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HMV による専門店オープンで国内のアナログ人気加速となるか

HMV による専門店オープンで国内のアナログ人気加速となるか

 大型CDチェーン「HMV」が、8月2日に東京・渋谷にアナログレコードとCDの中古専門店「HMV record shop 渋谷」をオープンした。この出店の背景にあるのが、ここ数年の国内での「アナログレコード」人気の再燃だ。日本レコード協会が発表しているここ10年間のアナログディスク生産実績の推移をみると、減少傾向にあったアナログ盤の生産金額は2010年で底を打ち、2011年以降は回復傾向に(2012年はザ・ビートルズの高額アナログ盤BOXの影響もあり急増)。2013年の実績は、2010年と比較すると邦盤が約132%増、洋盤が約145%増となっている。

海外では2000年代後半からアナログ市場が急伸

  • 「HMV record shop 渋谷」の様子

    「HMV record shop 渋谷」の様子

 欧米では、00年代後半からアナログレコード市場が急成長している。今年1月に米ニールセン傘下の米Billboardが発表した2013年のアメリカ国内のデータでは、音楽ストリーミングサービス等の台頭によりデジタルダウンロード販売が初の減少となった一方で、アナログレコードの売上は伸長。全体的な割合としてはまだ小規模ではあるものの、依然右肩上がりの傾向を示している。このブームをけん引しているのが、いわゆるCD世代の若者であることも特筆すべきところだ。

 その理由のひとつが、08年にアメリカでスタートした「レコード・ストア・デイ」の存在。レコードショップとアーティストが一体となり、レコードを手にする面白さや音楽の楽しさを共有する年に一度の祭典で、クリス・ブラウンが発案、エリック・レヴィン氏らレコードショップの経営者7人によって創始され、毎年4月の第3土曜日に開催。全米700店舗以上のレコードショップが参加する一大イベントとなっている。

 日本でも「RECORD STORE DAY JAPAN」として、2012年よりスタート。同イベントに合わせてリリースされるアナログレコードの作品数は、1年目は4作品に留まっていたものの、今年4月のイベントでは45作品、参加店舗数も104店舗に拡大。アンバサダーには後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が就任し、木村カエラ、きゃりーぱみゅぱみゅ、サンボマスター、くるりなどメジャー・アーティストの作品も目立った。

「レコード・ストア・デイ」などの影響で日本でもブームの兆し

  • 「HMV record shop 渋谷」店内の様子

    「HMV record shop 渋谷」店内の様子

 ここ数年、日本でもアナログレコードの売上が上昇傾向にある理由は、「RECORD STORE DAY JAPAN」の存在や比較的若手のアーティストが続々とアナログ盤をリリースし始めたことなどが挙げられる。3人組女性ユニット・Perfumeは今年5月、昨年10月に発売したオリジナルアルバム『LEVEL3』をアナログ盤として発売。その影響を受けて、5/26付のオリコン週間ランキングでは前週付の圏外から一気に8位へと急上昇した。ユニバーサル ミュージックの担当者によると、「ピンク、イエロー、クリアという3色のカラーヴァイナル仕様で展開したため、コレクターズアイテムとしての需要も高かったようです。アナログレコード好きの方はもちろん、アナログレコードに触れたことがなかったファンの方もグッズ的な感覚で購入して下さったようですね」という。

 こうした国内の状況のもとオープンした「HMV record shop 渋谷」は、5月に閉店した老舗のレコード店「DMR」の跡地に出店。洋楽全盛期の60〜80年代の中古レコード・CDの名盤を中心に、約8万点の商品を取り揃える。洋楽に影響を受けた邦楽アーティストの作品を集めたコーナーや、針・プレーヤーなどレコード関連商品のコーナーも設けられている。HMV店舗でアナログレコードを本格的に取り扱うのは、今回が初となる。

 ローソンHMVエンタテインメントの小松正人氏は、出店の理由について「当社が展開するECサイト強化の一環として、中古商材を扱いたいという話が出ましたが、中古市場には強い競合相手がいるため、HMVの強みを活かした専門性の高いショップにするには『アナログレコード』が必要不可欠だということになりました」としたうえで、「海外でレコード需要が高まっているなか、日本でも今年に入ってから本格的に盛り上がってきています。その波に乗りたい、という思惑もある」との考えを明らかにした。

 また、若者を中心に新規層を獲得するべく、HMV独占企画のアナログシングルも継続的に発売し、商材の強化を図っていくという。かつての「渋谷系」ムーブメントにおいて、HMV渋谷(2010年に閉店)の果たした役割は大きかった。今回の出店がアナログブーム拡大の起爆剤となるか、注目していきたい。

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