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aiko『全身全霊を傾けて制作した、2年3ヶ月ぶりアルバムが完成!』

前作『BABY』から2年3ヶ月。ついにaikoの10作目のオリジナルアルバム『時のシルエット』が完成した。それは人と人が出会って生まれる様々な感情が1曲1曲に表現された1枚。aikoならではの心揺さぶる楽曲が揃ったアルバムになっている。

新しいことをいっぱいレコ―ディングでやらさせてもらった

――2年3ヶ月ぶりのアルバムですね。それだけに充実の内容で、すごく聴き応えがありました。曲調のバラエティさはもちろんなんですけど、1曲1曲に表現された感情も、いろんな瞬間を切り取っているなって。
aikoありがとうございます。ずっとアルバムを作っていると、すごいことをさせてもらっているなって、やればやるほど思うんですよ。だからこそ、曲も書けば書くほど、もっとまとっていたものを取り払って書かないと、今の自分をちゃんと表現できていない気になる。だから、今回は1曲1曲本当にギリギリのなかで作っていきましたし、今までのアルバムよりも新しいことをいっぱいレコ―ディングでやらさせてもらった気がしていますね。

――例えば、それはどんなことですか?
aiko今回は今までずっと使っていたスタジオが閉鎖されたこともあって、新しいスタジオで歌入れをした曲もありました。いつもと違う場所だからドキドキもしたんですけど、逆にチャレンジするんだっていう気持ちにもなれた。だから、新しいこともできたんだと思います。レコ―ディングってCDとして残るものなので、やっぱり正確な音程とかをどこかで気にしちゃうんですね。でも、そういうのを全く気にしなくていいから、ライブみたいに歌ってと言われて、やってみた曲もありました。あと、今回のアルバムはすごく鍵盤を使ってみてる。アレンジャーさんがピアニストだからなのもあるんですけど、その本人でさえも、ちょっと重ね過ぎじゃないですか?って心配するくらい(笑)。でも、そうすることでまた世界が変わるので、それが今のモードだったんだと思いますね。

――今“まとっていたものを取り払って書いた”とおっしゃっていましたが、実際曲ごとに一瞬一瞬の素直な感情を切り取っている印象。しかも、それがすごく鮮やかですよね。
aiko私は、もしもこんなことが起こってしまったら……って考えがちな人間なんですけど、今回は震災とかもあったりしたので、人と出会えることや明日が来ることは奇跡的なことなんやから、1分1秒って大事なんやなって余計思うようになったんです。だから、そういう言葉がたくさんアルバムにも集まったんやろうなって思いました。

やっぱり歌がないとダメだと思った

――出会うことは素晴らしいし、例えその後別れることになったとしても、出会ったという事実やその人との思い出は、ずっと自分のなかに残り続けるわけですもんね。
aikoそうなんです。だから、そういう気持ちを大事にしたいなって思うんですよ。私、そんなに写真は撮らないんですね。日記とかも書かへんし、あまりモノとして残さない。でも、私は歌詞に残すことができるので、よりリアルに覚えていることを書こうと思ったし、特に最近はそういうふうにしないと言葉が出て来なかったんです。もちろん今までもそういう気持ちで書いていましたが、もっとギリギリじゃないと出て来ないこともあるのかなって気付いて。たぶん、それは体調を崩しちゃった時期もあって、ギリギリな局面にぶつかったっていうのもあったんやと思います。でも、そんななかでもレコ―ディングしてるときはめっちゃ楽しかったんですよ。生きてる感じがして、やっぱり歌がないとダメだと本当に思いました。アルバムを作れるということが何よりも自分にとっての喜びで、ライブができて歌が歌えるっていうことが、こんなに自分にとって大切なものなんだっていうのを思い知ったというか。今までもそうやったけど、本当にしんどいときも私には音楽が一番なんやなって心から思いました。

――そうやって全身全霊を傾けて曲を作り続けて、ついに今作で10枚目。オリジナルで10枚目ってすごいですよね。
aikoねぇ!こんなに出せるなんて……って本当に思いました。でも、あっという間でしたし、年を重ねてもちゃんと新しい気持ちが生まれてきて、それを曲にできるっていうのは幸せなことだと思いますね。そして、このアルバムをみんなが聴いてくれることで、そこにみんなの想いも加わる。そうやって新しい思い出が更新されていくんだなって思うと本当に嬉しいです。
(文:高橋栄理子)

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