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話題性が先行? 妹タレントは売れるのか
◆七光り感がある2世タレントとの違い
ところで広瀬すずといえば、姉の広瀬アリスも人気タレント。映画『銀の匙』やドラマ『玉川区役所 OF THE DEAD』(テレビ東京系)などでヒロインを演じ、すずとは大塚食品「ビタミン炭酸 MATCH」CMや、ともに専属モデルを務める「セブンティーン」表紙で姉妹共演もした。
最近では他にも、平愛梨の妹・平祐奈の初主演映画『案山子とラケット〜亜季と珠子の夏休み〜』が公開されたり、森泉の妹・森星がバラエティで活躍し『新チューボーですよ!』(TBS系)の新アシスタントに決まった。板野友美の妹・板野成美も「サブウェイ」CMに出演して、さっそく反響を呼んでいる。
芸能界に限らないが、有名人の妹となれば、とりあえず注目されるのは当然だ。何をしてもニュース性がある。しかも、2世タレントだとどうしても七光り感があったり、逆に同世代が親タレントにピンとこなかったりもするが、妹というと、それだけで可愛らしさやフレッシュなイメージを醸し出す。とくに“美人姉妹”という言葉はキャッチーで、SNSなどで仲良しぶりを見ると微笑ましく、ふたり込みで応援したい気持ちにさせる。
◆本人の資質に加わる話題性をどう活かすか?
姉が有名タレントで、後からデビューする妹も成功するには、妹が姉を上回るポテンシャルを持つことが絶対条件だ。でなければ、姉の存在はむしろマイナス要因として作用する。
姉とは必然的に比較される。本人自身にそれなりの資質があっても、姉に引けを取れば最初から引き算で評価され、“劣化コピー”的に見なされる。モーニング娘。のエースだった安倍なつみの妹・麻美などがこのパターンに陥り、ブレイクに至らなかった。ルックスも良かったが、姉に似ているぶん、「なっちと比べると物足りない」印象のほうが強くなってしまった。比較を避ける対策か、中山エミリの妹・英玲奈のように、同じ事務所でありながら、当初は姉妹関係を伏せていたケースもある。
逆にいえば、大ブレイク中の広瀬すずには比較も何も超越した絶対的な輝きがあって、姉妹の物語はプロローグにすぎなかった。平祐奈は愛梨と14歳の年齢差があり、姉妹ながらイメージはかぶらず、本人の持つ愛らしさに話題性というプラスαだけを活かせた。森星はモデルからバラエティ進出と姉と同じ路線を歩み、背格好も似ているが、やはり10歳差があるうえ、天然ぶりは姉の上を行く。それが妹らしい愛されキャラとなっているのが強い。
板野成美はCMに1本出ただけで“ともちんの妹”として知られ、良いスタートを切れたのは間違いない。普通の新人タレントにはないアドバンテージだが、“妹”だけで終わらないためには今後、普通の新人タレント以上のものを見せなければならない。小さい頃からダンスを習い、演劇スタジオで地道にレッスンに取り組んできたそうだが、実姉のイメージをどういう形で越えていくか、注目したい。
(文:斉藤貴志)