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(更新: ORICON NEWS

【大学探検シリーズVol.7】「カワイイ!」が海外に進出してるってホント!?

日本には、きゃりーぱみゅぱみゅを始めとするファッションからアニメやマンガなどのオタク系ジャンルまで「カワイイ文化」があふれている。そんな和製ポップカルチャー&サブカルチャーの人気は国内にとどまらず世界に広がってる、って知ってた? もちろん、中国も例外じゃない。いったいどんなことになっているのか、その実態に迫ってみた!

中国では日本文化がステイタス?

日本の女性ファッション誌も中国で大人気! 左から中国で展開されている『mina』と、『Ray』の中国版『瑞麗服飾美容』

日本の女性ファッション誌も中国で大人気! 左から中国で展開されている『mina』と、『Ray』の中国版『瑞麗服飾美容』

 中国によくある街角のキオスク。そこでは、日本のアニメの雑誌や人気コミックが、中国の雑誌にまじって、ごくふつうに売られている。もちろん中味は中国語だけど、最新刊がタイムラグほとんどなしで入手可能。文具やグッズにも、日本のキャラクターがいっぱい。「クレヨンしんちゃん」が胸いっぱいに描かれたTシャツを大人(!)が着ていることもある。

 日本のアニメはグローバルスタンダードで、中国も例外ではない、ということだけど、アニメだけじゃない。日本で、中国から来た観光客が日本の有名メーカーの化粧品を山ほど買っている、とか、空港で炊飯器を4つも5つも託送している、といった光景もよく見られる。日本のモノを持っていることは、ひとつのステイタスになるようだ。

 まあ、考えてみれば何の不思議もない。中国と日本はこんな距離が近くて、人とモノが盛んに行き来している。中国には、むかしから「海の向こうに夢の国がある」という伝説もあったし、それに、いままで「日本に追いつけ!」でやってきたから、日本への憧れも強い。日本のアイドルが中国に行って、過剰な熱狂に迎えられてコンサート中止になったこともある。中国の多くの人たち、とくに若者は、いいものはいい、面白いものは面白いと素直に楽しむ。中国には「クールジャパン」ファンがじつはたくさんいるのだ。

「マジ、ヤバイ、カワイイ! 大丈夫で〜す」が、中国で飛び交うかも?

 だから、当然「カワイイ」文化もしっかり伝わっている。昔は中国大陸や朝鮮半島から日本列島に、漢字や稲作、お茶などが伝わってきたが、今は逆ルートってこと? 追手門学院大学の松家裕子教授(国際教養学部アジア学科)に尋ねてみると「ちょっとむかしのことですが、たとえば日本でルーズソックスが流行ると、まず台湾へ、そして香港、上海へと広がりました。若い人たちが髪を染めているのも、そのルートで伝わったんでしょう。都会に住む若者には、経済的に豊かになって、日本と同じようなライフスタイルで暮らす人が多くなっています。若い人たちにとっては、触れることさえできれば受け入れは簡単なんですね」と語る。

 中国では「先生」と生徒・学生とは、日本よりもっと距離があった、はず。それが、最近では大学院生が80歳をすぎた学界の偉い教授のことを、「カワイイ!」って言ったりしているそう。そういえば少し前、日本では女子たちがなんでも「カワイイ」って言ってたかも…。『カワイイ』がどこまで浸透しているのか、興味シンシンです。
  • 中国のカワイイグッズを身につけてハイ!ポーズの永吉先生と松家先生

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 なんとなく使っているこうしたことば。だけど、その意味はナカナカに深い。「カワイイ」には、人間の上下関係をなくしてしまう力がある、とある人が言っている。「たしかに『カワイイ』は対象を無毒化できてとても便利。でも、なんでも『カワイイ』と言ってしまうと、対象と真剣に向きあうことを避けることにつながる。最近若い人たちがよく使う『大丈夫です』も、そういう意味では『カワイイ』に似ているかもしれない。ほんとうに何かと正面からぶつからないといけなくなったときに、どうしたらいいかわからなくなって、暴力など安易な方法に流れてしまったりしないか、心配になることもあります」と松家教授。

 日本文化が専門の永吉雅夫教授(国際教養学部アジア学科)は、「村上春樹の作品もそう。多用されるセリフ『やれやれ』に象徴されるような、脱力しながら時間に流されて生きる主人公がウケている。激しく自己主張してぶつかることを避け、曖昧に表現する日本の風潮が、世界に広がっているのかもしれません」。

 ちなみにそんな永吉先生は、松家先生から「この前、女子学生からカワイイって言われてましたよね」と指摘され、頬染めてタジタジに。中国で若者が「先生、ヤバイ!」「大丈夫で〜す」と言いだす日も近いかもしれない。

探れば探るほど面白い、アジアと日本の文化を学ぶ

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 アジアと日本の文化。こんなカジュアルなきっかけでも、知的好奇心がくすぐられるのはたまらない。追手門学院大学の国際教養学部アジア学科では、アジアの歴史・文化がじっくりと学べ、お茶目な永吉先生や松家先生から興味深いお話がたっぷり聴ける。さらにフィールドワークで北京や韓国、マレーシアやシンガポールなどの現地に赴き、自分で決めたテーマをレポートにして仕上げる授業も。卒論のテーマに人気アイドルグループや「華流」などアジアのサブカルチャーを選ぶ学生も少なくない。「かっこよけりゃいい」、ただそれだけの純粋な気持ちが、学びのエネルギーにかわっていく。何かに熱くなった若者たちの心に国境はないのだ。

■追手門学院大学

 1966年、大阪北部に誕生し、文系の総合高等教育機関として5学部8学科、学生数6500人を擁する総合大学・大学院。これまでに4万人を超える社会有為の人材を世に送り出している。学部を超えた共通プログラムとして「基盤教育機構」「グローバルキャリアコース」のほか、2014年度からは「スポーツキャリアコース」をスタート。

 2015年度からは「地域創造学部」を新設、全6学部となり、多様なプログラムを実践。常に新たな教育の在り方を、時代に合った人材育成を模索し、実現している。2016年、大学創立50周年を迎える。

追手門学院大学
〒567-8502 大阪府茨木市西安威2-1-15
広報課:072-641-9590

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