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ロックからバラードまでLiSAワールドを凝縮した新作とは

2013年にリリースした前作『LANDSPACE』で、自己最高位となる週間アルバムランキング2位を獲得、年明けに日本武道館で2デイズライブを成功させるなど、アニソンの枠を越えて人気を拡大しているLiSAが、約1年半ぶりのアルバム『Launcher』をリリース。テレビアニメ『魔法科高校の劣等生』オープニングテーマ「Rising Hope」をはじめ、「シルシ」など人気アニメの楽曲と新曲を収録。攻撃的でありながら、LiSAの幅が格段に広がったことを感じさせる作品になった。

“一緒に走って行こう”という想いを前面に出した新作

  • アルバム『Launcher』【初回生産限定盤】

    アルバム『Launcher』【初回生産限定盤】

――まずタイトルの『Launcher』は、アーティスト写真で担いでいるロケットランチャーから来ているのですか?
LiSA そのランチャーでもあるし、パソコンでソフトを起動させるランチャーというアプリもあって。それで、何かを起動させる意味と、発射させるという両方の意味を込めて『Launcher』と付けました。

――このアルバムで、リスナーの何を起動させたり発射させたりしたいと?
LiSA 明日に踏み出せる勇気とか、明日もうちょっと頑張れる気持ちだったりとか、そういう前向きな気持ち的なものを、みんなの中で立ち上がらせることができたらと思っています。今まではやさしさとか愛情とか、みんなの隣に寄り添って歩いて行くイメージでアルバム制作をしていましたが、今回はそれを一気に加速させて、一緒に走って行こうよ!と、連れて行ってあげるイメージで制作しました。そういう意味でも、前回よりも“強い”という言葉が似合うアルバムになりました。

――そうした強さやロック色の濃い楽曲が中心にありながら、バラエティにも富んでいて、楽曲の振り幅がグンと広がった印象もありました。
LiSA 昨年は、LiSAの中の大きな要素であるロックの部分を前面に押し出した「Rising Hope」だけでなく、ミディアムテンポの「No More Time Machine」やバラードの「シルシ」など、バラエティに富んだ曲調のシングルを出させていただいたことで、LiSAという軸がより太さを増して、どんな曲調をやってもブレることはないと実感しました。軸が太くなったことで、おのずとじゃあこういうこともやれるだろうと、軸の周囲もさらに広がった感じですね。

――今作では、「Rising Hope」を手がけたUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんをはじめ、LiSAサウンドを支えてきた作家陣が多数参加していますね。
LiSA みなさん私のことをよく知っていただいている、信頼の置けるクリエーターさんばかりです。たとえば1曲目の「Mr.Launcher」は、突破力があってロックで分かりやすいもの、さらに言葉やメロディが届きやすいものをと考えて、4thシングル「traumerei」でもお世話になったHIDEO NEKOTAさんに作っていただきました。田淵さんには、他に「rapid lifeシンドローム」や「Bad Sweet Trap」を書いていただいています。「rapid lifeシンドローム」は、みんなの明日が始まるようなスタート感を持ったポップな曲がほしいと思って、それでいてライブで一つになれる曲がほしいとお願いして書いていただきました。

――他にアルバム『メカクシティレコーズ』が週間アルバムランキング1位に輝いた、じんさん作曲の「ANTIHERO」も収録。これは、アッパービートのギターロックで、じんさんらしい楽曲ですね。
LiSA じんさんは、私の武道館ライブを見て、ライブを意識して作ってくれたそうです。じんさんとは、彼の楽曲や作品にゲストで参加させていただいたことが何度かあって、今回は逆に私のフィールドにお招きした形です。確かにとてもじんさん色がある曲ですが、じんさんというとても強い色がやって来ても、私のピンク色(LiSAのイメージカラー)は、決してそれに染まることはないと自信があったので、ぜひにとお願いしました。

――そうしたロック色の強い曲が多いなかで、レトロゲームみたいな音作りの「エレクトリリカル」は異色だと思いました。歌詞にゲーム用語が出てくるなど、ユーモアもたっぷりある曲ですね。
LiSA この曲は、NHK『みんなのうた』で昔流れていた「コンピューターおばあちゃん」という曲にインスパイアを受けて、こういうアレンジにしていただきました。それこそこの曲は、LiSAという軸が太くなったことで、その周りももっと広げることができたことの象徴的な1曲だと思います。頭からずっとロック色が強いのに、11曲目の「エレクトリリカル」で、突然ゲーム音みたいな曲が流れてくるので、みんな「エ!?」って、ずっこけちゃうんじゃないかなって思います(笑)。でも、そういう風に期待を裏切りつつも、それは決して「やっちまったなコイツ」ではなく、「アイツやってくれたよ!」って、みんながワクワクするような期待の裏切り方をしたかったんです。それを見て、ケッケッケッと八重歯を見せながら笑っているのが、すごく私らしいと思うんです。

焦らず、今日も良い1日だったと言える日を積み重ねて行こうと思う

  • アルバム『Launcher』【通常盤】

    アルバム『Launcher』【通常盤】

――また、アコースティックロック調の「君にピエロ」は、LiSAさん自身の作詞作曲ですね。
LiSA そもそも私は、材料は私が揃えたとしても、プロフェッショナルな方が作ってくださるお料理が好きなんです。なので、絶対に自分が歌詞や曲を書かなくちゃ!みたいな意識があまりなくて。だから、曲は作曲家さんに頼んでいます。歌詞に関しては、私自身の愛情や言葉の方がより伝わる場合があるので、そういうときは書きますし、それはお母さんが作る愛情たっぷりのお弁当みたいなものだと思っています。今回曲をすべて並べたとき、私の手料理も1つくらいあったほうが、もっと愛情が伝わるだろうと思って作詞作曲しました。

――でも、どうしてピエロのことを歌おうと?
LiSA ピエロって、面白いメイクをしたり、わざと転んだり、人を楽しませることに徹底していて。それは、私自身もそうだなと思ったんです。私だって落ち込むときや悲しいときがあるし、何ならブログを書きたくないときだってあります。それでも毎日欠かさずブログを書くのは、読んだ人が楽しいと思ってくれたりとか、誰かの力になれていることがうれしいからです。そういう誰かやみんなの存在が、私の原動力になっていることを伝えたくて書きました。少しでも私の気持ちが伝わったらうれしいです。

――そんな誰かやみんなと直接向き合えるのがライブですが、4月29日から全国ツアーがスタート。1月に武道館2デイズをやったあとのツアーで、スタンディングのライブハウスツアーになるわけですが。
LiSA 武道館のあとにライブハウスをやることに、とても意味を感じていますね。武道館は、今までライブハウスで育てて来た子ども(曲)たちを成人させるイメージでした。曲ごとに演出を考え、晴れ着を着せて、盛大な成人式をやったみたいな。今回のツアーでメインになる『Launcher』の子ども(曲)たちも、そうやってライブハウスからファンのみんなと一緒に育てていけたらと思っています。みんなとどんな風に育てていけるのか、とても楽しみにしています。

――また、現在はお台場・東京ジョイポリスとのコラボイベント、『JOYPOLiSA』を開催中(4月5日まで)ですが、今後はどんな風に活動を広げていきたいですか?
LiSA 正直、このアルバムで表現した以上のことがやれる気がしません(苦笑)。つまり、それだけ今やりたいことや、今やれることをすべて詰め込んだということ。毎回アルバムを作ったあとは、もうこれ以上のものは作れないという気持ちになるんです。武道館の1日目が終わったときも、もう明日はこれ以上のライブはできないと思いました。でも、いざ2日目のライブが始まったらすごく楽しくて、1日目以上のライブができたと思ったんです。だからきっと、人生いつもそんなものだろうと思っていて。目の前にある今日1日を大切にしながら生きていけば、きっと新たに伝えたいことや、やってみたいことが出てくるだろうと思います。だから、そんなに焦らずに、今日も良い1日だったと言える日を積み重ねて行こうと思っています。

(文:榑林史章)
LiSA オフィシャルサイト(外部サイト)
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