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倖田來未、デビュー時の苦労話も!15年の軌跡―

世界初の360°VR(バーチャルリアリティ)MV「Dance In The Rain」を制作し、多方面で大きな話題を呼んでいる倖田來未。世界のトップクリエーターとともに類まれなる彼女の感性が見事な化学反応を起こした今作は、初のデジタルシングルとして、新たな形で提示された。来年12月にデビュー15周年を迎え、常に進化し続けながらも、変わらない魅力、彼女の本心に迫ったインタビューをお届けします。

倖田來未って10年ぐらいで終わっちゃうんじゃないかなって思っていた

――2DのMVでは<恐怖、失意、感謝、希望>という4つの感情が表されていますが、来年12月6日にデビュー15周年を迎える倖田來未の15年を象徴している言葉でもあるように感じます。倖田さんが発信する作品、ライブはリスナーの期待値を毎回超越していますが、そのためにさまざまなことを吸収したり、努力をされたり……とても濃密な15年間であったと思いますが、改めて15年を振り返ってみてこれまでの道のりは長かった?それとも短かったですか?
倖田長いようで早かったといいますか。やっぱり時間って辛いときのほうが流れるのが遅いから、デビュー当時はすごく長いなと思ったし、逆に「Butterfly」からヒット曲が出るようになってからはすごく早いなって感じるようになりました。結婚して、子供が生まれて、環境が変わって、そこからまた早く感じるし。時期によってぜんぜん感じ方が違うんですけど、総合的にはすごく早かったなって感じます。正直、私のなかで倖田來未って10年ぐらいで終わっちゃうんじゃないかなって思っていたんですよ。

――えっ!?
倖田デビュー当時は、10年も歌えたら最高だろうって思っていたんです。だって、“3年で3枚アルバム出して売れなかったら引退”って言われてたから。でも、3枚目を出した後も、あと3年頑張ろうって言ってくれて、運よくヒット曲を出すことができて。だから、私のなかでは3年クールで、この先いつまで歌わせてもらえるんだろうっていう気持ちがずっとあったんです。でも、ありがたいことに10年経って、東京ドーム公演をやらせてもらって、気づいたら15年って感じで、自分自身が一番驚いていますし、何より今もこうして歌わせていただいている状況に対して感謝の気持ちでいっぱいですね。

妹のmisonoの方が先にヒットを――いろんな葛藤がありました

――アメリカでの評価とは引き換えに、デビューして数年は、クラブでの地道な営業活動や妹のmisonoさんの方が先にブレイクされるなど、倖田さんにとって武者修行のような時期もありましたよね。
倖田ちょうど2年目ぐらいに「real Emotion」がヒットしたのですが、楽曲が売れただけで、倖田來未というアーティストが売れたわけではなかった。妹のmisonoに対しても、私の方が先にデビューしていたのに、妹のほうが先にヒット曲を出して、新人賞を取ったりと目に見える活躍をしていたぶん、いろんな葛藤がありました。でも、そこで卑屈になるのではなく、妹に負けず自分も頑張らなきゃいけない、早く追いつかなければいけない、そして、1日でも早くいろんな人の前で歌いたいって思いました。そのなかで倖田來未にしかできないこと、他にはない楽曲を作ろうとオリジナリティーをより追求するようになったんです。最初はあまりにもその要素が強すぎて、なかなかみなさんに受け入れてもらえなかったんですが(笑)、倖田來未が歌うことでどんなにコアな曲でもキャッチーになるんだっていうことを知っていただけるようになってから、より楽曲の幅、ジャンルのアプローチを広げることができるようになったと思います。

――その後、倖田來未として大ブレイク!女子高生やギャルを筆頭に、女の子たちのカリスマとして憧れの存在となりました。多くの女性がくぅちゃんファッションやメイクを真似したり、倖田さんの歌はもちろん、一挙手一投足に注目が注がれましたが、当時を振り返ってみていかがですか?そういった周囲の状況に対してプレッシャーを感じるようなことはありましたか?
倖田正直、当時に関しては客観的に見れない自分がいるんですよ。流れに追いつけていないというか、倖田來未が今、みんなにとってどういう存在なのかがわからなかった。ライブでファンの人たちを実際に目の前にしたときに、倖田來未ってまだ必要とされてるんだなって思うときもあれば、不安に思うこともあるし。

――それは意外な答えでした。
倖田自信がないっていうわけではないのですが、これは昔から変わらないですね。“くぅちゃんバングス”とかいろんな髪型が流行ったり、いろんな女の子たちが真似してくれているのを見たときは、純粋にうれしかった。昔からずっと応援してくれてるファンに新たな家族ができたり、環境が変わったり、私と同じように人生を辿っているんだなって感じたり。若い世代から50代、60代の方まで私の歌を必要としてくださる方がいるというこの現実が、15年前の私からしたら本当に信じがたいことで。でも、この現実が存在する限り、倖田來未としてきちんと歌と向き合って、みなさんに届けていきたいなと思います。

結婚して子供ができて、もっと強くなったと思います

――「20代から30代を経て、環境も大きく変わり、さらに自分を高めていかなきゃならない時期」とのことですが、10代から20代、20代から30代と変わっていくなかで、アーティストとして、ひとりの女性として変化したことはありましたか?正直、10代からずっと倖田來未を見続けているもののひとりとしては、いい意味で変わらない部分がたくさんあるな〜と。音楽に対するチャレンジ精神、周りのスタッフやファンに対する気遣い、誠実さ、切実さ、謙虚さ……など。
倖田ありがとうございます(照笑)。ひとりの女性としては、やっぱり母親になったことが大きな変化ですね。結婚して子供ができて、もっと強くなったと思います。アーティストとしては、倖田來未は私にとってもうひとりの存在。普段の私にはできないこと、発言したいことを発信していくアーティストとして、年を重ねても保守的にはなりたくないなと思っています。ライブをするにしても、見ている人に納得してもらえるようなライブをしないと失礼だと思うし。やっぱり私は倖田來未が好きだから、倖田來未を続けていくためにも、常にファンや家族に恥じない倖田來未をまっとうしたいと思っています。だから、プライベートとの切り替えがうまくできてるのかも。意識的にやってるわけではないんですけどね。もちろん家族との時間も大事にしています。「今からママ仕事に行って来るね」って言ったら、ペンライトを振って笑顔で見送ってくれるんですよ。まだ、幼いのに早くも理解してくれて、ありがたいなって思いますね。


――ストイックでありながらも、楽しむことも忘れないのが倖田來未をまっとうする秘訣でもあるのかな?と。
倖田それはありますね。音楽って音を楽しむって書くように、その一瞬一瞬を楽しまなくちゃいいものは生まれないと思うんです。ライブにしてもそうだし、どんなときも楽しみながら仕事をしようと常に考えています。でも、“楽”ってふたつの意味があって、楽しむのと、ラクにするのとでは大きな違いがあるじゃないですか!楽しみながらも、楽をするのではなく、しめるときはちゃんとしめながら、音楽をさせていただいています。


――15年経っても「音楽をさせていただいています」という謙虚な気持ちを持ち合わせながら、未来へ向かって前衛的な一歩を踏み出しているところがまた倖田さんの人間力の高さ、魅力でもあるなと。
倖田下積み時代を経験したから良かったのかもしれないですね、いま思うと。人と同じ事をしていても皆の目に止まらない!と倖田來未らしさを見つけて、過剰すぎると批判されたり、勘違いされてしまうようなことも、これまでたくさんありました。だけど、間違いじゃないと思ったから、信じて続けることができたから、今があると思う。15年経ってなおさら謙虚に、でも自分に無理しないように1つひとつのことに対して誠実に向き合いながら、これからもどんどん新しいことに挑戦して、倖田來未(の音楽)を自己発信していきたいですね。今、新しいアルバムを制作中なんですが、また違った、エッジの効いた倖田來未が見れると思うので、ぜひみなさん楽しみにしていてください!
(文:星野彩乃)

RELEASE

11月5日よりiTunesで110ヶ国(北米、北欧含む)で先行発売

ファンクラブ限定盤「Dance In The Rain」
発売日:2014/11/12
品番:RZC1-59695/B
価格:¥1,800(税抜き)
>>詳細はこちら

「Dance In The Rain」ミュージックビデオ

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