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地道な活動で勢い付く――“負け組”アイドルたちの逆襲

地道な活動で勢い付く――“負け組”アイドルたちの逆襲

 AKB48やももいろクローバーZら第一線で活躍するアイドルたちを筆頭に、地方アイドルや地下アイドルと言われる人たちまでも誕生し、しのぎをけずるアイドル業界。そんななか、アップアップガールズ(仮)、THE ポッシボー、Cheeky Paradeら、いわゆる“負け組”と言われていたアイドルたちがいま、地道な活動が実を結び、セールスやライブ動員数の増加など、勢いを付けている。

夢の“ハロプロの聖地・中野サンプラザ”で単独コンサート

  • アップアップガールズ(仮)

    アップアップガールズ(仮)

  • THE ポッシボー

    THE ポッシボー

 ジャニーズJr.やAKB48研究生などアイドル集団には予備軍がいる。ハロー!プロジェクトにはハロプロエッグ、モーニング娘。’14やスマイレージ、Juice=Juiceなどに出身者がいる。一方で2010年には、主に高校生以上のエッグメンバーに「研修課程修了」が通達された。修了といえば聞こえはいいが、要はデビューを果たせないままハロプロを追われる“リストラ”だ。その1人だった仙石みなみは「絶望を感じた」と当時を振り返っている。仙石は事務所からハロプロを離れて芸能活動を続ける意志があるか問われ、一度は決めた引退を撤回した。同様に一縷(いちる)の望みを託した7人で結成したのが、現在のアップアップガールズ(仮)。それから3年、“負け組”として、引退の瀬戸際にいた彼女たちが、6月1日にハロプロの聖地・中野サンプラザで単独コンサートを行う。

 当初は持ち歌もなく、ハロプロを辞めたのにハロプロの曲を歌うしかない状況で、小さな会場でライブをしてきた。エッグで後輩だった真野恵里菜やスマイレージ、モーニング娘。に入った譜久村聖らの活躍を横目に。だが、オリジナル曲が作られ、タワーレコードのアイドル専門レーベル「T-Pallet Records」からCDを発売し、活動を続けるうちに、彼女たちのライブに注目が集まってきた。

 「1本1本のライブを“戦い”だと思って、生きるか死ぬかの全力を賭けてます」(仙石)と文字にすると大げさだが、実際にステージを目にすればうなずける。激しい曲をたて続けに歌い踊り、息を切らせながらMC……という光景。メンバーはアンコールまで終わり楽屋に引き上げた瞬間、床に寝転んだり、うずくまって動けなくなっているとか。ハロプロの傘の下にいたエッグ時代と違い、1回ごとのライブで存在価値を示すしかないゆえ。だが、そんなステージは感動を呼び、人気を広げていった。そして、かつて先輩のバックで踊っていたサンプラザのステージで、自分たちのコンサートを開くに至った。

自らビラ配りも!“何が何でもやってやる!”精神で掴んだ現在

  • Cheeky Parade

    Cheeky Parade

 ほかにも最近、負け組から反転したアイドルが目につく。ハロプロエッグから2006年にいち早く、つんく♂プロデュースでデビューしたTHE ポッシボーは、5作連続TOP10に入るも売上げは頭落ちでCD発売が途絶え、ライブの動員も減るばかり。アイドルブームが到来すると、若手グループにどんどん抜かれていった。2011年秋には半年に渡りマンスリーライブを行うと発表したが、“結果が出なければ解散?”とも噂された。

 そこからポッシボーのライブが「熱い」と評判を呼び、ツイッターでも注目されるように。危機感をバネにメンバーたちで意見を出し合い、ステージでの気合いも格段に増した。客席と一体になって盛り上がり、ライブ後の握手会ではファンも声がかれてるほどに。さらに新人さながら、ももいろクローバーZなどのライブ会場にメンバー自らビラ配りに出向いたりも。そうした努力の甲斐あってライブの動員はV字回復。レコード会社を移籍して2年ぶりにCD発売も果たし、かつてのセールスを上回った。そして、初の全国ツアーの最終公演を11月16日に、念願だった中野サンプラザで行う。

 SUPER☆GiRLSを擁するエイベックスのアイドル専用レーベル「iDOL Street」にも、「ストリート生」という予備軍がいる。インディーズ活動を経て、第2弾アイドルとしてデビューしたCheeky Paradeは、メンバーのほとんどが『avexアイドルオーディション2010』の落選者だ。

 このオーディションでは最終選考に24人が残り、うち12人が合格してSUPER☆GiRLSのメンバーに。2分の1の確率はオーディションではかなり高いが、逆に言えば、落選した12人は夢に半分手を掛けながら、突き落とされたことになる。そのなかに、現Cheeky Paradeメンバーの関根優那と鈴木友梨耶がいた。「控え室に戻って過呼吸になるくらい泣きました」(鈴木)、「魂が抜けて放心状態でした」(関根)。

 その後、3次審査の不合格組らとストリート生になり、レッスンを重ね、選抜されたメンバーでCheeky Paradeを結成。インディーズで発売したシングルは完売。ライブ動員などの課題をクリアし、SUPER☆GiRLSから2年遅れで、昨年1月9日にメジャーデビューした。シングル3枚とアルバム1枚、すべてTOP5に入りした。「私たちは一度オーディションに落ちて、希望がなくなるくらいショックでした。だからこそ強いんです。何が何でもやってやる!という根性はあります」とリーダーになった関根は言う。

 “負け組”だったアイドルたちの逆襲。きらびやかなライトの裏で一度は道を閉ざされながら、決して諦めなかった少女たちの物語は胸を揺さぶる。そしてファンも、自らの励みにしながら声援を送っている。
(文:斉藤貴志)

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