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「ロマンシング佐賀2」始動☆佐賀県&人気RPGコラボ企画を体感レポート!

 佐賀というと、九州の経済的中心である福岡と、西洋文化の窓口だった歴史を持つ長崎に挟まれ、他の地方から見て今ひとつ存在感が薄い(!?)。ハウステンボスや大宰府天満宮のような全国的知名度のあるスポットにも欠ける……。そうしたなか、あえてそれを自虐的にネタにすることで話題作りをするなど、そのアイディアと懐の広さがファンを生み出している佐賀県が、新たな企画を世に放つ! より多くの観光客を誘致しようと、人気RPG『サガ』シリーズとのコラボレーションプロジェクト「ロマンシング佐賀2」を始動させた!!

“佐賀”&“サガ”コラボ企画第2弾を体感!

 『サガ』シリーズでも、スーパーファミコン1作目の『ロマンシング サ・ガ』、続く『ロマンシング サ・ガ2』は、その人気を決定づけた作品として広く知られる。以前より“佐賀”と“サガ”の語呂合わせは何かと口にされていたが、シリーズが25周年を迎えるに当たり、発売元のスクウェア・エニックス社から佐賀県にコラボの打診があったという。昨年3月に「ロマンシング佐賀」プロジェクトとして、東京・六本木でイベントを開催。佐賀の伝統工芸・有田焼に『サガ』のキャラクターが画付けされた大皿ほか、多数の限定商品の展示、販売などを行い、4日間で約7000人が来場した。

 その第2弾「ロマンシング佐賀2」はこの3月から佐賀県内で展開中。目玉企画である『サガ』歴代キャラクターをデザインしたラッピング列車の出発式が行われるのに合わせ、さまざまなコラボ企画が実施されている佐賀県に向かった! 県内外から注目を集めている同企画を現地からレポート!!

「ロマンシング佐賀2」フライトで成田から佐賀へ

 佐賀へは成田空港から、LCCの春秋航空日本(Spring Japan)が3月31日まで運航する「ロマンシング佐賀2」便で向かった。座席のヘッドレストカバーやドリンク用の紙コップにプロジェクトのロゴがあしらわれ、さらにCAのスカーフにはキャラクターたちの画が描かれている。そして、搭乗者全員に『サガ』25周年ロゴとキャラクターをデザインしたウェットティッシュが配られた。到着した佐賀空港でも「ロマサガ2」内の戴冠式をあしらった「ロマ佐賀2」ポスターが随所に貼られていた。現在はコラボ商品の販売店もオープンしている。

「ロマサガ2」仕様のショップでコラボ有田焼も!

 佐賀到着後に続いて訪れたのは、佐賀駅近くで有田焼「青花」の器を販売する「ぎゃらりぃふじ山」。ラッピング列車の運行と合わせ、「ロマンシング佐賀2」仕様の内装のショップとなっていた。入口のガラスにブルーとヴァージニア・ナイツが描かれ、店内では数々のコラボ商品を展示、販売。キャラクターがデザインされた有田焼の中皿と小皿、「ロマサガ2」の七英雄の第1形態を描いた「渕濃七英雄 有田焼小皿7種セット」、佐賀名物の村岡総本舗の羊かんのパッケージにキャラクターをあしらった「陣形 水ものがたり羹」、ジェラールが描かれたトートバックなどが店じゅうに並べられていた。

佐賀駅でラッピング列車出発式!運行スタート

 3月21日から「ロマンシング佐賀」ラッピング列車が運行をスタート。唐津線の佐賀駅〜西唐津駅間、筑肥線の西唐津駅〜伊万里駅間を走る。出発式は佐賀駅ホームで行われた。佐賀県の山口祥義知事、スクウェア・エニックスの松田洋祐社長、『サガ』シリーズのイラストレーター小林智美氏ら6人が出席。『サガ』ファンや鉄道マニアら約250人がホームに詰めかけたなか、2両編成の黄色いラッピング列車が入線してきた。ジェラール、アルベルト、ブルーら歴代シリーズを網羅したキャラクターたちが車体に描かれていて、歓声と拍手が沸き起こる。

 山口知事は「このコラボをどんどん発展させて盛り上げていきたい」と挨拶。スクウェア・エニックスの河津秋敏エグゼクティブプロデューサーは「シリーズ1作目のタイトルを『魔界塔士 Sa・Ga(サガ)』と付けなかったら、今ここにいなかったはず。列車に乗る方と新しい縁ができるのが楽しみです」と語った。

 テープカットが行われた後、ラッピング列車のドアが開いて約150人が乗車。満席で大にぎわいのなか、唐津に向けて出発する。列車が動き出すと車内では再び大きな拍手が起こり、ホームでは多くの人が写真を撮りながら手を振っていた。のどかな田園風景が広がるなかを列車は走り、沿線や停車駅ごとにカメラを構える人が多く見られた。

 この日の臨時便で停車時間の長かった多久駅などでは、乗客もホームに降りて、車体や駅構内のキャラクターパネルを撮影。イラストレーターの小林智美氏も出発式に続き乗車していて、自ら描いたキャラクターたちの画にラッピングされた電車をiPadで撮っていた。車窓からは菜の花が鮮やかに咲いているのも見られたり、ゆったりした気分に浸れる。車内では県外など各地から記念乗車に来て、たまたま同じボックスシートに座った『サガ』ファン同士が、シリーズの思い出話に花を咲かせる光景も。終点の唐津駅では、地元のゆるキャラの唐ワンくんとさよ姫ちゃんが出迎えに来ていて、乗客を喜ばせた。

県と人気ゲームの異例のコラボへの熱い注目

 「ロマンシング佐賀2」ラッピング列車の運行は6月28日まで。運行時間は公式サイト(http://romasaga2.jp(外部サイト))を参照。佐賀、小城、多久、唐津の各駅ではキャラクターパネルを設置し、スタンプラリーも実施中。ゲームさながらの冒険気分を味わえる。佐賀駅構内では“有田焼×『サガ』シリーズ”として、小林氏が直筆で画付けした“明けの明星−いつか旅するものへ−”の大皿など、様々の有田焼の皿が展示されている。

 近年、アニメによる地域おこしはひとつのトレンドになっているが、県レベルの自治体と四半世紀の歴史を持つ人気定番ゲームのコラボは例がない。ラッピング列車の出発式には、隣県の福岡や長崎はもとより、東京や神奈川などから駆けつけた人もいて、誘致効果は裏付けられた。「ぎゃらりぃふじ山」にまで足を運んだ人も多かったようだが、「ロマ佐賀2」をきっかけに佐賀県全体の魅力もアピールして、リピーターをいかに増やせるかが重要になりそうだ。

美味、珍味!佐賀だけの名産グルメ&地酒を堪能

 ちなみに、出発式前日の夕食時に、佐賀の繁華街にある郷土料理屋「蔵」を訪れた。“透明すぎるイカ”と言われる玄界灘の「呼子のイカ」の活きづくりは、身が細かく切られながらピクピク動いている新鮮さで、甘みのある味わい。和牛の高級ブランド佐賀牛はとろけるようなやわらかさ。どちらもさすがの美味。有明海の名物ムツゴロウの蒲焼きは、甘辛くて尾を引く味で酒が進んだ。

 酒に関しても、佐賀は全国有数の米どころで日本酒も定評があり、濃醇甘口が特徴。「蔵」で飲んだ地酒「天山」もまろやかで口あたりが良かった。女性にも飲みやすそう。といった感じで、佐賀グルメはかなりイケて他にない料理も多く、大きな魅力に感じた。

 驚かされたのは干しワラスボ。ワラスボとは“有明のエイリアン”と呼ばれるハゼ科の魚で、大きな口に牙が並び、まさに映画の『エイリアン』を思わせる。「ロマンシング佐賀」の公式サイトでも、モンスターキャラになって登場している。その口を開いて牙をむき出しのまま炙られたものが出たが、食べてみると噛みごたえがあって香ばしい。他にも、まじゃこの唐揚げ、いそぎんちゃく、ヒトデの塩ゆでといった見た目は怪しげな料理が、どれも美味、珍味。「ロマ佐賀」ラッピング列車を乗りに行くのなら、佐賀グルメも味わってくることを強くおすすめしたい。
(文:斉藤貴志)

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