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ORICON NEWS
杉咲花『引き出しから出したいものがある』
新しいものを発見できた年でした
杉咲 新しいものを発見できた年でした。
――“新しいもの”というのは?
杉咲 映画という、新しい世界を知ることができました。それまで私はドラマが好きで、大好きなドラマに出ていた志田未来さんに憧れて、志田さんがいる今の事務所のオーディションを受けたんです。これまでにもドラマの映画化という形で、映画の現場に参加させていただいたことはありましたが、昨年公開された『イン・ザ・ヒーロー』という作品が、初めての本格的な映画出演になりました。並行して、1月31日から公開される『繕い裁つ人』という映画も撮っていたのですが、この2本で映画の良さを知りました。
――ずばり、映画の良さとは?
杉咲 時間をかけて、ワンシーン、ワンシーンを大事に撮っていくことです。本当にお芝居が好きだから、そういう環境がすごく嬉しくて。映画の現場っていいなあと思いました。自分の体を通して、映画の良さがわかったというのか、それからどんどん興味が沸いてきて、もっと映画に出たい、もっと映画について知りたいと思うようになり、映画を観る機会も増えました。
――表現の場所が広がったことで、お芝居に対する意識にも変化はありましたか?
杉咲 一つひとつのシーンをもっと大事にしたいと思うようになりました。初夏に公開予定の『愛を積むひと』という映画では、1年をかけて、北海道の大自然と美しい四季の移ろいのなかで撮影が行われました。実際に家を建てて、完成していく撮影風景にはすごく感動しました。まだ詳しくお話できないんですが、昨年の夏に撮った映画も、女優として気づいたこと、学んだことがたくさんあって、私にとって忘れられない作品になりました。早くみなさんに報告したいです(笑)。
要らない緊張がなくなればいいな
杉咲 まずは映画『繕い裁つ人』、1月からのレギュラー出演する連続ドラマ『学校のカイダン』(日本テレビ系)を、みなさまに無事に届けられるよう、がんばります。
――以前「女優としての引き出しをもっと増やしたい」と発言していましたが、具体的にはどんなアイテムを足したいと考えていますか?
杉咲 ……実は引き出しに入れるより、引き出しから出したいものがあるんです。
――おぉっ、一体何を?
杉咲 すごく緊張するので、いい緊張感は必要だと思うけど、恥ずかしさとか、要らない緊張がなくなればいいなあって。
――堂々としたお芝居からは、想像もつきませんが? お芝居をしているときは、緊張しないとか?
杉咲 例えばドラマ『夜行観覧車』(2013年/TBS系)では、暴れるシーンの多い役を演じましたが、感情が一気に爆発するような役だと“もうどうにでもなれ!”と思えて。そういう心境で演じると緊張とかもないんです。でも明るい元気な女の子の役だと、どうやって気持ちを上げていけばいいんだろう? という恥ずかしさがあって。リハーサルとか、本読みとかが少し苦手なんです。たくさん人がいるし、私服だし、座ってお芝居するし……。それを克服したいです。
――きっとそのナイーブさが、役にキラキラとした輝きを与えているんでしょうね。プライベートでは今年、挑戦したいことなどありますか?
杉咲 えぇっ、仕事以外では何だろう? ……ちょっと思い当たらないですね。仕事にもつながっているのかも知れないですけど、音楽を聴いたり、映画やドラマを観たり、写真を撮ったり。そんな自分の好きなことをずっと続けていきたいと思っています。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:鈴木一なり)
繕い裁つ人
監督:三島有紀子
出演:中谷美紀 三浦貴大 片桐はいり 黒木華 杉咲花 中尾ミエ 伊武雅刀 余貴美子
1月31日(土)全国順次ロードショー
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(C)2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会