2016-07-14

「自分は関係ない」って本当? 意外と身近な“うつ病の気配”を察知する最新技術とは!?

“うつ病に対する認識”について医師が警鐘!

 “うつ病”に対して立場も考え方も異なる3人を集めて座談会を実施。それぞれの知識、経験、考え方について渡邊真也医師がコメント&アドバイス!!

Aさん (39) / 出版社勤務
雑誌編集者として毎日多忙ではあるが、今まで強いストレスを感じたことはない。

Bさん (33) / 専業主婦
医療系の仕事で5年働いたのち、結婚して専業主婦に。日常的に ストレスを感じている。

Cさん (38) / スポーツトレーナー
実姉が2度うつ病を発症。家族と共に姉の治療を支えた経験を持つ。

「私は絶対“うつ病”にならない」は本当? “環境の変化”に潜む危険とは!?


――まずは皆さんのストレスについてお伺いしたいのですが、Aさんはあまりストレスを感じていないと自己分析していますね?
Aさん 僕はあまり溜めこむ性格ではないのかな? 今まで胃が痛くなるとか、ストレスがドンっと来ることがないんです。一晩寝たらストレスが解消されるタイプなのかも。だから今のところ自分自身がうつ病になるとは考えにくいなぁ。
Bさん 私はただ漠然とした日々を過ごしていることに不安を感じています。働いていた頃は多忙で、仕事中はずっと喋りっ放しだったのですが、専業主婦になって、夫が帰って来ない日はスーパーの店員さんとしか喋ってなかったりするんです。語彙力が減ったことも気になっていますね。

――一方でCさんは、お姉さんが実際にうつ病を患われました。今は快方されたそうですが当時、お姉さんはどんなことにストレスを感じてらっしゃいましたか?
Cさん 姉は一生懸命になり過ぎて自分にプレッシャーをかけてしまうタイプで、会社の悩みが彼女のキャパを超えてしまってうつ病を患いました。街の病院へ通って1〜2週間で回復はしたのですが、その後、資格試験に挑んでいる最中に再発しました。症状が一番ひどい時は“音”が聞こえただけで辛そうで、頭痛もひどかったようです。さらに食事をするだけで気持ちが悪くなっていたので、家族全員が食事中は音を出さないよう気をつけましたね。

渡邊先生 CHECK POINT!

 Aさんのようにストレスを引きずらないことは大切です。ただし「まさか自分がうつ病に」と思われていることに関しては、当院に診察に来られる方のほとんどがそうおっしゃいます。誰でもうつ病を患う可能性があると理解してください。またBさんの“環境の変化”はうつ病の要因の一つ。出世や結婚、出産、引っ越しなど一見楽しそうな変化であっても、精神的負担が減るとは限らないと知っておいてください。もし負荷がかかり過ぎてうつ病になってしまったら…ここで大事なのはCさんがされているようなご家族の協力です。病気の本人もご家族もとても辛いのですが、ご家族の協力があれば治りやすくなると思いますし、再発も少なくなるはずです。

“うつ病”の引き金とは? うつは連鎖を生みやすい


――うつ病を患われているお姉さんがどのような過程を辿られたのか、教えてください。
Cさん 正直、身近にいる僕たち家族も分かりにくいんです。自身が興味を持てている時はハイになっていろいろと話すのですが、逆に暗い話が始まるとそれを聞いている僕たちの方が負担になってしまい…。この負の連鎖で姉がますます暗くなるということもありました。心療内科ではカゴ一杯の薬を処方され、それを見ている僕たちも「そんなに飲んで大丈夫か?」と不安になってしまいました。

――やはりうつ病は患われた方はもちろん、その周囲の方々も大変なのですね。
Aさん 今のCさんの話を聞いて思い出したのですが、実は母が4年ぐらい前に更年期障害になったんです。うつ病という訳ではないのですが、無気力といいますか沈んでいるといいますか…。僕は3人兄弟なのですが、次々と兄弟が結婚して行き、僕が最後に結婚して家を出た。母の変化はちょうどその頃です。Cさんの話を聞いていて、母だったり、例えば僕の妻が、友人が、同僚が、うつ病になった時、どう接すればいいのか、何が正解なのかが気になります。
Bさん 薬剤師時代、多忙でうつになって辞めちゃった子とかもいたので、Cさんの話は他人事ではないと感じました。私は昔に比べると寝つきにくくなったり、ストレスを感じると甘いものが食べたくなって、大量にアイスなどを買ってしまっています。薬剤師の時は、水を飲む暇すらなかったので、それが解放されてそんな行動に移っているのかもしれませんが、やはり私自身も今後が心配です。

渡邊先生 CHECK POINT!

 Cさんのお姉さんのように、何かきっかけがあってうつ病を患う方は多いです。しかし、たった1つのストレスでも心が対応できなければアウトですし、小さなものも積み重なれば耐えられないこともあるんです。ちなみに更年期というのは実は周囲の環境が変化する時期とも重なっています。Aさんのお母さんも環境の変化が積み重なっていますよね。うつ病やストレスを抱えている方にどう接するかということについては大変難しいのですが、うつは連鎖を生みやすいので、誰か1人だけが辛くならないよう、家族やみんなで「ちょっとでも早く良くなるよう頑張っていきましょう」とスクラムを組むことが大切だと感じています。Bさんの食べ過ぎは嘔吐につながることがありますので、なるべくストレスを引きずらないよう、穏やかな生活をするよう心掛けてくださいね。

積み重なっていくストレスの効果的な発散法とは?


――うつ病予防においてストレスの解消は重要課題のようですね。ちなみに、皆さんはどのようにストレス発散していますか?
Aさん 僕は結構、煙草もお酒もやるタイプで(笑)。仕事が大変でも、そこで煙草でブレークタイムを入れる、席を離れてリラックスするというのが一番のストレス発散法になっているように思います。だから逆にお酒と煙草を止めろという状況になったら危ないな。
Bさん 働いている当時は、夜中1時に帰っても必ず浴槽に浸かるようにしていました。シャワーですませちゃうと終わった気がしないのでご褒美感覚で(笑)。専業主婦になってからは、出掛ける機会が激減していますので意識的に外に出るようにしています。

――Cさんはどうでしょう? すでにうつ病になってしまわれた方のストレスの発散について、家族で何かお手伝いできることはあるのでしょうか?
Cさん 姉の場合、最も症状が重い時は、彼女にとって良かれと思った言葉でも落ち込んだりするので何もできないんです。無闇に声はかけられないので、彼女が要求したとき以外は家族から姉に積極的に何かするということは控えていましたね。

――なるほど…とても繊細な問題なのですね。
Cさん でも姉はある時からバレーボールやホットヨガなど、運動を始めるようになったんです。また姉の息子がサッカーをやっているので、その応援に行ったりも。ママ友の皆さんが同じ世代で、会話で共感を得たりするうち、それがストレス発散につながったようです。やがて薬を飲んで寝ている時よりも元気になり、ついには断薬にも成功しました!!

渡邊先生 CHECK POINT!

 まずAさんのお酒や煙草は、別の依存状態になる恐れがあるので、いいストレス発散法とは言えないかもしれません(笑)。Bさんのお風呂やCさんのお姉さんのスポーツは「絶対にそれをする」と決めてしまうと逆に負担になるのですが、お話を聞くと無条件に楽しめているようなので効果はあると思います。最近はインターネットでもうつ病について検索できますが、自分のことは意外と分かりにくいものですから、“ストレス発散だけではどうにもならない”“何か変だ”と思ったら早めに病院で診察を受けた方が良いでしょう。

渡邊真也先生

渡邊真也先生
大分大学医学部卒業後、松阪市民病院で内科系・外科系の研修。その後、松阪厚生病院で精神科として勤務。2014年から新宿メンタルクリニックアイランドタワー勤務となる。同年、名古屋院の院長に。現・新宿ストレスクリニック統括院長。丁寧な問診をモットーに、うつ病の客観的検査である光トポグラフィー検査、副作用のほとんどない磁気刺激治療など、うつ病の診断・治療に積極的に取り組んでいる。

薬だけに頼らない治療法「磁気刺激治療器」とは?


―先生の勤める新宿ストレスクリニックではどのような治療を行っているのですか?
当院では、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)に認可されている磁気刺激治療(TMS)で、うつ病の治療に取り組んでいます。その際、希望者に対して使用しているのが「光トポグラフィー」と呼ばれるハイテク機器。安全な近赤外線で頭の血流を測定しながら簡単な質問に答えていき、その際のヘモグロビン量などから計測されたデータをグラフとして可視化。臨床心理士による問診で得られた情報と合わせ、健常、うつ病、躁うつ病、統合失調症をそれぞれ判別していくことでより正確な治療を行うことができます。

―先ほど先生のアドバイスに登場した「磁気刺激治療器」というのは?
脳の背外側前頭前野(DLPFC)への磁気刺激によって、恐怖や不安、悲しみなどの情動に関わる脳の領域・扁桃体をコントロールする治療法です。判断力や意欲などが高まり、悲しみや不安などのうつに伴う感情が軽減されます。当機器の治療については、当院では週1〜2回実施。時間は1回につき30〜40分。うつ病の80%以上の患者さんに効果があり、薬を使用しながらの治療もできます。副作用はほとんどありません。

―クリニックにはたくさんの部屋が設けられていますね
設備に関しては治療室が77部屋あり、「磁気刺激治療器」は60台設置しています。あたたかな照明や、シンプルかつ清潔な快適空間を実現するなど、訪れた患者の不安を軽減する試みにも留意しています。

新宿ストレスクリニック

 ストレス、慢性の頭痛、うつ病の磁気刺激治療を専門にする、世界有数の治療施設。ストレスや頭痛のほか、原因不明の体の痛みなどに対して、最新機器による検査を行い、症状に合わせた細かな治療プログラムを作り実施する。 安全な近赤外光で頭の血流を測定して、健常、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症をそれぞれ判別する光トポグラフィー検査や、磁気刺激によって脳の活動を回復させる磁気刺激治療(TMS)などを実施する日本で数少ない医療施設。

新宿ストレスクリニック 本院
東京都新宿区西新宿6丁目5-1
新宿アイランドタワー24F
TEL:0120-772-248

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あなたは大丈夫?うつ病チェックリスト

 うつ病には「大うつ病」と呼ばれる、狭義の定義がありますが、この「大うつ病」に関して診断するための、9つの基準が知られています。

 以下の9つをよく確認しながら、自分自身ないし身近な人の現状を振り返ってみると、比較的楽に、うつ病かどうかのセルフチェックが可能になります。過去2週間以上続いているかどうかがポイントです。


Check1

@これといった理由がなくても気分が滅入っていたり、悲しくなって沈んだ気持ちになることがある。

A物事に対する興味がなくなり、仕事に対する情熱や熱中していた息抜きも楽しくないと感じる。


 ここまでは特に重要なポイントで、うつ病を発症しているならほぼ確実に見られる症状と言えます。ここから先は、人によってあてはまるかどうかは大きく分かれます。


Check2

Bいつもより食欲が上がり、猛スピードで大量の食事をとってしまう。もしくは、食事制限をしているわけではないのに食が進まず体重が減った。

Cなかなか寝付けず、眠りに落ちても中途半端な時間に目が覚めてしまう。もしくは、どれだけ寝ても寝たりず眠りすぎてしまう。

D言葉がなかなか出てこなくなったり、しゃべりたく無くなった。反対に、絶えず焦りやいら立ちを感じ、じっとしていられない。

Eあまり体を動かしていないのにすぐに疲れを感じ、何をするのもおっくうになる。

F自分を「価値がない人間」などと感じ、自分を責めてばかりいる。

G物事を深く考えることが難しく、大切なことを決めないといけないときでも集中できず決断できない。

H死ぬことを何度も考えたり、自殺することを具体的に想像する。


 「Check1」に加えて、「Check2」の中から5つ以上あてはまる場合は、うつ病がすでに進行している恐れが濃厚です。 速やかに専門医にご相談ください。

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