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杉村太蔵『世の中で一番怖いのは……』
『サンジャポ』は記念に1回出るだけって考えてました
杉村まさか私がバラエティ番組に出るとはねぇ(遠い目)。議員を辞めて、無職のどうしようもない時期に、たまたま『サンデージャポン』のスタッフから電話がかかってきまして、「散々、叩かれて来ましたけど、ウチは生放送です!! 思いのたけをぶつけませんか?」と。さらに「今度の日曜日空いてませんか?」って言うんです。無職の人間で日曜日の午前中予定が入ってる人もなかなかいませんよね(笑)。
――で、記念に出てみようと(笑)
杉村一応、「確認します」って返答しましたけどね。向こう3ヶ月スケジュール真っ白なのに(笑)。でも、家内は何て言うかなぁって多少不安だったんですよ。今は結果的に、多少は番組にも馴染めましたけど、当時は衆議院議員を務めた後に『サンジャポ』のあの席に座るのは強い違和感がありましたね、正直。
――それはそうですよね。
杉村で、家内に「『サンデージャポン』から出演オファーが来たけどどう思う?」って聞いたら、即答で「パパ! 絶対に出た方がいいよ!! あの番組はパパにピッタリよ」って。一瞬、「どういう意味だ!?」とも思いましたけど(笑)、その意見をきっかけに出ることに決めたんです。
――奥さんが見事に背中を押してくれたんですね。
杉村で、収録が終わって家に帰ると、家内が「凄く良かった!!」って。あぁ〜じゃあ良かった!! いい記念になったって。僕としては思い出として一度出演するという気持ちでしたから。
バラエティ番組への意識を変えた明石家さんまからの一言
杉村しかも、『サンジャポ』きっかけで違う番組からもオファーが来て……気がついたらバラエティ番組に出まくってる状態でしたねぇ(しみじみ)。
――今や“薄口政治評論家”としてバラエティタレントとしての確固たるポジションを確立していますよ。
杉村“やりたいことをやる”。これも極めて重要ですけど、“周りがやって欲しいことをやる”の方が道が開けることが多いと思うんです。
――確かに。自分がやりたいことと、周囲が自分に望んでいることって、乖離している場合が多いですからね。
杉村(小声で)本音を言えばですよ? 政治の世界に戻って、外交とか安全保障とか経済活性化とか成長戦略とか……。そういった思いもあるんですよ。
――あ!やっぱり。
杉村でも、「政治をやりたい!!」という思いに対するニーズよりも、バラエティ番組でボケて欲しいというニーズの方がはるかに高いんですよ!!
――アハハハハ!!
杉村元々バラエティ番組には全く興味がなかったんですよ。ところが、そういうお仕事を頂くようになって自分の考えが変わってきたんです。以前、明石家さんまさんに「政治家とタレント、どっちがいい?」って言われたんですね。もちろん、迷わず「政治家ですよ!!」って返答したんですけど。
――ほうほう。
杉村「分かりやすく言えば、ここに橋を作り、道路を作り、空港を作り、図書館を作れる。世の中を動かすことが出来る面白い仕事ですよ!!」って言ったんです。そうしたら、さんまさんが「そうかぁ。でも、俺たちは笑顔を作れるから」って仰られたんですね。
――カッコイイなぁ。
杉村なるほどなぁ〜って。笑顔っていうのは、時として道路や橋よりも人の命に繋がることがありますよね。だから、その言葉でせっかく頂いたバラエティ番組に情熱、やり甲斐を見いだすことが出来たんです。
――杉村さんのバラエティに対する偏見も解消されたと。
杉村社会的意義というか、バラエティ番組というのはこの国にとって重要なインフラですね!!
爆笑問題と小泉元首相の共通点
杉村『サンジャポ』の制作陣は超一流ですし、なによりも爆笑問題さんが凄い!! あのお2人の何が凄いって、『サンジャポ』に限って言えば、自分たちの意見を一切言わないんですよ。
――普段は辛口な批評でお馴染みなのに。
杉村そう!! 言いたいことなんか山ほどあるはずなんですよ。でも、あそこで太田さんや田中さんが意見を言ってしまうと、それが“番組の答え”に なってしまうんです。ですから、周囲の意見をとことん聞いてまとめあげるトップリーダーと言いますかね。
――優秀な企業のトップが部下のとことん意見を出させるのと共通しているんですね。
杉村小泉元首相もそうでしたね!! 会議などでも常に聞き手にまわって話を聞いてますから。トップを取る方の共通項かも知れないですね!!……ただ、爆笑問題さんは『サンジャポ』の直後に放送されるラジオ番組ではメチャクチャ言いますけどね(笑)。
――“薄口政治評論家”も太田さんが命名されたんですよね。素晴らしいネーミングですよね。
杉村……この薄口政治評論家でいくら稼がせてもらったか!! 唐突に太田さんから「薄い! コメントが薄いなぁ〜」って言われて。顔は笑っていても内心はイラっとしたんですよ。でも、翌週からはすっかり肩書として浸透してましたね。ただ、今は凄く感謝してます。難しい政治や経済のことを“薄口”で語らせたら世界でも僕の右に並ぶものはいませんから(キッパリ)。
――世の中、ちょっと辛口に疲れてますからね(笑)
杉村そうでしょ? ちょっと、間に薄口を挟みたくなるもんですよ!! ただ、私のご意見で終わってはダメなんですよ(笑)。
(撮り下ろし写真:田中達晃)
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<動画インタビュー>バラエティー番組は重要なインフラ
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