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(更新: ORICON NEWS

劇団ひとり『すべてやりつくす!芸能生活20年で初めての感覚』

バラエティ番組でおなじみだが、作家としての顔も持ち、俳優としても活躍中。マルチに活動し、多くのコアなファンに人気の芸人・劇団ひとりが、自著『青天の霹靂』の映画化で初監督を務めた。作家としての小説執筆時、映画製作における監督としてのこだわり――表舞台に立つ時とは異なるひとり監督の頭のなかをのぞいたロングインタビュー!! 大泉洋とのゆるい(!?)ウラ話もこっそり明かす☆

脚本を超えてもうらための感情優先の演出

――そうやって想像して現場に行って、役者さんが実際に動くと、また違ったことが起こることもあると思いますが、それはどうでしたか?
劇団ひとり理想を言うと、ある程度の動きであったり、シーンの説明を口頭でやって、役者さんが役作りをしてきたうえで思い通りのことをやってもらって、それが僕の期待を超えてくれるのがいちばんいいんですよね。そうじゃなかったときだけ、細かいことを言おうと思っていました。でも、みなさん一流の役者さんだから、脚本に書かれたキャラクターをはるかに超えてくれるときがあるんです。こんなに良いシーンにしてくれるんだという、驚き半分、うれしさ半分の気持ちになるときがよくありました。撮影の後半に近づくにつれて、そういうことが増えましたね。とくに後半には大事なシーンの撮影がたくさんあって、感情優先で演じてもらったほうがいいと思っていました。やっぱり、一発目にいちばん新鮮な感情が出てくるだろうから、それをカメラでおさえたいと思って。テストとかドライは何度か繰り返しますが、テストのときは、俳優さんにはなるべくセリフと動きの確認にとどめて抜いてやってください、本番に全力投球してくださいとお願いしていました。

――大泉さんとお仕事をしてみて意外だったところはありますか?
劇団ひとり僕の場合は見たままでしょうけど、大泉さんもけっこう慎重な方でしたね。大泉さんのほうから、「このときの晴夫のセリフは、晴夫の気持ちとはあわないんじゃないか」という指摘をくれることもあって、それが理に適っていることが多かったです。

――このインタビューの前に大泉さんにお話を聞いたときに、「(ひとりさんは)僕のことをノリで生きている人だと思っていたんじゃないか」と言われていました(笑)。
劇団ひとり確かに、今回ご一緒させていただくまで慎重というイメージは正直なかったですね(笑)。もうちょっと感覚的な方かと思っていたら、すごく理論的で。僕のほうも、あまり抽象的に言われてもわかりにくいし、理論的なほうが話しやすいので助かりましたけど。大泉さんとの撮影は“一緒に映画を作っているんだ”という実感がすごくありました。

――撮影の最初のうちは、ひとり監督があまりにもしゃべってくれなくて「嫌われているんじゃないかと思った」とも大泉さんは言われていましたが、撮影が進むうちに距離も近づいたそうで。でも、風間杜夫さんや大泉さんほか出演者のみなさんでお食事に行ったとき、ひとり監督だけ誘われなかったという話も聞きしましたが、その後はお食事に行ったりは?
劇団ひとり今は一緒に地方をまわっていますので、ご一緒させていただいています!(笑)。

――今後、また大泉さんと映画のお仕事をされることがあったら、どのような作品になりそうですか?
劇団ひとり僕がまた次に映画を撮るかはまだわかりませんが、もしやるとしたら、大泉さんには大変な役をやってもらいたいですね。これで、次が普通のホームドラマだとしっくりこないですからね。ちょっと汗を流してもらったりするんじゃないでしょうか。今回の映画が充実していたので、お互いさらっとした仕事はしたくないんです。大変な思いをしながら仕事をしたいですね。

――最後に、映画公開が1ヶ月後に迫って(取材時)、今の気持ちはいかがですか?
劇団ひとり公開が迫ってきてプレッシャーを感じています。コントだったら自分中心でよかったんですけど、映画はひとりじゃなにもできないんです。映画を作るうえで、いろんな人が一緒にがんばってくださって、手をかしてもらうことがどんなに大事かもわかりました。そういう人の苦労に報いたいというか、それでコケたら申し訳が立たないですからね。だから、あたってもこけてもいいやとは思えない。それで今は全国を回っています。映画監督って大変だなあと思うときもあるんですけど、スタッフの顔を思い浮かべると面倒くさいなんて言えないし、僕ができることはすべてやりつくしたいと思っています。芸能生活20年になりますけど、初めての感覚です。
(文:西森路代/撮り下ろし写真:逢坂聡)

⇒ 前のページへ【本業と作家を兼業するモチベーション】

青天の霹靂

 売れないマジシャンの晴夫(大泉洋)は、生まれてまもなく母に捨てられ、父とは絶縁状態。ある日、父の訃報を聞いて絶望した晴夫は、気がつくと40年前の浅草にタイムスリップしていた。そこで若き日の父(劇団ひとり)と母(柴咲コウ)に出会う。ひょんなことから、父とコンビを組み、人気マジシャンになっていく。やがて母の妊娠が発覚。10カ月後に生まれてくるはずの自分……家族を待ち受ける真実と結末とは……。

監督:劇団ひとり
出演者:大泉洋 柴咲コウ 劇団ひとり
【公式サイト】
2014年5月24日(土)公開
(C))2014「青天の霹靂」製作委員会

関連リンク

<インタビュー前編>本業と作家を兼業するモチベーション
<インタビュー後編>脚本を超えるための感情優先の演出
<青天インタビュー連載 第1弾!!>大泉洋が自ら語る大泉洋論!
劇団ひとり 撮り下ろし☆PHOTO GALLERY☆
『青天の霹靂』公式サイト

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