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2015年も“アイドルブーム”は継続するのか?

 2014年の年間シングルランキングでは、AKB48がTOP5を独占した。1位の「ラブラドール・レトリバー」(178.7万枚)を始め、すべてがミリオンセールスを記録。さらに8、10、11位と“公式ライバル”である乃木坂46が名を連ね、TOP20では13曲を女性アイドルが占めた。AKB48の年間1位は5年連続で、それに引っ張られるように多くのアイドルグループが活躍する状況が続いている。果たして、このアイドルブームは2015年以降も継続していくのだろうか?

アイドルブーム、過半数以上が「継続する」と回答

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    2015年も“アイドルブーム”は継続するのか?

 今回、10代から50代の男女を対象に、『2015年も“アイドルブーム”が継続するか?』という調査を実施。その結果、【継続する】が54.1%、【継続しない】が45.9%と、アイドルブームは続くとの見方が過半数をやや上回った。世代別で見ると、【継続しない】が多かったのは10代男性(59.3%)と20代女性(51%)、50代女性(53%)のみ。他はすべて【継続する】が上回っている。そのほとんどが僅差だが、70〜80年代のアイドルブームを経験した50代男性は66%が【継続する】と答えている。

 【継続する】の主なコメントには、「アイドルグループは、思いのほか万人受けするから」(東京都/20代/男性)、「音楽業界でこれ以上稼げるモノが出てくるまではブームは終えられない」(埼玉県/40代/男性)、「何かしら現実逃避する対象が求められていると思う」(東京都/20代/女性)といった、アイドルの存在意義を理由にしたものが多い。また、「まだまだ新しいアイドルグループができると思うし、新たにブレイクするグループも出てくると思う」(長野県/10代/女性)など、新鋭に期待する声も。例えば、AKB48の「希望的リフレイン」が1位となった2014/12/8付けランキングでは、4位に東京パフォーマンスドール、5位にベイビーレイズ、6位にでんぱ組.inc、8位に愛乙女★DOLL、9位にアフィリア・サーガが名を連ねていたりと、AKBを追随するグループの躍進も見逃せない。

 一方、【継続しない】としたコメントでは、大別すると2つの理由が挙がっている。ひとつは「もう飽きた。どれも同じように見える」(兵庫県/40代/女性)、「乱立した後、好みが細分化され、ブームと言われるほどには盛り上がらなくなると思う」(神奈川県/40代/女性)など、グループの飽和状態から“飽き”を指摘するもの。もうひとつは「ブームは必ず落ち着くもの」(茨城県/30代/男性)、「一過性のものには終わりがくる」(大阪府/20代/男性)など、ブームの周期を根拠とするものだった。

テレビだけに頼らない現在のアイドルたちの強み

 ブームが続くかどうかを考える前に、まず事実としてあるのが、AKB48が「RIVER」で初の1位を獲得した2009年から、すでに5年が経つこと。25作連続1位、19作連続ミリオンを継続中で、最新シングル「希望的リフレイン」も初動113万枚と、いまだ下降カーブにも入っていない。毎年「もう終わる」と言われながら、エンタテインメント系でこれだけ長く続いた“ブーム”は過去に例がない。では、いったい何が違うのか?

 これまでのブームはほとんどがテレビに大きく依存してきた。そこで消費されたら、ブームも終わり。だが、AKB48はもともと「会いに行けるアイドル」がコンセプト。結成から9年、全国で握手会を行い、莫大な数のファンと直接触れ合ってきた。数秒の握手でも、心の掴まれ方はメディア越しとは段違い。この積み重ねが今、AKB48の強固な地盤となり、他のアイドルグループも追随するように握手会を基本に据える。テレビ主導でないブームは根強い。AKB48の番組が低視聴率で「ブームに陰り」と報じられることもあるが、実はそこは本質でない。

 そして、ブームの終わり方はひと通りではない。終わった後は跡形も残らないブームもあれば、ブームは過ぎても定着することもある。たとえば、お笑いは今、“ブーム”ではないが、テレビでもライブでも多くの芸人が当たり前のように活躍している。THE MANZAI、ボキャブラ、ネタ番組などいくつかのブームを経て、文化として定着した。現在のアイドルグループのブームを見ると、アイドルが世に定着する一歩手前のように感じられる。

宝塚のようなスターの継続的な輩出が今後の課題

 そういう意味で昨年、興味深かったのがモーニング娘。’14の“復活”だ。前年から5作連続シングル1位と、全盛期にもなかった記録を達成した。もちろんメンバーは完全に入れ替わっているが、たびたび解散を噂されながら、継続してきたことが実を結んだ。“低迷”と言われていた時期も、実はライブパフォーマンスが評判になり、ブームに左右されない根強いファンを付けていた。

 メンバーの卒業と加入を繰り返しながらグループは続く形の、長期的な理想は宝塚だろう。宝塚もまた定着した文化。メンバーが多く常設劇場を拠点にする48グループは、より宝塚的なものに向かう気がする。アイドル界全体もそうなれば理想的。カギとなるのが、スターの継続的な輩出だ。スターが活躍→そのスターに憧れて新たなスターが生まれる。このサイクルが確立されるかどうか。

 2014年は大島優子(AKB48)、道重さゆみ(モーニング娘。’14)を始め、グループのエースやリーダーの卒業が相次いだ。Berryz工房の無期限活動停止、そして、高橋みなみ(AKB48)の卒業も発表された。一方、宮脇咲良(HKT48/AKB48)など次世代メンバーが相次ぎセンターに抜擢されたり、「1000年に一度の逸材」と呼ばれる橋本環奈(Rev. from DVL)が人気を呼んだりと、世代交代の波が顕著になった。2015年はアイドルがひとつのブームで終わるか、定着するかの岐路になりそうだ。

(文:斉藤貴志)

【調査概要】
調査時期:2014年11月19日(水)〜11月25日(火)
調査対象:合計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代〜50代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査

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