ミュージック インタビュー&コメント

ミュージックライブレポート
2009年06月05日
LIVE REPORT
RADIO MAGIC
“みんなが聴きたい曲”だらけのスペシャルライブ!

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桑田佳祐、小田和正ら超豪華アーティストによるスペシャルライブ!
 今年開局20周年を迎える、大阪の人気ステーション・FM802のスペシャルイベント『FM802 STILL20 SPECIAL LIVE「RADIO MAGIC」』が5月30日・31日の2日間、大阪城ホールで行われ、超豪華アーティストが集結した。選曲は802が開局した89年から今年までの“RADIO HITS”のみで構成されたスペシャルプログラムで、“みんなが聴きたい曲”が次々と披露された。

 今回、アーティストは1人ひとりがラジオへの想い、FM802との思い出をを語り、ラジオの電波に乗ってリスナーの心をつかんだ名曲を歌う…というスタイルだ。

 1日目のオープニングは、いきものがかり・吉岡聖恵と福原美穂の元気な女のコ2人が、JUDY AND MARYのカバー「RADIO」を披露。早速意外なコラボレーションに、この後どんな組合せが登場するのか楽しみになる。

 そしていきものがかりが登場。まずは「気まぐれロマンティック」から。吉岡の声は気持ちを上げてくれて、幸せな気分にさせてくれる声だ。本当に楽しそうに歌い、演奏している・「帰りたくなったよ」、そして「SAKURA」はアコースティックバーションで、静かにそして熱く歌い上げ、感動を呼ぶ。続いて登場した福原美穂は、デビュー曲「CHANGE」「LOVE〜winter song〜」を披露。今回のイベントのために結成されたスーパーバンドの音に負けていないパワフルなボーカルで、会場の温度を一気に上げる。

 ちなみにスーパーバンドとは、バンマスの佐橋佳幸(G)を中心に、Dr.KyOn(Key)、斎藤有太(Key)、渡辺等(B)、河村“カースケ”智康(Dr)、本田雅人(Sax)、佐々木久美(Cho)、渕上祥人(Cho)、大滝裕子(Cho)という、音楽ファンなら誰もがうなるそうそうたるメンバー。彼らは2日間で53曲を演奏し、とにかく素晴らしい音でこのイベントを盛り上げ、成功させた立役者でもある。

 CHEMISTRYは「So in Vain」で相変わらずグルーヴのあるハーモニーを聴かせてくれた。ラジオという歌い手の顔が見えない媒体は、彼らの歌のようなハーモニーが印象的な作品が本当にマッチしていると思う。そして大阪、FM802にゆかりのあるアーティストの作品をということで、彼らに「約束の場所」という曲を提供した槇原敬之の「北風」をカバー、そして「約束の場所」を披露した。ラストの「You Go Your Way」では、圧巻のハモりに客席は聴き入り、感動が広がっていった。

 客席が感動の余韻に浸っていると、ユースケ・サンタマリアが登場し、雰囲気がガラッと変わる。そしてユースケが、トラの被り物をした謎のゲストを呼び込む。そのゲストが被り物を取ると…なんとそこには桑田佳祐が。考えられないシークレットゲストの登場に場内は一瞬あっけに取られていたが、すぐに地響きのような大歓声に。早速『音楽寅さん〜MUSIC TIGER〜』(CX系)のオープニングテーマ曲「HONKY JILL〜69のブルース〜」を歌い、場内はヒートアップ。「大阪にゆかりの曲を」と上田正樹の「悲しい色やね」をカバーした後は、ヒットシングル「明日晴れるかな」「波乗りジョニー」を熱唱し、客席は総立ちで興奮のるつぼ。「また帰ってくるからね〜」と言い残し、桑田が去ったあとも場内はしばらくザワザワ……衝撃の大きさを物語っていた。

 20分間のブレイクタイムを挟み、後半戦がスタート。まずは中世フランス貴族のような装いで現れたのがKAN。いきなり必殺の名曲「愛は勝つ」を歌い始めると、全員で大合唱。そしてスキマスイッチとのコラボレーション。その前に「せっかく360度の客席なので、ウェーブされたい」とKANがリクエストし、大ウェーブが場内を一周。満足そうなKANとスキマは、KANの「まゆみ」を披露し、最後は再びKANが「世界でいちばん好きな人」を歌った。

 スキマスイッチが再登場し「デビュー曲でヘビーローテーションになったこの曲から」と「view」を聴かせてくれる。この後、常田がスーパーバンドのメンバー紹介をし、人気のバラード曲「マリンスノウ」を切々と歌った。そしてここで大橋が絢香が呼び込むと、ものすごい歓声。「おかえり」という声があちらこちらからかかる。スキマ×絢香というめったに観る事ができないコラボが選んだ曲は、「全力で歌います」という大橋の声と共にイントロが始まると、大歓声が巻き起こった「全力少年」。もちろん一夜限りのスペシャルバージョンに客席はヒートアップ。

 スキマスイッチを見送り、絢香がステージに残る。女性からの歓声がすごい。「おかえり」を披露し、「ただいま〜」とホームに帰ってきた嬉しさからか、ニコニコ顔で挨拶。続けて「(結婚)おめでとう〜」という掛け声には「すみません、お騒がせしました〜」と応えていた。そしてみんなが聴きたい「三日月」。ピアノ一本で始まり、チェロ、アコーディオンが加わり、絢香の伸びやかな声と共にこの曲の世界観が広がる。今回のイベントはどの曲も、音楽監督・佐橋氏のアレンジが素晴らしく、印象的だった。「Peace loving people」は大合唱になり、満足げな表情で絢香はステージを降りていった。

 そして初日のトリを務めたのは斉藤和義。故・忌野清志郎さんのカバー「JUMP」でスタート。ゆるいトークで会場を和ませるが、「やわらかい日」「君の顔が好きだ」で客席はグイグイ惹きつけられていく。そして「アゲハ」でしめた。シンプルなステージだったが、強烈なインパクトを残してくれた。

 本当のラストは、出演者全員による忌野清志郎さんの最後の作品「Oh!RADIO」。清志郎さんのラジオに対する想いが、豪華アーティストの歌を通して放たれていく。素晴らしい作品を遺してくれた清志郎さんに感謝!

 2日目のオープニングは、藤井フミヤとシークレットゲスト・浜崎貴司(FLYING KIDS)によるRCサクセション「トランジスタ・ラジオ」のカバー。年齢的にはエアチェック全盛時代の2人にとって、この曲は忘れられないだろう。「清志郎さんありがとう!」とフミヤが絶叫する。

 浜崎がそのまま残りFLYING KIDSの名曲「幸せであるように」を披露。続いて、ピアノが『ルパン三世』のテーマを奏で始めると、SEAMOが登場。1曲目は「ルパン・ザ・ファイヤー」。スピード感あるラップで客席を一気に盛り上げる。そして「マタアイマショウ」。通常は打ち込みサウンドをバックに歌うのだが、今回はバンドを従えてガラッと違う雰囲気で聴かせてくれる。「Continue」もピアノがフィーチャリングされて、すごくいい感じ。どんなステージでも必ず盛り上げるSEAMOのパワーに脱帽。

 生バンドをバックに新鮮だったのは、青山テルマもそうだ。「そばにいるね」「何度も」をしっとりと聴かせてくれた。ホームに帰ってきて大歓声で迎えられたのが清水翔太。まずは「HOME」を情感タップリに歌ってくれた。2曲目の「アイシテル」の後半では、フェイクでスーパーバンドと“セッション”スタイルに。圧倒された客席から大きな拍手が。

 オープニングに続いてフミヤが登場。「名刺代わりに」といきなり大ヒットナンバー「TRUE LOVE」を歌い始める。相変わらずの伸びのある声に、聴き入る客席。続く「Another Orion」では歌詞を忘れてしまうハプニングも。でも歌い終わると「スペシャルバージョンでお届けしました」と余裕の対応。最後の「タイムマシーン」ではキレのあるダンスを披露し、客席を沸かせた。

 「POP STAR」のメロディーが流れ始めると、この日2組目のシークレットゲスト・平井堅が登場。総立ちになる客席に向かい「POP STAR」を歌うと、大歓声が巻き起こる。そして2曲目は1日目のシークレットゲスト・桑田佳祐の「白い恋人達」をカバー。ピアノ1本でしっとりと、でも情熱的に歌い上げる。

 ブレイクタイム後は一青窈「ハナミズキ」からスタート。人気曲だけに場内がまさに聴き入る感じ。中には涙しているお客さんも。「もらい泣き」「はじめて」を歌い終わると、小田和正が登場。「キラキラ」をステージ狭しと駆け回りながら歌い、さらにステージを降り、少しでも客席に近づこうという“いつものスタイル”をこの日も見せてくれる。大阪を好きになれなかった話で盛り上がり、アコギで「言葉にできない」を少しだけ披露した後、「たしかなこと」を歌い始めると、静かな感動が広がる。そしてステージに一青窈と「弟分です」と佐藤竹善を呼び込み、オフコース最後のシングル「君住む街へ」を3人でカバー。素晴らしいハーモニー。

 一青と佐藤が一旦ステージから去ると、ここで3組目のシークレットゲスト・松たか子が登場。アメリカのフォークソングのスタンダードナンバー「500マイル」の“忌野清志郎訳詞ver.”を、小田をコーラスに従え披露。そして松だけがステージに残り、「明日、春が来たら 97-07」をステージを走り回りながら元気に歌ってくれた。

 トリは「おかえり〜」というファンからの温かい声に迎えられたSING LIKE TALKING(SLT)が登場。5年半ぶりの3人揃ってのステージ。「帰ってきました〜」という佐藤竹善の声とともに「SEASON OF CHANGE」でスタート。久しぶりのSLTを、メンバー自身が楽しんでいる。そして2曲目の「With You」の後半には、SLTをリスペクトしてやまないSEAMOが再び登場し、コラボレーションが実現。そしてラストは代表曲「Spirit of Love」。アコースティックアレンジで始まり、最後はバンドのコーラス隊、ミュージシャン、そしてSLTの声が重なり、まるでゴスペルのようなものすごいバイブレーションを感じさせてくれた。

 シメは前日と同じように出演者全員による「Oh!RADIO」。浜崎が忌野清志郎さんの写真を胸に抱えて登場し、全員で万感の思いで歌う。感動的なフィナーレだった。

 豪華なアーティストの競演だったが、どこかアットホームな感じがするラジオフェスだった。シークレットゲスト、意外なコラボ、そして名曲の数々と本当に夢のような2日間だった。何より2日間で53曲、素晴らしい演奏を聴かせてくれたスペシャルバンドに大きな拍手を贈りたい。

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