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ザ・クロマニヨンズ『意外な素顔から独特の音楽観まで語る!』

アルバム『GUMBO INFERNO』を9月24日にリリースしたザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト&真島昌利が登場。好きなテレビ番組や二日酔いエピソードといったゆる〜い雑談から、年齢を経て感じる変化、ミュージシャンとしての意外な素顔、独特の音楽観までまさに“徒然なるまま”なトークを展開してくれた2人(笑)。肩の力が抜けた、そのナチュラルなコメントに笑い、癒され、和んだ貴重なインタビューをお届けします。

毎週観ているテレビ番組&気になるお笑い芸人は……!?

――まず、おふたりが最近、気になっていることをお聞きしたいなと。ハマっているテレビ番組とかあります?
甲本僕、『孤独のグルメ』(テレビ東京系)は毎週観てます。あれはドラマとして上手。役者もセリフも演出も全部いい。
真島僕は『スクール革命!』(日本テレビ系)かな。今のテレビのなかで一番おもしろい。僕がいま一番笑える番組です。


――お笑い番組も観ます?
甲本『アメトーーク』(テレビ朝日系)は好きです。
真島僕は最近の芸人さんはあまりわからない。昔なら“獅子てんや・瀬戸わんや”とか、“青空球児・好児”とか好きだったけど。
甲本古すぎる(笑)。
真島あ、でもナイツはおもしろい、最高。最近の芸人さんだと、それぐらいかな。
甲本歌番組とかは10代の頃から観ないよね。だから最近のアーティストとかよく知らない。
真島桜田淳子とかキャンディーズならよく知ってるけど(笑)。僕は山口百恵が好きで、松田聖子もドンズバ。ずっとソニーひと筋です(笑)。

――(笑)。では普段の生活で何か気になったことは?
真島何もないなぁ。毎日(お酒を)飲んでいるので。今日も二日酔い気味(笑)。
甲本でも二日酔いのときって、二日酔いを隠そうとがんばる自分がいて。うまい具合にそれが裏目に出るんだよね。
真島僕は隠さない。いつも二日酔い気味だから(笑)。でも仕事中は飲みませんよ。飲んでやるとロクなことがないので。

――飲んで仕事をしたことがあると?
真島1回ね。ある年の大晦日のセッションで昼間から飲んで。そのままステージに上がったら指が全然動かない。仕方ないからボリュームをちっちゃくして、弾くフリをしてました(笑)。
甲本昔はみんな、そんな感じだったよ。って、みんなじゃないか(笑)。でも昔よりお酒が好きになったよね。おいしくなったっていうか。あとさ、みんな歳をとると「たくさん食べられなくなった」って残念そうに言うじゃない?僕は逆に“たくさん食べないですむようになったんだ!ラッキ〜”って思うんですよ。性能が上がったんだ、すごいじゃんって。


――燃費が良くなったと(笑)。真島さんは何かの取材で「年をとると、都バスと都営線が無料になるから嬉しい」って言ってましたよね?
真島だって、タダでどこでも行けるんですよ!
甲本1日中、バスに乗っちゃうよね。
真島で、「おたくもタダ?僕もタダですよ」って触れ合う(笑)。僕は年をとったらそういう人になるんです。「マーシー、いつもバスに乗ってんな」って言われたい。

――でも、シルバーパスをもらえるのは70歳からだから、まだまだ先ですよ。
真島え、そんな先なの?!(ショック)
甲本それまで待ってらんないよ〜。待ち遠しいな、70歳(笑)。

――音楽に対して、年齢と共に変わったことは?
甲本昔はお小遣いが限られていたから、1ヶ月に2枚のアルバムを買うのが精一杯だったけど、今はもっといっぱい買えて幸せです。
真島20年ぐらい前までは、1日2枚レコード買ったらオレ、“人非人”だって思ってた(笑)。
甲本レコード屋に行っても、2人でヒヤヒヤしながら心臓バクバクしてたよね。それがいつからかガマンしなくなって、でもそうなると逆に欲しいモノがないっていうか。イヤな大人になって札ビラ切ってやるぜって意気込んで(お店に)行ったのに、買いたいものがないときの悲しさ……。それはガマンして買えなかったときより、寂しかったりするんですよ。

未だに歌い方がわからない……ずっと何となくやっている

――“成功した大人”ならではの寂しさですね。
真島でも、俺はギター弾くとき、昔よりも遠慮がなくなって楽しくなりましたよ。

――前は“遠慮”があったんですか?
真島2〜3年ぐらい前までは、楽器に対してあったんですよ。自分でもよくわかんないし、説明できない感覚なんだけど。それで、ギターの方も俺に言うんです。「お前、もっと図々しくなっていいんだよ」って。自分だけが遠慮してみたいです。
甲本時々“ピロリロリ〜ン”って、妖精みたいな音をさせていたのは遠慮してたから?
真島それは僕とギターが通じ合ったときに出る音(笑)。それも自分にしかわかんない感覚だから。
甲本僕は未だに歌い方がわからないです。自分の歌い方とかスタイルとか。“コレが俺の歌だ!”っていうのがなくて、ずっと何となくやってる。そのうちわかるのかなぁ……。

――唯一無二の歌唱スタイルなのに?
甲本フツーはちゃんと練習して熟成してスタイルができ上がっていくじゃない?野球とかも素振りして自分のフォームを作るでしょ。僕はそういうのがないんですよ。毎朝起きて、初めてバットを持つ感覚だから。

――では、あのスタイルは偶然生まれた?
甲本うん。その日の感じだったんじゃないかな。だから今日はまた違うかもしれない。同じことは二度とできないし、マネもできないんですよ。

――“今日の俺は昨日の俺とは違う”みたいな。
甲本いやいや、そんなカッコイイもんじゃない。僕って未熟だなって話です。どうすりゃいいのか未だにわからないし、わかって楽になったらいいなとは思う。ライブでも毎回緊張しますからね、どんな声が出るかわかんなくて。人が聴いたら同じじゃんって思うかもしれないけど、自分では毎回ドキドキ。
真島僕もライブで音を出す前はそういう感覚ですよ。ステージに出て音を出しちゃうと、その瞬間すべてがどうでもよくなって、“ピロリロリ〜ン”って音が頭に流れるんだけど(笑)。
甲本やっぱり音楽は大好きなことで、他に代わりがないから緊張するんですよ。今日のライブがダメでも、他でがんばればいいやとか、そういうもんじゃないから。

――それは曲作りも同じ?
真島そうですね、“慣れる”ことはない。
甲本でも、うちはマーシーと僕で順番に曲を作っていくから、フルアルバムを作ってもみんながやってる量の半分なんですよ。それぐらいならなんとかなる。だいたい3日ぐらいで曲ができて、集まってちょっと手直してって、グダグダやるのがまた楽しくて。

――何10年もそれをやり続けているわけですが、飽きることはないんですか?
甲本レコーディングっていうと特別なことに感じるけど、僕らは演奏してるだけだから楽しいし、飽きない。だって自分が高校生や中学生だったら、土日しかやらせてもらえないんだよ。でも僕たちは毎日できる。それは楽しいよ。

――でも、おいしいものも食べ続けたら、飽きるじゃないですか。
甲本何で飽きないんだろ?バカなのかな(笑)。
真島やっぱり好きだからじゃないですか。他にやりたいこともないしね。
甲本うん。映画も観るしマンガも読むけど、特別なことはないな。どれもこんなに楽しくない。

――では、今回リリーされるアルバムの制作も、いつものペースで?
真島いつもどおりです。
甲本楽しかったですよ。

――ちなみに、タイトルの「GUMBO INFERNO(ガンボ・インフェルノ)」はどのようにつけたんですか?
甲本いつもどおり苦し紛れ(笑)。特にコンセプトがあるわけでもないし、できた曲をバラバラっと2人で出してポーンと入れるだけだから、毎回タイトルが決まらないんですよ。例えば今、この場にいる人たちでチーム名を決めてください言われたら困るじゃない?で、(机のペットボトルを見て)「じゃあ“ペットボトルズ”でいいや」って、そんな感じで決めてるんですよ。

――それでよく“ガンボ・インフェルノ”なんて言葉が出ましたね?
甲本よっぽど苦しかったんだと思う。みんなでがんばったんです(笑)。

――そんなアルバムを引っさげて、ツアーも始まりますが。
甲本練習します。でもまた緊張するなぁ……。

――緊張しなくなる日は来るんですかね?
真島緊張しなくなったら……そのときは、タダでバスに乗ってますよ(笑)。
(文:若松正子)

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