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BEYOND2020『伝統と最先端の融合、歌舞伎座(東京・東銀座)』

 日本が世界に誇る建築家・隈研吾氏が手がけた五代目歌舞伎座。四代目に似たファザードのいわゆる歌舞伎座と、奥に見える地上29階のオフィスビル「歌舞伎座タワー」が一体となった複合施設なのだが、遠目には偶然並んでいるようにしか見えない。

 またこの異質な組み合わせに対し、計画当初は危惧する関係者も多かったそうだ。曰く、「高層ビルの存在感に押され、歌舞伎座がかすんで見えるのではないか?」と。その不安に隈氏は、歌舞伎座の屋根がいかに偉大であるかを説き、絶対にかすむことはないと説明したと言う。確かに晴海通りを歩きながら見上げる歌舞伎座は、威風堂々の姿と、何より屋根の存在感が勝り、高層ビルがほとんど気にならない。

 もう1つ特筆すべきは、この施設が劇場部分をすっぽりビルの下に潜り込ませていることだろう。劇場の、特に舞台上に柱などあってはならない。つまり空洞であるにもかかわらず、その上に20階以上の建物を載せてしまったのだ。建物を支える柱は舞台を挟んで両側にあり、そこにメガトラスと呼ばれる橋のようなものを渡して、ビルの重さを受け止めるという、アクロバティックな発想だ。

 伝統芸能の聖地が、国内最高峰の省エネ技術を誇る最先端ビルを支える。全国民が注目したこのプロジェクトを通して、隈氏は伝統と最先端の融合という、日本が進むべき方向を指し示したように思える。

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