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(更新: ORICON NEWS

黒木華インタビュー『“何色にも染まることが出来る女優”の内側』

全身で土を表現!? 恩師・野田秀樹の教え

――現在、『オールフリー』のCMを筆頭に、現在公開中の映画『繕い裁つ人』、4月からは新ドラマ『天皇の料理番』など立て続けに話題作に出演されていて、“自由”を感じる瞬間も少ないのかなって。
黒木いえいえ。ちょこちょこ休みを頂いているので、自由な時間に映画を観たり。

――黒木さんと言えば、現在、様々な監督や演出家が共に仕事をしたいと熱望する女優です。そもそも、高校時代から演劇部に所属されていて、野田秀樹さんのワークショップに参加したのがきっかけで、女優として活動を始めたんですよね? その際に野田さんから「全身で“土”を表現しろ」という課題が出たと聞いたことがあるんですけど。
黒木あ、 ありました(笑)。

――ちょっと常人には理解しがたい課題ですが(笑)、どのように全身で“土”を表現されたんですか?
黒木そうですね……とにかく無我夢中だったので自分がどんな風に“土”を表現したかは覚えていないんですけど、凄く楽しかったことは忘れられません。知らないことをたくさん知ることが出来ましたし、経験することが出来たから。野田さんから直に教えていただくことが出来たことも、本当に自分の経験値として貴重な時間でした。

――苦しいではなく、楽しかったというのは素晴らしいですね。
黒木ホントに楽しかったんです。「全身で土って……なんだろう?」って(笑)。その発想に驚かされましたし、自然と想像力を培われたと思います。

――そこからすぐに、野田さんの舞台に出演されたんですよね。しかも、いきなり宮沢りえさんや古田新太さんらそうそうたる面々と同じ舞台に立った。考えただけで胃がキリキリしますけど。
黒木そうですね(笑)。でも、それも凄く楽しかったんです。とても幸せでした。 今まで画面でしか観たことがない方と同じ空間にいて一緒にクリエイションしていくことが幸せ過ぎて。ホントに現実世界なのかな?って思ってました。

――この時間がずっと続けばいいのにと?
黒木はい! その時、初めて女優という感覚に、ほんの少しだけ触れることが出来た瞬間だったと思います。夢だったものが見えるモノとして実感出来たといいますか。

私の高校時代は、“負けの連続”でした

――実は先日、『幕が上がる』(2月28日公開)の予告篇を観たんですけど、黒木さんは元高校演劇界のカリスマの美術教師として、演劇部の生徒たちに山積みにされた灰皿を投げつけるという役で。
黒木はい(笑)。

――あれは蜷川幸雄さんを代表とする演劇界の厳しさを過剰に具現化したシーンですけど、実際にあのような厳しい現場を経験されたことってあるんですか(笑)。
黒木ないです、ないです!! あんなシーンを実際に観たことはないです(笑)。でも、高校の演劇部が舞台というには、まさに私の青春時代そのものなんです。ただ、私の場合は“高校演劇のカリスマ”などではなく、常に負けの連続でしたけど……。

――そうなんですか! てっきりエリートだと思っていました。
黒木全然です! 地べたを這いつくばってきましたから(笑)。普通なんです、私って。

一同爆笑

――でも、普通だからこそどんな役にも対応出来るんでしょうね。野田秀樹さんが以前、黒木さんを「何色にも染まることが出来る女優」と仰っていましたが。
黒木それは本当に嬉しくて……。今後、私がどんなに年齢を重ねて経験を積んでも、その言葉に応えられるような女優でいたいなとは思っています。

自分の演技に自信が持てない、どうしても反省点の方が…

――昨年は山田洋二監督の『小さいおうち』に出演し、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)受賞という快挙を成し遂げられましたけど、周囲の見る目の変化を感じますか?
黒木うーん……あまり感じないです。もちろん祝福はして頂いたんですけど、ごく近しい人は常に私個人を見てくれていて、変化はないですね(笑)。フラットに接してくれることで、頂いた賞がプレッシャーにならず(笑)私が私でいられる場所を提供してくれているので凄くありがたいです。ですから、もっと頑張らなくちゃって! 逆に家に帰って反省することの方が多いので。

――とっても良い環境なんですね。過信するヒマがないといいますか。
黒木過信するところが無いというか。逆に「もうちょっと自信持って!」と言われるときもあります。でも、自信なんて持てないから「いや〜」って(笑)。

――なんか、やっぱり黒木華って凄い女優さんですね(笑)。ご自身は謙遜されてますけど、先ほどの野田さんの「何色にも染まることが出来る女優」という表現のほかに、山田洋二監督は「日本一、割烹着の似合う女優」と黒木さんを評してます。さらに、岩井俊二監督は「文学的な香りがする稀有な女優」とも。
黒木凄く嬉しいです。改めて女優になれてよかったなって思いますし、野田さんのオーディションに参加してよかったって。

――2015年も出演される映画、ドラマ、CMが目白押しですけど、現時点で黒木華の女優としての到達点はどこにあると考えていますか?
黒木そうですね……(熟考)。到達点はおそらく無いと思います。自分の演技を振り返ると、どうしても反省点の方が多く見えてしまうし、満足感もそこまで得られないんです。でも、自分が出演したことで、監督や演出して下さる方、そして観ていただくお客さんが楽しんでくれれば、それが一番の幸せなんだなぁって思います。私自身も「やったね!」とか「頑張ったな!」って思いたいんですけど、それを実感するのはまだまだ先だと思います(笑)。

桐島かれんが明かす“愛娘”黒木華の魅力

――現在放送中の『サントリー オールフリー』の新CMで、黒木華さんと共演した感想をお聞かせください。
桐島かれん自由に人生を楽しむ母娘像が新CMでは描かれているのですが、気ままに人生を謳歌する母親の誘いに付き合ってくれる黒木さんの表情がとても可愛かったです。

――CMで演じた自由な母親像、また母娘の関係について
桐島今回のCMの母親像は、私が普段プライベートで過ごしている素の姿に重なり合って、とても演技しやすかったです。自分の娘とも、自由な母娘関係が築けていると思っているのですが、ずっとこんな関係を築けて行けたら、「人生って本当にいいな。」ともっと思えるような気がします。

『サントリー オールフリー』公式サイト(外部サイト)

【動画】『母と空とワタシ/ 春』篇

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