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湘南乃風『デビュー10周年&約4年ぶりアルバムを語る!』

 昨年シングル「炎天夏」と「雪月花」のリリースを経て、今年10周年イヤーに突入した湘南乃風が、約4年ぶりのアルバム『湘南乃風 〜2023〜』を発売。いわゆる湘南乃風といった荒々しく熱い楽曲をはじめ、メンバーの個性が発揮されたソロ曲、新たな手法を加えたナンバーなど多彩な楽曲が収録され、“新章の始まり”を高らかに宣言する作品になった。

切磋琢磨して歩んできた、湘南乃風の10年

――まず、10周年という部分で思うところはありますか?
SHOCK EYE20代半ばから30代半ばにかけてという、“青年から大人”になり始める時期を湘南乃風とともに過ごせたことは、すごく誇らしいです。普通の人の一生がこの10年に詰まってるんじゃないか?と思うくらい、凝縮されていた。湘南乃風と出会う前の自分のままで一生を過ごしていたら……と想像すると、ゾッとします(笑)。
HAN-KUN湘南乃風は、もともと個の集合体としてグループが始まったわけですが、いまはそのことを改めて強く感じています。時にはぶつかり合いもあったけど、気持ちのどこかで「お前らには絶対負けねえ!」という意識もあって。グループ内での切磋琢磨によって、すごい速さでスキルアップしていった。特に初期の頃はそういう印象が強いです。
RED RICEもし、「同じ10年をもう1回やれ!」と言われても絶対にできない、それだけいろいろな壁を越えて来た。その原動力となったのは、「Real Riders」と「Wild Speed」を初めて4人で作ったときにこみ上げて来た、根拠のない自信です。それがあったから10年やって来られたし、でもそのインパクトを超えることは未だ出来ていないわけで。今年は、10年前の自分たちを超えるインパクトを求める活動になる。それが、きっと次の10年に繋がると思うし。
若旦那新しい自分たちを目指して、“何がクリエイティブなのか?”“何がエンターテインメントなのか?”、それぞれの考え方があっても、みんなで模索しながらやっていくことには変わりありません。次の10年は、さらに新しいことにチャレンジし続けたい。俺の場合はそれがギターで、ヘタで恥ずかしくてもギターを持って歩き始めている。これからの10年を見守っていてほしいです。

――そして、約4年ぶりとなったアルバム『湘南乃風 〜2023〜』は、各メンバーが数曲ずつプロデュースするという形で制作。各自の個性がより明確になったことで、非常に振り幅の広いバラエティに富んだ作品になった。そんななかでも、ソロ曲にはみなさんの個性が如実に表れていると思いました。たとえばSHOCK EYEさんの「いつか」は、お子さんに向けての温かいバラード。
SHOCK EYE自分のソロ活動のなかでもこういうソロ曲はやっていないので、ここでは思いきりパーソナルなものを出そうと。日記や手紙じゃないけど、自分の子どもに対してのメッセージでもあると同時に、自分の親に対しての想いも込めています。

――子どもの声が入っているのは、SHOCK EYEさんのお子さんですか?
SHOCK EYEそうそう!家族旅行のときの映像がiPhoneに入っていたので、思いつきでその音声を使ったんです。子どもが大きくなったとき、「ほら、お前が3歳のときの声だよ」って言いたくて(笑)。
若旦那初めて聴かせてもらったときは、すごく感動した。子どもの成長を見守りながら、ときにドキドキしたり葛藤したり、一瞬一瞬が思い出になっていく……子どもを持つ親は、みんな同じ気持ちです!

――RED RICEさんも早くその気持ちを共有したいですね(笑)。
RED RICEそうですね……って、人をオチに使わないでください(苦笑)。
SHOCK EYEでも、子どもがいなくても自分の親もこう思ってくれてたのかな?とか。聴く人やシチュエーションによって、さまざまに聴いてもらえると思います。

――RED RICEさんのソロ「LIFE」は、哀愁漂うサウンドに乗せて、生きることを歌ってる。
RED RICEみんな同じようなことで悩んでいるんだよと、ざっくりとしてあまり結論のない歌ですけどね。最初は湘南用に作り始めたんだけど、HAN-KUNから「すごくREDっぽいからソロ曲にしなよ!」と言ってもらって。湘南だったら“ここはもっと熱く”とか意識するところがあるんだけど、そういうことは考えず俺らしくと思って書きました。
SHOCK EYEすげぇファンタジーっていうか、言葉の発想が面白いよ。
HAN-KUNREDの人となりが出てる。もうね、RED自体がファンタジーなんで(笑)。

約4年ぶりアルバムに込めたさまざまな想い

――そんなHAN-KUNさんのソロ「Love It…」は、非常にロマンチックなナンバー。
HAN-KUN俺がレゲエという音楽を初めて好きになってから、10年以上経っても変わらず(レゲエを)愛し続けてるよみたいな。その想いは、色あせることなくむしろ色濃くなっていると、未来に向けて歌っています。“ンチャ ンチャ♪”という、オーセンティックなレゲエビートなので、普段レゲエを聴かない方でも聴きやすいんじゃないかな。アルバムの振り幅のなかで、湘南乃風自体そういうフィールドから出て来たんだよと、内訳がはっきり見えたら、きっと面白く聴いてもらえるんじゃないかと思って。

――そして若旦那さんのソロ「あなたのために」は、ギターと歌だけの構成。
若旦那いまソロでやっているスタイルに限りなく近いものですね。ライブで「犬の唄」(湘南乃風の曲)をギターと歌とハーモニカを自分で吹いてという形でやったのが、こういうスタイルでやる最初でした。今回はツアーで弾き語りをしたいというのがまずあって、弾き語りでできるコードとテンポで、歌の節回しも難しくないものを意識して。マイクを立てて、ギターを提げて弾きながら作りました。歌詞は10周年に重ねて、ファンとの絆や自分と嫁との関係、メンバー同士とかさまざまな人間関係を含めて書いています。

――叫びがポイントですね。
若旦那とにかくみんなに「ありがとう」と言いたかったんですよ。みんながいてくれたから、俺は強い気持ちでいられるんだということを、伝えたかった。

――そして、「さくら 〜卒業〜 feat.MINMI」もポイント。これは新しい湘南乃風を感じさせてくれる曲ですね。
若旦那MINMIのプロデュースですが……唱歌の「さくら」をなぞっている部分もあって、MINMI的にはエレクトロのサウンドに、日本の古典的なメロディーを乗せるというチャレンジをしてみたかったらしいです。

――歌詞は10周年を含みつつ、卒業は決して終わりではなく始まりであると歌っている。
若旦那途中で辞めていった仲間、10年一緒にやり続けてくれている仲間、新しく出会った仲間もいる。そのみんなが1つひとつの花で、それが集まって1本の桜の木に見えると歌っています。

――タイトルが『2023(ニイゼロニイサン)』ということですが。
SHOCK EYEタイトルをつけるにあたって、最初に旦那からいまを刻む意味でも『2013』はどうだ?ってアイデアが出て。でデビューの年にして振り返る『2003』は後ろ向きだし、これからの10年を見据えたものがいいんじゃないかと。
若旦那俺的には、小3のときに聴いたヴァン・ヘイレンの『1984』みたいなイメージもあったんだけど(笑)。
RED RICEとにかく前向きなタイトルがいいというのがあって。それで話している途中で、悪ふざけみたいに「ニイゼロ兄さんだね」とか言ってたら、すごく面白くて盛り上がったんですけど……。
HAN-KUNたぶん、その面白さは伝わらないと思うな(苦笑)。

――でも、少なくともあと10年は活動していただけるということですよね。
HAN-KUNそれはどうかな〜。
SHOCK EYEわからないよね。
RED RICE天の邪鬼なんで(笑)。
若旦那でももう俺ら、10年後をめがけて走り出しちゃっているので!
(文:榑林史章)

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