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四十九日のレシピ『タナダユキ監督&二階堂ふみ―思いつまっていても仕方がない』

亡くなった母の“幸せに生きるためのレシピ”を通じて、遺された家族が心の傷を抱えながらも、自身の人生について考え、再生に向かっていく姿を温かく描いた『四十九日のレシピ』。映画賞を総ナメにした『八日目の蝉』(2011年)の永作博美、石橋蓮司ほか豪華キャストの名演が胸熱だが、タナダユキ監督は今作と出会い、映像化を経て何を想い、何を問いかけたか。タナダユキ監督が大いに語る!ロリータファッショの少女イモちゃんを好演した二階堂ふみインタビューも☆

映画が完成して時間が経って――

――主人公と同世代の女性、男性もですが、我がことのように受け止める人間ドラマですね。
タナダ世の中にいろいろな映画があるなかで、こういう映画があってもいいかなと(笑)。今まで男性女性とわけて映画を撮ったことがなく、今回のように不妊などを扱う作品を撮る過程で、そのことに多くの女性が悩み葛藤していることを改めて知って、驚愕しました。そして、この映画のなかに答えがあるわけではないけれども、何か自分を見つめ直すきっかけになればな、と。思いつまっていても仕方がない、思いつまるといいことはないことを知ってほしい。映画が完成して時間が経って、そういうことを改めて思いました。

――その不妊は一例で、必ず終わる人生とどう折り合いをつけ、納得するかが重要ですよね。
タナダあの後も百合子は不妊治療をがんばると思うけれど、やがてあきらめるかもしれません。でも、たとえそうなったとしても、彼女のなかですごく納得して止めると思うんです。百合子は今回の帰省で自分の人生を顧みて、見えていないものがあったことを知った。それは大きなことですよね。私は、もしも10年前にこのお話をいただいても、撮らなかったと思います。テーマのひとつである不妊に関して、まだ深く考えることができなかったと思うので。そして年齢を重ねると、親との関係や、親の老いや死がリアルに降りかかってくる。人生がUターンする年齢になってくると、少なくとも自分の人生自体も「始まり」ではないことに改めて気づきます。そういうとき、どうすればいいかみたいなことを、考えないといけない年齢になったんだなと。

――良平と百合子の関係は理想的な父娘関係ですが、もともと追求したかった主題ですか?
タナダそうですね。お互い自立できない親子は多い気がしていて、精神的にも経済的にも依存しないことって、実はなかなか難しいこと。そのうえ、そもそも家族って、意外とやっかいなものですよ(笑)。親はいつまでたっても親で、子はいつまでたっても子というように、お互いの人生は自分のものと心底思うようになることって実は少ない気がします。

故・淡路恵子さんのリアルな人間の理解

――さて、公開後の哀しいニュースとして記憶に新しいですが、今作は女優・淡路恵子さんの遺作になりました。監督と女優としての関係のなか、印象に残っていることはありますか?
タナダ黒澤明監督や成瀬巳喜男監督とお仕事をされた方なので、最初は緊張しましたが、わたしのような海の者とも山の者ともわからない監督に対しても、自分の気持ちがいいお芝居ではなく、監督が目指すものに近づいてきてくださる方でした。驚くとともに、映画で育った方だなと改めて思いました。

――演出や撮影の合間の何気ない会話のなかでなど、想い出深いエピソードはありますか?
タナダ珠子さんは口うるさい嫌なおばさんじゃないですか。人によっては、役柄同様に見られたくないと思う女優さんもいるので、もし、そう感じていたら困るなあと思っていました。あるときフォローの意味で「珠子さんは、きっと悪気はないですよね」と言ったら「悪気はあるわよ」とおっしゃって(笑)。実は悪気がない人、と単純に解釈されていなかった。「ですよねえ(笑)」と答えましたが、悪気はないという偽善でなく、悪気はあるという前提で引き受けてくださっていたことに改めて感激した次第です。

――ところで、いくつかある魅力的な映像特典のなかで、とくにオススメしたい特典は?
タナダ「監督×脚本家のコーヒタイム」です。全然コーヒーをいただいていないですが(笑)。これは宣伝の一環で作ったもので、それまで言わなかった秘話みたいなことを話しています。子どものいない人生は果たして空白なのかなど、ちょっとだけ追求したことをダラダラ話している感じ。映画を一度観て「監督×脚本家のコーヒタイム」を観れば、女性の場合は自分と比較して、思うことがあるかもしれないです(笑)。

――『四十九日のレシピ』は、過去作と一線を画すような家族のドラマでしたよね。ファンとしては新しいタナダユキ監督の一面を知れてうれしいですが、ご本人はいかがですか?
タナダ確かに今回は、親戚一同に勧めていい作品になっているので、すごくありがたいです(笑)。いままではR指定の作品が多かったので、観る人が限定的でした(笑)。今回は、より多くの人たちに広がったと思うので、その感想が聞けてうれしかったです。幅が広がった実感があるというか。でも、今後もRが付くような作品も撮ると思いますよ(笑)。
(文・写真:鴇田 崇)

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『四十九日のレシピ』Blu-ray&DVDが登場!

 累計35万部突破の伊吹有喜の同名小説を映画化。前作『八日目の蝉』で映画賞を総ナメにした、永作博美主演。石橋蓮司、岡田将生、二階堂ふみ競演で贈る感動作!
 母が遺したレシピに導かれ、母の人生を旅する、49日間の感動の物語がいよいよBlu-ray&DVDで登場☆豪華特典映像も満載!

『四十九日のレシピ』2014年4月16日(水)発売
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【特典映像】109分
<仕様> 16:9LB/片面・二層 音声:?ドルビーデジタル2chステレオ
<内容> ●予告・スポット集●ナビゲーション番組「甘口篇」&「辛口篇」●監督×脚本家のコーヒータイム●まかないのレシピ「ごはん編」&「おやつ編」●メイキング●舞台挨拶集
⇒ 公式サイトはこちらへ!
(C)2013 映画「四十九日のレシピ」製作委員会

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