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なぜかテレビサイズに収まる蛭子能収の“ダーク”な魅力

 テレビで観ない日がないほど多数のバラエティ番組やドラマに出演しているタレントの蛭子能収。一見人の良さそうな風貌だが、その見た目からは想像がつかないほど毒舌で軽はずみな発言も多く、ネット上では多くの“蛭子伝説”がアップされている。常識をくつがえす言動が多いにもかかわらず、なぜ蛭子能収はテレビサイズに収まり、視聴者に受け入れられているのだろうか? 改めて蛭子能収という人物に焦点を当て、その“ダーク”な魅力を探ってみた。

蛭子能収は“己を測る物差し”

  • 蛭子能収(C)ORICON NewS inc.

    蛭子能収(C)ORICON NewS inc.

 “ゆるい”雰囲気で路線バスを乗り継ぎ旅する人気番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)では、まじめに旅をしようという相棒・太川陽介に対し、ひたすらマイペースな蛭子が、地元の名産品を出す飲食店ではなく、どこにでもあるような喫茶店でカツ丼を食べたり、バスの待ち時間でパチンコに行ったりという、旅番組の常識を覆したユルユルぶりが視聴者に支持されている。そんな蛭子の魅力といえば、よくいえば“癒し系”ともいえる人の良さそうな風貌。その朴訥(?)な印象が制作側に評価されているのか、ドラマや映画に数十本も出演している売れっ子俳優でもある。セリフは棒読みだが、演技してるのか素なのかよくわからない、蛭子にしか出せない独特な味わいがある。そして、いま注目を集めているのが、優しそうなルックスと正反対の“腹黒発言”や“黒エピソード”だ。

 「葬式に行くと、参列者の神妙な顔が面白くて笑ってしまう」「(アンガールズの田中が伸び悩んでいた頃、蛭子に相談すると)大丈夫だよ、誰も田中さんなんか見てないから」「長男の結婚式で『今日の結婚式は中の下ですが――』とスピーチ」「競艇で1億円スる」とここに上げたのはエピソードの一部だが、ここに載せるのも憚られる伝説もあったことも一応記しておく。そんな蛭子だが、このような発言やエピソードの“まとめサイト”が多数あることからもわかるように、ネットユーザーからのすこぶる人気は高い。ではこの蛭子人気の要因はどこにあるのだろうか? 蛭子という存在自体を、視聴者が“自分より下”に見て面白がっていることもあるだろうが、かつて“抱かれたくない男No.1”だった江頭2:50が、今やネット上で大人気になっているのと同じようなノリで、“蛭子さんを許容できる、面白がれる自分って、器がでかくてカッコいい”的な心情も潜んでいるのかもしれない。そういった意味では、蛭子は“己を測る物差し”のような存在ともいえる。

蛭子の“正直な言動”に憧れを抱く視聴者も

 さらにいえば、いまや蛭子は“憧れ”や“うらやましさ”の対象でさえあるのかもしれない。かつて蛭子が麻雀賭博で逮捕された際、「もう二度とギャンブルはしません。賭けもしません」と言ったり、謹慎中にラスベガスでルーレットに興じていたという伝説もあるが、ポイントはそこではない。釈放された蛭子を取り囲んだ報道陣に対し、当然平伏して謝罪するのかと思いきや、「全然悪いことをした気がしない。みんな金を賭けるのは当たり前でしょ」と言い放ったのだ。しかもいつものヘラヘラ顔からは想像もつかない、怒りに満ちた厳しい表情で……。

 もちろん賭け麻雀は犯罪だ。同様の罪で逮捕された芸能人も、今後の活動のことを考え、自分の気持ちを殺し殊勝に謝罪した。なのに蛭子は逆ギレ、というか義憤に駆られた感すらある。そんなリスクも顧みず、自分の思いをそのまま発言したのである。これだけ自分に正直に生きている人間、男気のある人間が、果たしてどのくらい今のテレビ界にいるだろうか?

 蛭子は、今日もテレビでヘラヘラしながら、自分の思うがままに発言し、周りを気にせず生きている。「まったくしょうがないダメ人間だなぁ」と蛭子を馬鹿にしているつもりが、実は視聴者も、蛭子のように自分に正直に生きてみたいと、憧れや尊敬の気持ちを抱いて視ている。そんな視聴者の潜在意識にある願望こそが、蛭子をテレビに出演し続ける原動力となっているのかもしれない。

(文:五目舎)
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