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HMV による専門店オープンで国内のアナログ人気加速となるか
HMV による専門店オープンで国内のアナログ人気加速となるか
海外では2000年代後半からアナログ市場が急伸
その理由のひとつが、08年にアメリカでスタートした「レコード・ストア・デイ」の存在。レコードショップとアーティストが一体となり、レコードを手にする面白さや音楽の楽しさを共有する年に一度の祭典で、クリス・ブラウンが発案、エリック・レヴィン氏らレコードショップの経営者7人によって創始され、毎年4月の第3土曜日に開催。全米700店舗以上のレコードショップが参加する一大イベントとなっている。
日本でも「RECORD STORE DAY JAPAN」として、2012年よりスタート。同イベントに合わせてリリースされるアナログレコードの作品数は、1年目は4作品に留まっていたものの、今年4月のイベントでは45作品、参加店舗数も104店舗に拡大。アンバサダーには後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が就任し、木村カエラ、きゃりーぱみゅぱみゅ、サンボマスター、くるりなどメジャー・アーティストの作品も目立った。
「レコード・ストア・デイ」などの影響で日本でもブームの兆し
こうした国内の状況のもとオープンした「HMV record shop 渋谷」は、5月に閉店した老舗のレコード店「DMR」の跡地に出店。洋楽全盛期の60〜80年代の中古レコード・CDの名盤を中心に、約8万点の商品を取り揃える。洋楽に影響を受けた邦楽アーティストの作品を集めたコーナーや、針・プレーヤーなどレコード関連商品のコーナーも設けられている。HMV店舗でアナログレコードを本格的に取り扱うのは、今回が初となる。
ローソンHMVエンタテインメントの小松正人氏は、出店の理由について「当社が展開するECサイト強化の一環として、中古商材を扱いたいという話が出ましたが、中古市場には強い競合相手がいるため、HMVの強みを活かした専門性の高いショップにするには『アナログレコード』が必要不可欠だということになりました」としたうえで、「海外でレコード需要が高まっているなか、日本でも今年に入ってから本格的に盛り上がってきています。その波に乗りたい、という思惑もある」との考えを明らかにした。
また、若者を中心に新規層を獲得するべく、HMV独占企画のアナログシングルも継続的に発売し、商材の強化を図っていくという。かつての「渋谷系」ムーブメントにおいて、HMV渋谷(2010年に閉店)の果たした役割は大きかった。今回の出店がアナログブーム拡大の起爆剤となるか、注目していきたい。
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