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K-POPブームの終焉と再生 定着した人気と新たな波

新しい風を巻き起こすニュースター、A Pink(ショーケースライブにて)

一時期は、毎日のように日本のテレビに出演していたK-POPアイドルたち。しかし、最近はその姿を見ることも減り、紅白出場者からも名前は消えた。K-POPブームはすっかり下火になったといえる。しかし、本当にK-POPは人気がなくなったのだろうか?

◆事件とスキャンダルの2014年 ワイドショーを騒がせたK-POP

 K-POPブーム急落の原因としてよく言われるのが、日韓関係の急速な悪化だ。韓流ブームとは真逆ともいえる反韓ブームが、少なからず影響したのは確かだろう。しかし、そんな社会的な動きを抜きにしても、以前からK-POP人気は下降気味だったといえる。

 昨年4月の「セウォル号転覆事故」では、韓国社会全体が自粛ムードとなり、コンサートやCDリリースなども延期や中止が相次いだ。一方、社会的な事件だけでなく、韓国芸能界そのものもスキャンダルが多かった。KARAのニコルとジヨンの脱退にはじまり、少女時代ジェシカ、f(x)のソルリなど、人気グループから次々と脱退者が出たことが、様々な憶測を呼んだ。新人ボーイズグループのEXOも、人気が出てきたところで中国人メンバーのルハンとクリスが事務所を契約無効で提訴。かつてSUPER JUNIORの中国人メンバーであったハンギョンの脱退騒動を思い起こさせた。さらに、トップアイドルの恋愛事情も次々と明るみに出た。

 韓国のスキャンダルが、日本のワイドショーで取り上げられること自体、韓国との距離が近くなった証拠ともいえるが、2014年はとかくネガティブな情報に終始した1年だった。

 ただ、明るい話題もなかったわけではない。韓国では、GODやFly To The Sky、アイドルバンドのBUZZなど、往年の人気グループが続々と再結成されるカムバックブームだった。グループから離れ、ソロで活躍して人気を得たアーティストも多かった。しかし、日本のK-POPファンにとって、グループ以外の活動は、あまり興味をひく話題とはいえなかったようだ。

◆DVD売り上げでは健闘 K-POPファンはライブ志向

 日本に目を向けると、確かに音楽チャートでK-POPが注目されることはほとんどなくなった。日本国内における2014年の年間CD売り上げは、AKB48とその系列グループ、嵐とジャニーズ系にほぼ独占されている。ダウンロードチャートにおいては『アナと雪の女王』の主題歌「Let it Go」が空前の大ヒット。K-POPの出る幕はほとんどなかった。

 しかし、DVDセールスランキングでは、相変わらずジャニーズ系が強いものの、8位に東方神起、10位にBIG BANGがランクインしている。そして、アーティスト別に見たトータルセールスでは、東方神起が5位に入っている。嵐やAKB48は別格としても、東方神起もまだまだ人気コンテンツなのだ。

 東方神起もBIGBANGも、好調だったのはコンサートの模様を収録したライブDVDだ。東方神起とBIG BANGのドームツアーは、相変わらずチケット入手が困難な状況が続いている。K-POPアーティストは、基本的に韓国で活動しており、日本ではリリースイベントやコンサートでしか直接見る機会がない。K-POPファンの主眼は、そんな本人たちを間近で見ることができるコンサートに向いているといえるだろう。コンサートに行けなかったファンのために、各地の映画館でライブビューイングなども行なわれている。

◆新しい風を巻き起こすニュースター 注目のEXOとA Pink

 新人グループの台頭は楽しみのひとつだ。とりわけEXOは、すでにコンサートチケットが入手困難なほどの爆発的な人気を日本でも得ている。昨年4月にはさいたまアリーナで初単独公演、秋に行なわれた東京、大阪、福岡でのツアーにもファンが殺到。日本デビューしても活躍が期待できるグループだ。

 ガールズグループでは、近年はセクシー路線化する傾向にあった。Girl’s DayやAOAなどは、セクシー路線への転換が成功した例といえるだろう。ただ、似たようなセクシーグループばかりが乱立したのが、衰退した一因でもある。

 そんななかで、“妖精アイドル”とも呼ばれるA Pinkは、他のボンデージセクシー路線とは一線を画し、ふんわりかわいい系正統派アイドルとして人気となっている。日本デビュー前のショーケースでは、5万人以上の応募が殺到し、近年は控えめだった一般誌やテレビなども取材に押し寄せ、取材陣だけで満杯となった。多くのK-POPアイドルが出演してきた「東京ガールズコレクション」のステージにも上がっている。

 ブームは去ったといわれるが、韓国では日韓ワールドカップ共催が行なわれた2002年以降、一時アイドル人気が衰退し、2006年頃になって再び盛り上がってきたという経験がある。ブームは一過性だが波には高いときもあれば低いときもある。現在は一時引いていたとしても、再び新しい波が押し寄せる時期はくるだろう。過去の例に倣えば来年以降ということになるが、意外と早く訪れるかも知れない。
(文:菊池昌彦)

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