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リアリティショー初の映画化『テラスハウス』 テレビと映画の違いは?

バラエティ番組放映時から何かと話題になり、出演者はのちにメディアで常に注目を集める人気者になっていた『テラスハウス』(フジテレビ系)。その映画化のニュースは賛否を巻き起こしていたが、リアリティショーである同番組の映画化作品は、これまでのバラエティの映画化とは異なる作品に仕上がっている。バラエティ映画化の流れと、同作のテレビと映画版の違いとは?

◆バラエティ番組発の映画化企画の流れ

 2012年10月から2年間、海の見えるオシャレなシェアハウスで共同生活を送る男女6人の“リアル”を映して話題を集めたテレビ番組『テラスハウス』。その後を撮影した映画『テラスハウス クロージング・ドア』が2月14日から公開される。

 毎週金曜午後11時からという遅い時間帯の放送でありながら、最高視聴率は9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。人気の理由は、総勢22名の若者たちの恋愛模様を眺めつつ、視聴者の気持ちを代弁するように絶妙にツッコミを入れる、スタジオでの掛け合いのおもしろさにあった。YOU、トリンドル玲奈、アジアンの馬場園梓、南海キャンディーズの山里亮太、チュートリアルの徳井義実、三代目J Soul Brothersの登坂広臣の計6人が展開する赤裸々トークには、若者たちのリア充ライフ以上にハマったファンも少なくないだろう。そういう意味では、コメディ色の強いトークバラエティ番組とも言える。

 ドラマからではなく、バラエティ番組発の映画化といえば、過去に『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)から誕生した、全編インドロケ映画『ナトゥ踊る! ニンジャ伝説』(2000年)や『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)から生まれた『矢島美容室 THE MOVIE〜夢をつかまネバダ〜』(2010年)などがあった。

 昨年は、ゲームバラエティ番組『ゲームセンターCX』(フジテレビCS)の番組10周年、ファミコン30周年の節目を記念した映画『ゲームセンターCX THE MOVIE』が公開。また、『ゴッドタン』(テレビ東京系)の名物企画「キス我慢選手権」から生まれた『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』(2013年)はスマッシュヒットし、シリーズ第2弾『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ』(2014年)も生まれた。

 もともとは番組のキャラクターを主人公にした新たな物語やアナザーストーリーとして映画化されていたが、ここ最近では番組企画に脚色を加えながら物語性を作り出しつつ、テレビとしても成立する、内容的にオリジナルに近いままスクリーンに持ってくる作品も登場している。しかし、今回の『テラスハウス』に関しては、後者に近いようだが、それとも異なる作品に仕上がっている。

◆『テラハ』映画版がテレビと一線を画する2つのポイント

 ドラマ以上に長い歳月をともにして、番組を作り上げてきたスタッフ、キャストが一丸となり、作り上げる映画となれば、映画ならではのスケールアップ感に期待が高まるというもの。『テラスハウス クロージング・ドア』については、先日放送された『テラスハウス、プレイバック……映画公開記念! 真夜中のてっちゃんSP』(フジテレビ系)番組内で、YOUと山里が「『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(“後味の悪い映画”としてよく名前が上がる、ラース・フォン・トリアー監督作のデンマーク映画)以来の衝撃!」という意味深なコメントとともに「興収10億円!」を目標に掲げた。

 映画版『テラスハウス』には、テレビ版とも従来のバラエティ番組とも一線を画する2つのポイントがある。そのひとつは、台本が用意されていない“リアリティショー”仕立ての側面が強いこと。つまり『テラスハウス クロージング・ドア』は、日本初のリアリティショー番組発の映画化でもあり、今回の映画化では、そのニュアンスが強い印象を受ける。例えば映画では、テレビ版とは異なり、VTRの再生中には副音声によるスタジオからの実況中継を入れず、途中で画面ごとスタジオに切り替え、おなじみのスタジオメンバーの忌憚のないトークを繰り広げていくスタイルが取られている。テラスハウスとスタジオをはっきりと区切ることで、スタジオメンバーは、より客席に近い、客観的なポジションに立つ。彼らのテレビ時代のネタを盛り込んだ、愛のある指摘が、狭い家のなかで混戦し、ヒートアップしていく恋愛模様の状況整理と箸休めにも、一役買っている。

 ポイントの2つめは、新たな出演者のポジション。今回のメンバーは、番組開始時から『テラスハウス』で暮らし続ける“テラハの寅さん”こと俳優の菅谷哲也、会社員でグラビアアイドルの松川佑依子ほか6人。このなかで、テレビ時代にも出演していた、モデル志望の島袋聖南や、映画化に合わせてムック本を出版する、編集者・小田部仁の存在は、『テラハ』ヒストリーを辿っていく役割も担っている。とくに小田は、ムック本の取材という形で、歴代メンバーたちを巧みに巻き込みつつ『テラハ』における青春と恋の変遷を簡単におさらいすることで、テレビ番組を見逃したビギナーにも、映画をより楽しめる構成にする。

 図らずも今回もまた、ラブバトルに参戦することになる歴代メンバーの今井洋介や、スタジオでYOUや馬場園が萌えトークに花を咲かせた、史上最年少メンバーの吉野圭佑、山里から“悪女”の称号を与えられた松川の恋愛モンスターっぷり、そしてスタジオメンバーがずっと見守ってきた、てっちゃんの恋の行方は……? 今回も見どころ(ツッコミどころ)は満載だ。彼らがリアルな青春を駆け抜けて、『テラスハウス』から卒業する姿が、劇場で映し出される。

新メンバー・松川佑依子が姿を見せた最新映像

【予告 60秒】『テラスハウス クロージング・ドア』

2012年10月〜2014年9月まで放送された恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系/全98話)が、『テラスハウス クロージング・ドア』として映画化される。番組のラストは、2年間テラスハウスに住み続けた菅谷哲也(てっちゃん)が、家を出ていこうとするところで終わるが、劇場版ではてっちゃんと新たな住人たち、そして卒業したメンバーたちの本当の“ラスト”へと続くその後の日々を映し出す。そんな同作の特報と予告映像が解禁された! 劇場公開は2月14日。
 海の見えるシェアハウスに暮らす男女6人の日々を記録した同番組は、スタート以来、総勢22人の若者が2年間の台本のない日々を駆け抜け、23時台では異例の最高視聴率9.1%(2014年3月31日)を記録。番組YouTube公式チャンネルのトータル再生回数は2億回(2014年12月8日現在)を超えるなど驚異的な人気を得ていた。また、関連商品のサントラCDは3作品合計で25万枚以上の売上となり、大きな話題になりながらも9月に番組は終了。

 そんななか、番組の続きがスクリーンで上映されることが決定した。劇場版で描かれるのは、てっちゃんと新たな住人、卒業したメンバーたちによる“ラストデイズ”。予告編は、テラスハウスのドアを開け「えっ」とリアクションするてっちゃんから始まる。「オレ出るんですよ」という言葉に、「でも、テラスハウスは終わらないみたいで」と意味深な発言をする女の子。一方、「テラスハウスに住んでんの今」という話を聞き「マジ〜」と驚く今井華や筧美和子。キッチンで料理を作るてっちゃんの隣には、新たな住人が……。

 そんな劇場版には、テラスハウス“オールスターズ”が再び登場。今井洋介は「新入り2人が可愛くて」と波乱の予感。また、島袋聖南からは「私、テラスハウスに行きたいんだ」という衝撃的なコメントも飛びだす。てっちゃんの“最後の恋”をはじめ、新たな住人たちのテラスハウス・ニューストーリーが映し出されていく。
 太田大プロデューサーと松本彩夏プロデューサーは、今回の企画について「2年かかって、ゴールを見つけていない男が1人いました。『テラスハウスで、やりのこしたことは“卒業”』。番組開始当初から最後まで唯一テラスハウスで暮らし続けた菅谷哲也の、このひと言で、その続きを描くことに思い至りました。『テラスハウス クロージング・ドア』は、哲ちゃんがあの扉を開けてから“卒業”までの日々を、相変わらず、ただただ記録したものです」と明かす。

 また、“最後の物語”でテレビからスクリーンに舞台を移したことには「『テラスハウス』は恋人や友人はもちろん、または見ず知らずの人とSNSなどで互いの感想をシェアしながら観ることができる番組でした。でも、最後の最後は、劇場という閉ざされた場所で、大切な人とともに、または『テラスハウス』を好きでいてくださる方々同士で、同じ時間と空間で想いをシェアしていただきたいと願い、映画という形にさせていただきました」とコメントしている。

<<出演者プロフィール>>
菅谷哲也(すがや てつや)
1993年7月28日生まれ。千葉県旭市出身。
B型。俳優。テラスハウ放送開始から終了まで暮し続けた唯一のメンバー。
テラスハウ入居期間:2012年10月〜

島袋聖南(しまぶくろ せいな)
1987年4月4日生まれ。沖縄県名護市出身。
O型。アルバイト伊東大輝(2014年7〜9月に入居)と交際中。
テラスハウ入居期間:2012年10月〜2013年5月/2014年1月〜

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