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藤原竜也&山田孝之『どんどん気持ちが向き合った末のクライマックス』

日本映画界を牽引する実力派俳優、藤原竜也と山田孝之が初タッグを組んだ映画『MONSTERZ モンスターズ』。まなざしひとつで他人を自在に操る、怪物と呼ばれる“男”(藤原)と、唯一彼の能力が通用しない、正義感の強い青年・田中終一(山田)との生死を懸けた壮絶なバトルが、目の離せない勢いで描かれる! 見事な怪演ぶりで展開された演技合戦の手応えなどをおふたりに聞いた。

野太い存在感を再認識できるおもしろさ

――本作が初共演とは、意外でした。
藤原共通の友人はいるんだけど、なぜか飲みの席などでもお会いしたことがありませんでしたよね?
山田藤原さんの出ていた舞台を観に行ったとき、楽屋で挨拶をさせていただいたことはありました。
藤原(俳優・山田孝之の存在については)興味ありましたよ! 今回、よくぞ山田くんと組ませてくれたなと(笑)。人との出会いって、運命的な部分が大きいのかもしれませんが、お互いに30歳を過ぎたタイミングで、がっつりと対峙する役どころで共演が果たせたことは、いいきっかけだったと思っています。少し気が早いけど、この縁が次へとつながっていけばいいなって。
山田僕も(藤原とは)いつか共演してみたかったので、オファーを受けて“ついに来たぞ!”と。“男”ではなく、田中終一役でオファーがあったこともうれしかったですね。いろいろな役をバランスよく演じていきたいと思っていますが、ここ何年かエキセントリックな役、自分から発信していくような役どころが多かったので。“男”の持つとんでもない能力に翻弄されつつ、ギリギリでかわしていく普通の男に魅力を感じました。

――山田さんは、終一を怪物ではなく、普通の男として捉えていたと?
山田バケモノだと思いましたか? 自然治癒力は人並み外れているけど、明らかに人とは違う能力を隠そうとして彼は生きてきたし、そうすることで世の中に溶け込もうとしてきた。彼自身に特殊な力を持っている意識はあまりなかっただろうし、僕も彼をスーパーヒーローにはしたくないと思っていました。あくまで体の強い、普通の人間が巻き込まれていくイメージで演じていました。とくに前半は、ナチュラルな口調などごく普通の人らしく心がけることで、後半の緊張感とのメリハリを考えました。
藤原山田くんの体幹の強さは、まさに終一そのものでしたよ。刺されても死ななそうでしょ? それは悪い冗談としても(笑)、僕のなかで、終一と山田くんはぴたりと重なり合っていた。“男”の前に突如現れた、田中終一という大きな壁の存在には、山田孝之という俳優の野太い存在感を再認識できるおもしろさもあったと思います。まだそんなに仲良しじゃないので(笑)、山田くんの巨大な存在感の後ろに何が隠されているのか? 僕にはわからないけれど、終一が背負っているものの大きさと共通するところは多いのではないかと勝手に想像しています。

――山田さんが藤原さんから感じたことは?
山田舞台を観たときにも感じていましたが、藤原さんの芝居の圧は、動きが少なくても十分強烈でした。僕の方は今回、とにかくアクションシーンが多かったのですが、アクションの部分においても、カッコ良く見えないように、普通の人間が必死でかわしていく見え方に気をつけていました。
藤原僕が目のアップのカットばかり撮っている一方で、山田くんは昨年夏の猛暑のなか、格闘家の川尻達也さんと戦ったり、1000人もの群衆に襲われて走り回ったり、格闘したり……。この映画は、山田くんのアクションで成立しているといってもいい!
山田単純に不器用なんですよ。例えばお腹を殴られるシーンがあると、その感触を芝居で表現できる自信がないから、実際に腹を殴ることで、リアリティを得たいというのか。のべ3000人くらいのエキストラの方に集まっていただいた劇場でのアクションシーンは、リハーサルを繰り返して、撮影に臨みました。僕の走るスピードや歩幅はもちろん、右左どっちの足から踏み出すかという細かいところまで一つひとつ確認して、全員の呼吸を合わせ、作り上げていきました。
藤原完成作を観たとき、劇場の場面で“男”に操られた群衆が、2階、3階から次々と転落したり、もがき苦しむ様子にすごい迫力を感じました。これまでの中田秀夫監督作品のなかでも観たことのないような画だと思います。(現場では)僕は高いところから見下ろしていただけでしたが(笑)。

すっきりとした後味の新しいジャンルの娯楽

――中田秀夫監督の演出はいかがでしたか?
山田中田監督とも今回が初めてだったので、楽しみにしていました。台本の流れやそのセリフに行き着くまでの終一の気持ちなどについては、現場に入る前に話し合っていたので、現場に入ってからは、どのシーンでも「もっと目を見開いて!」「息遣いを荒く!!」とばかり言われていた印象があります(苦笑)。
藤原最初に台本を読んだとき、今まであったようでないようなテーマの映画だと思いました。SFというか非現実的な話なので、どうやってそこにリアリティを持たせることができるのか? 例えば“男”の目はどれくらい操れるのか? 終一の強烈な強さとはどれほどのものなのか? 考えてもわからない部分が多かったので、その辺は現場に入って、中田監督と相談しながらワンカットずつ作り上げていくしかないと思っていました。『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』以来、絶対の信頼を寄せている監督に、今回も引っ張ってもらった感じですね。

――『GANTZ』や『デスノート』など、挑戦的な話題作を次々と世に送り出してきた製作チームが、本作で用意した刺激的な結末。追い詰められた“男”と終一がいよいよ激突するクライマックスシーンでは、藤原さんも本作で初めてアクションに挑み、転落必至のらせん階段で、大掛かりなラストバトルが繰り広げられます。身体能力の高いおふたりならではの死闘は、圧巻でした!
山田らせん階段のシーンに辿り着くまでに、大事な人を殺され、怒りや憎しみを抱いている“男”に対して“こいつはこいつで闇を抱えて生きてきて、その闇にどんどん取り込まれてしまった人間なんだ”と理解を深めていった終一は、“男”を止めるのは自分しかいないという意識以上に、なんとか“男”を救ってあげたいという思いに変わっていったのだと思います。“男”がこの道しかないと決めつけている、孤独な生き方は、特殊な能力を隠して生きてきた終一にしてみれば、力さえ使わなければ、俺みたいにもっと普通に生きていけるのにって。そうやってどんどん気持ちが向き合った末でのクライマックスシーンでしたね。
藤原山田くんが強い芯を持って現場に来てくれたので、こっちも「ついていこう」という気持ちになりました。完成作を観て、山田くんと「こういう日本映画が増えていくといいね」って話したんです。最後まで勢いよく観られるし、すっきりとした後味の新しいジャンルの娯楽“映画”が生まれたと思います。
山田ちょうど撮影に入る前に、アメリカのテレビシリーズ『HEROES』を観ていたんですが、この映画も『スーパーマン』とか『スパイダーマン』を観るような感覚で楽しんでもらえたらいいなって。テーマとかに捕らわれず“へぇ、すげえな!”って感じで。映画って、それくらい自由でいいんじゃないかと思います。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:逢坂 聡)

MONSTERZ モンスターズ

 ひと目見るだけで、他人を思い通りに操れる超能力を持つ男(藤原竜也)は、独りで静かに人生を歩んできた。ある日、自分の能力が一切通じない田中終一(山田孝之)に出会う。男は思い通りにならない終一への怒りで彼の大切な人を殺してしまう。復讐を決めた終一と、彼を抹殺しようとする男、どちらが生き残るのか……。

監督:中田秀夫
出演者:藤原竜也 山田孝之 石原さとみ
【公式サイト】
2014年5月30日(金)全国ロードショー
(C)2014「MONSTERZ」FILM PARTNERS

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『MONSTERZ モンスターズ』公式サイト

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