歌詞をつけた状態で、じゃあバンドで合わせてみるかって。でも、あのときは、ほんとにフワッとしてたよね。
Kei そりゃフワッとするよね、初対面のメンバーもいたんだから。

――いきなりオリジナル曲で、バンドアレンジを作って行った。そういうことが、ためらいなくすぐできるのはすごいですよね。
KOKI う〜ん、でも最初はやっぱり、少し時間がかかりましたよ。
Kei 手探りだったから。
KOKI だから最初のアルバム『INKT』は、制作に1年くらいかかったと思う。

――この5人でバンドをやろうと思った、決め手になったことは?
KOKI ラクですね、一緒にいて。
Kei それはでかい。
KOKI 何か特別に「よし、やっていこうぜ」って、決意表明をしたわけでもなくて、自然と始まったわけなんですが、それはつまり自然と一緒にいられるということだと思うし。
Kei ムリがなかったしね。
KOKI お互いの意見を尊重しつつ、そういう意見があるならそうしてみようかとか、意見のすり寄せができる。相手の意見をダメと否定するんじゃなくて、すり寄せができるのは、全員がお互いを尊敬して尊重し合えているからだと思う。実際にそういう感覚があるし。
Kei それで実際に作り始めて、何の問題もなくそういう状態でやっていたんですけど、ちょっとだけ僕の中で、「どうなんだろう?」と不安に思う部分があって。それが、1月18日にO-WESTで1stライブをやったとき、初めてこれで良かったんだ、間違ってなかったんだと確認することができた。

――不安に思っていた部分とは?
Kei 居心地が良くて楽しくやっているんだけど、それだけで本当にいいのかな? というところ。こんなに楽しいことしかやっていないのに、それでいいのかな? って。初めてお客さんにライブを見てもらって、すごく温かく受け入れてもらったので、これで良かったと確信できました。
KOKI アーティストって、自分が楽しいことをやりたいと思って、ここまでやって来てしまっている人たちだと思うんです。でもそれは、人に受け入れられなければそれまでになってしまう。レスポンスがあって初めて正解がわかる気がするし。そういう意味で、ライブを意識して作っています。

――お互いに意見を尊重して受け入れ合える仲だというお話がありましたが、そう思えるのは、それぞれがある程度以上の経験を積んでいるからこそでしょうね。バンド経験や活動経歴が短いと、なかなかそうは思えないと思います。
KOKI それもありますね。僕ら自身が、以前より精神的に大人になっている面もあるだろうし。
Kei みんないろいろなことを経て来たからね。
KOKI そうそう。だからこそ、個々の演奏スキルにも信頼を置くことができる。

メンバーの仲の良さが感じられる動画インタビュー

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