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水川あさみ『不器用なひとりの女性として見てもらえたら』

世界中でその実在が報告されている怪奇現象“バイロケーション”。通称バイロケを題材に、自分とまったく同じ姿形を持った、もうひとりの自分に人生を侵食されていく恐怖を描いた、ホラー映画『バイロケーション』。公開時には、全く異なる表と裏、2バージョンの結末も話題を呼んだ本作がついにBlu-ray&DVD化。「近年ダントツの完成度を誇る、日本ホラー映画」として、春にはイタリアで行われた第16回ウディネ・ファーイースト映画祭コンペティション部門にも出品された本作について、主演の水川あさみに聞いた。

すごく鍛えられた気がします(笑)

――本作で水川さんが演じた、ヒロイン・桐村忍とその桐村から生まれたバイロケ。一見しただけでは区別のつきにくいふたりの、見応えのある物語のおもしろさには、ミステリーとしての深みも感じました。演じる側としては、一人二役という言葉以上に複雑な、難易度の高い役どころだったのでは?
水川今回は、撮影後にCG処理をしてやっと完成するシーンが多くて、撮影現場で完成形を確認することができず“大丈夫かな、ちゃんと成立しているのかな?”という不安が常にありましたね。例えばひとつの画のなかで、オリジナルとバイロケが対峙するシーンとか、真剣にやっているんだけど、(画として観たときに)笑えてしまったらどうしよう? って。そういう部分で、すごく鍛えられた気がします(笑)。でも出来上がりを観て、監督を信じて良かったと思いました。

――初仕事となった、安里麻里監督の印象は?
水川女性監督ならではの繊細さと、アクションシーンなどでの男性も顔負けのダイナミックなスピード感、両方の才能をお持ちの方でした。目の下にクマを入れるなど、監督と一緒に桐村の切羽詰まった感を細やかに作っていくことで、バイロケが出現してしまう彼女の哀しみを表現することができました。いろいろな伏線が張りめぐらされているので、内容を全部知っていても騙されちゃうような、不思議な魅力の作品になったと思います。公開時にも監督のミスリードにうまくひっかかって、深読みしてくださる方が多くて。実は加賀美(高田翔)は飯塚(豊原功補)の息子じゃないかとか、そういう話題を耳にする度に“よしよし”って思っていました(笑)。

――ドラマやCMなどでの明るいイメージとはひと味違って、初主演映画『渋谷怪談』や『絶対恐怖Prayプレイ』など、美貌を活かしたホラー映画への出演も印象深い水川さん。ズバリ本作の怖さとは?
水川自分の相反する感情から、もうひとりの自分が現れるなんて、誰にでもあり得そうなだけにちょっと怖いですよね。しかも、ないものねだりな気持ち、妬みやひがみといった隠しておきたい感情から、もうひとりの自分が出てくるわけですから! 人には見せたくない感情を、少し違った側面から描いていく手法は怖いけど、新鮮さも感じました。ホラー映画という位置づけになってはいますが、心霊的な恐怖ではなく、サスペンスとしてのおもしろさがあり、登場人物それぞれの心理描写も色濃く表現されているところもすごくいいと思っていて。不器用なひとりの女性の物語として見てもらえたら、うれしいです。

恥をかくことを恐れずに続けていきたい

――例えば体を通して、別の人物を生きる女優という視座で捉えたとき、役とはもうひとりの自分なのでしょうか? それとも新しい自分と出会う感覚?
水川どっちもありますね。客観的に演じるときも、こんな感情になるんだ! と発見するときも。その時々によって違います。今回は、役に没頭してしまうと、オリジナルかバイロケか混乱して成立しなくなるので、感情的なシーン以外はいつも以上に冷静に計算して、全体の流れを頭で考えながら、演じていました。私にとっては挑戦でした。

――本作の撮影が行われた昨年は『シェアハウスの恋人』でゴールデンタイムの連ドラ初主演、10年ぶり2度目の舞台出演となった『激動-GEKIDO-』でも座長を務め上げました。30代に入って、ますます活躍の幅が広がっていますね!
水川役の幅が広がっている、できる役が増えていくおもしろさはありますね。一方で、若いころはがむしゃらに何でも楽しめていたのが、年を重ねて、役の重要さがわかってきたことで、楽しんでばかりもいられない部分も出てくるようになりました。だんだん誉められることが多くなり、それが怖くなって、久しぶりに舞台に立つことにしたんです。自分を打ちのめすような役に出会いたかった。

 この映画も、とても大変な撮影でしたが、チャレンジしてよかったと思っています。映画には、ドラマとはまた違った充実感がありますよね。ワンシーンにかける時間も違うし、話の着地点が見えているからこそできることもある。映画のお仕事は、女優をやる限りはやっていきたいですね。これからも恥をかくことを恐れずに、お芝居を続けていきたいと思います。
(文:石村加奈)

バイロケーション

 ある日スーパーでニセ札の使用容疑をかけられた高村忍(水川あさみ)。10分前の防犯カメラ映像には、いるはずのない自分が映し出されていた。連行された忍は、刑事から想像を絶する真実を聞かされる。それは、自分と同じ容姿でありながら全く別の人格を持つ、もう一人の自分、“バイロケーション”。本物よりも凶暴な性格を持ち、必ず自分を殺しにくると……。

監督:安里麻里
出演者:水川あさみ 千賀健永 高田翔 滝藤賢一
2014年7月16日(水)Blu-ray&DVD発売
(C)2014「バイロケーション」製作委員会

Blu-ray&DVD詳細はコチラ

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『バイロケーション』公式サイト

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