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SHOW-YA・寺田恵子が明かすプリプリとの本当の仲〜80年代バンドブームの実情

1985年にデビューして以来、女性ロックバンドの草分けとして活動してきたSHOW-YA。そんな彼女たちが30周年イヤー第1弾として男性ロックバンドのヒット曲のみを選曲した初カバーアルバムをリリース。その歌声も生き方もますますロックでパワフルなボーカル寺田恵子が、80年代バンドブーム時代の裏話や当時女性バンドの双璧だったプリンセス プリンセスとの関係など、いまだから話せるエピソードを男前に語ります!

好きなだけではやっていけない世界――ファンがいたから30年続けられた

――今回のカバーアルバムを聴いても、それは感じました。男性バンド括りの選曲ではありますけど、30年のキャリアで熟成された世界観は性別もジャンルも超えてるなと。
寺田実際、どの曲も男バンドのカバーだからどうとか、そういうことを意識して歌ってないし、演奏してないからね。ただ、どれもその時代その時代で光を浴びてきた人のパワーを感じるというか。キャラクターの濃いシンガーと曲ばっかりだから、そうそう簡単には歌わせてくれない。そりゃもう、大変でしたよ。

――どこらへんが難しかったですか?
寺田まずみなさん、レンジ(音域)がすごい。なかでもGLAYの「HOWEVER」とLUNA SEAの「ROSIER」は聴いてるときにはわからなかったけど、歌ったら“マジかよ?”って(笑)。高いキーはまだいいんだけど、「ROSIER」なんかAメロが思っていたよりワンオクターブ低かったんですよ。で、低いキーってがんばると逆に出ないから、がんばって出さないように出すっていう(笑)、かなり難しいテクニックが必要で。でも初のカヴァーアルバムなんだから、チャレンジしてもいいんじゃないかって。どうせ挑戦するなら、高い壁のほうがいいよねってそういう気持ちでしたね。

――男前ですねぇ(笑)。
寺田SHOW-YAって壁が高ければ高いほどドーンと真正面からぶつかっていくタイプなの。そこは昔から変わってない。だからライブも今のほうがパワフルですよ。終わると、放心状態で体のあっちこっちが痛くなるぐらい全エネルギーを注ぎ込んでる。でも最近はそこに楽しみを見い出してしまって、痛いよねぇって言いながら、それが快感でドMになってるっていう(笑)。

――若い女性バンドの人たちからは、そんなSHOW-YAをリスペクトする声もよく聞きますが。今の女性バンドブームをどんな風に見ていますか?
寺田まずビジュアルが可愛い!しかもテクニックがどんどん上がっていて、プリプリとSHOW-YAが一緒になったようなバンドがいっぱいいるじゃない?そういう部分でこの子たちに本気でぶつかってこられたら怖いなって思うし、逆にぶつかってくればくるほど抜かされないぞっていう両方の想いがある。ただ同じステージに立つ人間として、“私たちの生き様を後ろから見なさい”って気持ちもあるので、そのためにはがんばり続けないといけないなっていうのはありますよ。あと女バンドにしかわからない悩みとか、いつでも相談していいよとは言ってる。いまは楽しいさかりだろうけど、困ったときはおいでねって、そういう間柄にはしてます。

――頼もしい先輩ですね。
寺田ただね、10代20代のハードロックのバンドの子たちとか、SHOW-YAと同じような衣装を着てたりするんですよ。それを見るとまずいぞって。一緒に写真を撮ってくださいとか言われても、ボカして欲しいなと(笑)。
あとSCANDALとか一緒に歌番組に出て並んで歌ったりするんだけど、身長は変わらないのに私のほうがやけに大女に見えるんだよね。何でだろ?

――やはり“迫力”の違いかと。
寺田んー、それもどうなの?とは思うけど、“熟女、なめんなよ”って言っちゃってますからねぇ。でも最近は言った後に“なーんてね♪”ってつけてるの。言い過ぎると怖い人になっちゃうから(笑)。

――(笑)。では最後に、ここまでSHOW-YAを続けてこられた一番の理由はなんだと思いますか?
寺田やっぱりファンが大きい。自分たちの歌や音楽を明日への力にしてくれたり、そういう人がいるからがんばってこれたんだと思います。じゃないと30年も続かない。好きなだけではやっていけない世界だからね。
(文:若松正子/撮り下ろし写真:西田周平)

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